~米国バイヤーから「直接問い合わせ」を勝ち取る3ステップ~
前回の記事では、海外バイヤーを惹きつけるための全体像をお伝えしました。
この記事では、さらに踏み込み、今すぐ、または近い将来に導入を検討しているバイヤーにピンポイントで届くキーワードを選び出す方法を解説します。
ここで一つ、キーワード選出の段階で、キーワードにも種類があるという非常に重要なポイントをお伝えします。
コンテンツSEOで狙うキーワードには、大きく分けて2つの種類があります。
- 情報収集型: 「小豆の栄養価は?」など、知識を得たいユーザー向け。このキーワードは、ホワイトペーパー配布に最適なキーワードです。
- 比較検討型: 「高品質な小豆を日本から卸売りしてくれる会社は?」など、具体的な取引先を探しているユーザー向け。このキーワードは、直接問い合わせに直結します。
このガイドでは、後者の「直接問い合わせ(商談)」を最短距離で生み出すためのキーワード選出について、その選出過程をナビゲートします。※「情報収集型」のキーワードは、こちらの記事参照
【前提条件】
なお、この記事の対象は、海外マーケティング担当に初めて取り組む中小企業担当者で、英語が得意だからと任命された、英検準1級程度の実力があり、ウェブマーケティングの入門程度のスキルもある方を対象にしています。つまり、海外マーケは初めてだけど、英語やウェブアプリの操作に前向きに取り組める下地がある担当者むけです。
また、この記事でご案内するツールについてです。DeepLの無料版アカウントがすでにあること、Ubersuggestは無料版のアカウントがすでにあること、Google広告の広告出向者のアカウントがすでにあることを前提に、調べる作業手順についてお伝えしています。
目次
ステップ0:DeepLを横に置いて「バイヤーの取引条件」を言語化する
まず、ツールを触る前に、バイヤーが問い合わせをしたくなる条件ワードを英語で書き出します。
英検準1級程度の語学力があれば、おもいついた単語を書き出すのはスムーズだと思います。DeepLなど翻訳アプリを併用すると、よりネイティブに近いビジネス用語を網羅できるでしょう。
まず5分間、取り組んでみましょう。着眼点として3点あります。この3つのポイントに沿って、想像をめぐらしてください。
【例 : 小豆を扱う中小企業】
「azuki」という単語だけでは広すぎます。
- 取引形態: Wholesale (卸), Supplier (供給元), Bulk (大口)
- 産地・品質: Hokkaido origin (北海道産), Non-GMO (非遺伝子組み換え)
- 用途: for Beverage manufacturers (飲料メーカー向け), for Confectionery (製菓用)
これらをDeepLで組み合わせ、「取引先を探している人が使いそうなフレーズ」を5つほど作ってみてください。
なぜAIを使わないのか?
「AIに聞けば早いのでは?」と、もしかして思われましたか? ステップ0で人間がまず動くことには、AIには代替できない理由があります。
AI(GeminiやChatGPT)は、インターネット上の「過去の膨大なデータ」から回答を生成します。そのため、以下の3つの点で人間に及びません。
- 「現場の一次情報」を持っていない: 商談の場でバイヤーがポロッと漏らした悩みや、展示会で食いつきが良かったキーワードは、ネット上のデータにはなっていません。あなたの頭の中や御社に蓄積されている「現場感覚」こそが、競合と差別化する最大の武器です。
- 「自社の強み」への深い理解: AIは「小豆の一般論」は語れますが、「貴社の小豆が他社より30分早く煮える」といった、ニッチだけどバイヤーが喜ぶ独自の勝機を見逃します。
- 責任の所在: AIが出したワードをそのまま使うと、もし成果が出なかったときに「なぜこのワードを選んだか」という戦略的な説明(社内への納得感)が弱くなります。
なので、「人間が仮説を立て、AIがそれを広げる」。この順番が、海外SEOで勝つための最強の役割分担です。
あなたの「壁打ち相手」として最初のキーワード出しのサポートをAIに依頼するなら、ただ「キーワードを出して」と聞くのではなく、「市場の文脈」を深掘りするプロンプトを使用するなら、このステップ0での役割を果たすことになります。
例えば、
[]にあなたの必要な情報をいれてください。
役割: あなたは米国市場に精通したB2Bマーケティングコンサルタントです。 目的: 日本の[製品名:例 小豆]を米国の[ターゲット:例 菓子製造販売メーカーやショップの購買担当]に直接売り込むための、比較検討段階のキーワードを、ペインポイント、代替ワード、信頼の指標、を基に、5つの組み合わせをわたしが考えてみました[ ]。これを参考にさらに10個、あなたからキーワードを新たに提案してください。 自社の強み: [例:北海道産、農薬不使用、大口供給可能、JAS認証あり] 条件: > 1. 単なる「Adzuki beans」ではなく、導入を検討しているプロが検索する「ロングテール(3語以上の)」フレーズであること。 2. 米国のビジネス慣習で使われる「Wholesale」「Supplier」「Sourcing」などの意図を含めること。 3. 各キーワードについて「なぜバイヤーがこの言葉で検索するのか」の心理的背景も解説してください。
では、次に、ここで出てきた10個を、Ubersuggestとキーワードプランナーに入れ、数字(需要)と勝てる見込みを、次のステップで確認していきましょう。
ステップ1:Ubersuggestで「競合が少ない隙間」を見つける
次に、Ubersuggestを使って、市場の需要を確認します。まずは、無料版でかまいません。
左のナビゲーションのなかから、「キーワード候補」を利用します。

- 設定: 検索窓に先ほどのステップ0であげた10個のフレーズ(例:Adzuki beans wholesale)を入力。ターゲット市場の地域と言語を選択します。たとえば、「United States」を選択します。
- キーワード候補の抽出: 左メニューの「キーワード候補」を見ます。
- 「フィルタ」を活用する:
- SEO難易度(SD): 40以下を目安に探してください。数字が小さいほど、中小企業でも上位表示のチャンスがあります。
- 意図の確認: Price (価格), Distributor (代理店) などの単語が含まれていれば、それはまさに「比較検討」しているバイヤーがつかっている言葉といえます。「検索意図」をトランザクショナルに設定したフィルターをかけたあとでも、目視確認してみてください。
比較検討しているバイヤーが使う言葉を、スプレッドシートなどに、整理して次へすすみましょう。
ステップ2:キーワードプランナーで「広告主の熱量」をチェックする
次に、Googleキーワードプランナーを使い、そのキーワードの「本気度」を測定します。
- Google広告>「ツール」のなかにある、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に、ステップ1で絞り込んだ候補を入力。
- 「地域」を米国に設定。
- 「ページ上部に掲載された広告の入札価格」を見る:
- ここが「高額」であるほど、そのキーワードで集客すれば儲かる(=問い合わせが来る)と他社が判断している証拠です。
- 検索ボリュームが月間10〜50程度と少なくても、入札価格がついているキーワードは「お宝」です。迷わず採用しましょう。
ここでピックアップされるキーワードを、さらにステップ1とは別のスプレッドシート(もしくは別タブ)に整理し、次へ進みます。
ステップ2で、もしニッチすぎるキーワードで困ったら?
ステップ2の段階で、ツールを使って「データが出ない」という壁にぶつかることもあるかもしれません。日本固有のものにかかわるタントだと、対象市場で検索ワードとしてあがってこないこともあります。でも、この現象は、ニッチなB2Bマーケティングにおいて「正しい道」を歩んでいる証拠でもあります。心を強くして、次の作業に取り組んでみてください。
キーワードプランナーで「入札価格(値段)がつかない」理由は、以下の3つのいずれかである可能性が高いです。
- 市場が超ニッチ(B2Bに多い): 検索するバイヤーの絶対数が少ないため、Googleが統計データとして表示する基準に達していない。
- 競合がまだ広告を出していない: お宝キーワードすぎて、誰も広告(リスティング広告)を出すという発想に至っていない。
- キーワードが具体的すぎる(ロングテール): 単語の組み合わせが多いため、個々のフレーズには価格がつかない。
このような「データゼロ」の状況で、どうやって「商談につながるキーワード」だと確信を持つべきか。その解決策をナビゲートします。
Google検索の「オートコンプリート」で実在を確認する
ツールに数字が出なくても、Googleの検索窓にそのキーワードを打ち込んでみてください。
- 検索候補(オートコンプリート)が表示されますか?
- もし表示されるなら、それは「広告ツールに数字は出ないが、確実に一定数の誰かが検索している言葉」を意味します。Googleは全く検索されない言葉を候補には出しません。

オートコンプリートで候補が表示されるとはこんなかんじです。

実際に、検索結果にも、azukiを扱っている卸業者のウェブサイトの検索結果がでてきました。
「商標」や「具体的な悩み」を混ぜて再検索する
今回の例でつかっているキーワード Adzuki beans wholesale では、上記オートコンプリートがゼロでなかったのですが、もし、あなたのステップ1で抽出したキーワードがステップ2のGoogle広告で価格もつかず、さらに、オートコンプリートも出ないのなら、もういちど、ステップ0にもどってください。
バイヤーがより具体的に探している「周辺ワード」を、改めてDeepLで作ってみてください。
例として、先にあげなかったフレーズをさらに連想で探してみます。
- 代替案1(規格・認証): Organic Adzuki beans bulk supplier(オーガニック小豆 大口供給)
- 代替案2(具体的な用途): Red bean paste for vegan bakeries(ヴィーガンベーカリー用 あんこ)
- 代替案3(産地): Hokkaido red bean export price(北海道産小豆 輸出価格)
これらでUbersuggestに「10」でも数字が出れば、それはB2Bでは十分なボリュームです。もういちど、ステップ2でのGoogle広告での検索ボリュームのチェック、もしくは、オートコンプリート機能のチェックに進んでみてください。
ステップ3:バイヤーを迷わせない「ターゲット直撃」のタイトル案を作る
ステップ2までで、Google広告で、値段がついているキーワードをみつけることができましたか?
すんなりステップ3まで来た場合
すんなりキーワードが決まったら、あとは、そのキーワードを使って記事を書くだけです。
Google広告では値段がつかなかったが検索結果に競合他社が出てきた場合
もし、ステップ2までで、Google広告で値段がついているキーワードをみつけることができなかったとしても、該当するキーワードで検索したときに、競合他社が1ページ目で出てきたらそのキーワードは攻略すべきキーワードになります。
競合がその言葉で記事を書いているということは、そこから引き合いが来ている可能性が高いからです。
なので、あなたも、その他社記事とは差別化される内容で、記事タイトルと記事内容を考えてウェブサイトに実装してみて下さい。
Google広告では値段がつかなかったが検索結果にRedditなど掲示板が出てきた場合
もし、ステップ2までで、Google広告で値段がついているキーワードをみつけることができなかったとしても、該当するキーワードで検索したときに、掲示板(RedditやQuora)が上位にいるなら、それは超・超お宝キーワードです!「ちゃんとしたプロの解説記事」がまだ世の中にないため、あなたが記事を書けば、高い確率で1位を独占できる可能性がたかまります。
比較検討型キーワードをつかったタイトルの作り方
比較検討型の記事では、タイトルで「答え」を出し切るのが鉄則です。
【小豆企業のタイトル例】
- × 惜しい例: How to buy Adzuki beans(小豆の買い方) → これだと一般消費者も混じってしまいます。
- ◎ 問い合わせを呼ぶ例: Top 5 Japanese Adzuki Bean Suppliers for US Food Manufacturers(米国食品メーカー向け、日本の小豆供給元5選) → 自社を含めた比較記事や、選定基準を提示することで、「自社が最適な取引先である理由」を論理的に伝えられます。
まとめ:比較検討型キーワードは「営業担当者の代わり」になる
「直接問い合わせ」を狙うキーワードを選びそれを記事に配置できれば、ネット上に「24時間働く営業マン」を配置するのと同じです。
くれぐれも、検索には意図があるという検索背景を考えて、キーワードを選び出してください。ただ、キーワードプランナーで、検索ボリュームが多い、というだけで、惑わされないように。
この言葉で検索する人は、今すぐ見積もりを欲しがっているか?という視点を常に持って、フィルタリングならびにピックアップ作業に臨んでください。
次回は、より広い層を集客し、将来の顧客リストを作るための「情報収集型キーワード(ホワイトペーパー活用編)」について解説します。
プロの知見を活用して、最短ルートで海外展開を始動させませんか?
「このキーワードで本当にバイヤーに響くのか?」「もっと自社の強みに特化したニッチなワードはないか?」と一人で悩む時間はもったいないです。
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[…] 順については、こちらの記事【海外SEO成功の鍵:ロングテールキーワードの見つけ方】をご覧ください。 […]