いま、マーケティングでは、ターゲット選定に加え、ペルソナ設定も重要になってきています。
AIでコンテンツ生成されるマーケターの方なら、AIに指示を出すプロンプトでペルソナ設定を所与の条件として与えるほうが、よりあなたのビジネスに沿ったニーズの特定や、競合とのあいだの差別化やポジショニング、カスターマージャーニーが時間短縮で作成できるからです。
この記事では、製品詳細は決まっている、ターゲットも決まっている、だけれど、これからぺルソナを設定したい、という場合において、ChatGPTやGeminiといった生成AIをつかって、ペルソナを複数書き出す作業の指示だしはできるのか? できるとしたら、どう指示したらいいか、ということをお伝えします。
そもそもターゲットとペルソナはどう違う、なぜ違う?
最初に、ターゲットとペルソナの違いを、念のため明確にしておきましょう。
マーケティング活動においては、「ターゲット」「商品」「販売方法」「商品が購買者にもたらす効果・効用」が第一に決まっている必要があります。(※ 和田は、これを、「だ・な・ど・こ」といって、一番最初に決定しておくべき項目として、常にお話ししています。参考記事コチラ)。
ターゲットとペルソナの最も大きな違いは、その具体性と視点にあります。
- ターゲット: 「誰に」製品やサービスを提供するかを、グループとして大まかに捉えたもの。マーケティング戦略の「入口」となる概念です。
- ペルソナ: ターゲットの中から「どんな一人の人物が」理想の顧客であるかを、詳細に描写したもの。その人物の感情や行動の背景まで深く掘り下げ、顧客中心の製品開発やコミュニケーション戦略に役立てます。
ターゲットとペルソナは、どちらか一方があれば良いというものではありません。両方を設定することで、より効果的なマーケティング戦略を構築できます。
それぞれ、活用する場所が違っています。
なので、組み合わせて、必要なものを必要な箇所に使うことが有効になります。
ターゲット設定のメリット:
- 市場全体を俯瞰し、自社の立ち位置を明確にする。
- リソースを集中すべき顧客層を特定し、効率的なマーケティング活動を行う。
- 広告予算の配分やメディア選定の指針となる。
ペルソナ設定のメリット:
- 顧客のニーズや悩みを深く理解し、共感に基づいた製品開発や改善を行う。
- 具体的な顧客像を共有することで、チーム全体で顧客理解を深め、意思決定を迅速化する。
- 「このペルソナは、この情報にどう反応するか?」「この悩みに対して、どんな解決策を提示すべきか?」といった具体的な問いを立て、顧客に響くメッセージを作成する。
もしこの記事をお読みのあなたは、いままだターゲットが決まっていないというときは、まず、ターゲットを決めてから、ペルソナ作成にすすむ、という手順をふんでください。
生成AIでペルソナが作れない場合もあるから気を付けて
具体的な一人の人物像を詳細に描き出す作業は、マーケターにとって容易な作業ではありません。ひとつひとつ、調べものが必要になるからです。
ということで、ここで、詳細な条件をAIに与えて、「調べる作業時間」を効率化したいと思うのは当然のことです。
プロンプトで条件さえしっかり伝えられれば、適切なペルソナが吐き出されることになります。
しかし、生成AIも万能ではありません。 AIは与えられた情報に基づいてペルソナを生成するため、インプットされる情報が偏っていたり、不足していたりすると、現実とかけ離れたペルソナや、特定の属性に偏ったペルソナが生成される可能性があります。
なので、下記で、ペルソナ作成に役立つプロンプトをお伝えしますが、プロンプト最後の●●●の部分、つまり、ユーザーターゲットと、商品については、しっかり詳しく書き込んでください。
AIを使ってペルソナ設定する
以下、ペルソナのプロンプト例です。
あなたは現在マーケティングリサーチャーです。あなたの仕事はユーザーペルソナを理解し、定義することです。課題は、エンパシーマップフレームワークに基づき、潜在的なユーザーのインサイトを集め、詳細なユーザーペルソナを構築することです。以下を明確にしてください:
- 各ペルソナのエンパシーマップの4象限:
- ユーザーが考え・感じていること
- ユーザーが見ているもの
- ユーザーが聞いていること
- ユーザーが言い・行っていること
- ユーザーが考え・感じていること
- 各象限を正当化する仮定や事実
- ユーザーが直面する可能性のあるペインポイントや課題
- 各ペルソナの主要な目標または動機
- 簡単なプロフィール(年齢、職業など)
- 構造化されたフォーマットで提示
- 各ユーザーペルソナの本質を1文で表す
プロダクトの詳細:●●●●<あなたの情報をここに記載>
対象となるユーザーグループ:●●●●<あなたのターゲット情報をここに記載>
まとめ
AIを活用することで、ペルソナ設定のプロセスは「効率化と時間短縮」が図られ、多様な視点からのペルソナ案を「具体的なたたき台」として得ることができます。ゼロベースからのペルソナ作成の手間を大幅に削減できることは間違いありません。
しかし一方で、AIには「情報の限定性」や「深層心理・感情の把握の難しさ」といったデメリットもあります。生成されるペルソナが「画一的になる可能性」も考慮すべき点です。
あくまでも、AIが提案するペルソナはあくまで「たたき台」であり、最終的な判断と調整は人間の専門知識と経験に基づくべきであるという点が、もっとも大切です。
集客コンテンツをAIで作成するためには、ペルソナをAIに与える必要があります。
なので、コンテンツ作成の前段階で、いくつかしっくりくるペルソナを3人物程度つくってから、コンテンツ作成指示にむかってみてください。
読まれる奥深さと、バリエーションがでます。
