松竹梅で一番高いものを選んでもらう戦法もあります。
名付けて「おとり作戦」。
おとり作戦のポイント
松竹梅で松を選んでもらう戦法はこちら
「真ん中より、高い方のものは、ちょっとだけ価格が高いだけで、価値はすんごくいい」という選択肢を加える。
モノの例
携帯電話を改めて例に出しましょう。
最初、選択肢が2つあるとします。
ひとつは、16GBの容量で、バッテリー持続時間が8時間、価格が15000円のスマートフォン。
もうひとつは、32GBの容量で、バッテリー持続時間が48時間、価格が35000円のスマートフォン。
選択肢が2つしかない状況下だと、「毎日充電するから、バッテリー持続時間がそんなに永くなくてもいいわ」と、15000円の、低価格なほうを選ばれかねません。
でも、売り手のわたしたちは、35000円のほうを顧客に選んでもらいたい。
そこで、おとり作戦発動です。
ターゲットとなる人々にアピールするために、3つ目の選択肢を提示します。
真ん中の選択肢として、「一番高いやつより、価値はおとるけれど、価格はほぼ同じ」ものを置きます。
それが、容量が32GBで、32000円のものです。
こちらは、16GBの容量のものと比べると、少し良くなっています。
当初、選択肢が2つしかなかったときには、「安い方で十分じゃないか」という心理が働きますが、すごく高いのと、そうでもないけれど、明らかに機能が劣るものを目の前にだされると、注目がどうしても「高いものの2つ」へ向きがちです。
でも、真ん中のものは、32GBの容量だけれど、バッテリー容量が12時間持続にもかかわらず、32000円です。
バッテリー持続時間が半分以下なのに、価格差がたった3000円しか違わない。
こんなことを考え始めてしまいます。
この段階で、真ん中の、32000円の携帯電話を買いたいと思う人はいないでしょう。
真ん中の32000円の選択肢は、ターゲットとなる、35000円の選択肢に、顧客の注意をむけるために置かれました。
でも、もうひとつの役割として、一番安い選択肢から注意をそらす役割もあります。
エコノミスト紙の例
この特殊な例が実際に利用された例をみてみましょう。
『エコノミスト』紙を購読するのに、いま2つの選択肢があるとします。
ひとつは、1年間、オンライン記事にだけアクセスできるようにする購読料が、59ドルです。
もうひとつは、オンライン記事と印刷物の両方で1年間購読できる、125ドル。
あなたならどちらを選びますか?
これは、先ほどの携帯電話の例と似ています。
2つの選択肢がない段階では、多くの人は「オンラインで読めるのだったら、それで十分。わざわざ紙なんか要らない」と、509ドルのバージョンを選びます。
でも、『エコノミスト』紙は、紙が含まれた高いほうを選んでもらいたいのです。
それで、どうしたのか?
第3の選択肢を提示し、おとりにして、高価なバージョンを選んでもらう作戦にでました。
どんなおとりをつかったか?
その選択肢は、価格が同じで、オンラインアクセスがないだけというものです。
この3つの選択肢の場合、価格によって、一番高いものとの差別化ができません。
でも、一番右の選択肢は、この3つのなかで、もっとも多くのモノを手に入れることができることがみて取れます。
年額125ドルを支払って、印刷物だけを購入したい人はいません。
でも、より高価な選択肢の年間125ドルで、紙とオンラインの両方の購読が可能になるほうを、多くの人が選びました。
なぜでしょう?
これが、「おとり効果」です。
「ああ、すごい、全部を、同じ価格で手に入れることができる。」
そんな風に、オンラインと印刷物の両方を、追加料金を支払うことなく手に入れることができる選択肢に目が奪われると、オンライン版だけの選択肢に目がゆかなくなります。
あなたのコース商品に応用してみて
ここであげた、「一番高い選択肢を選んでもらう」おとり作戦は、特別になにかボーナスを用意することなく使うことができます。
あなたの商品販売でこのパターンをつかってみてください。
そして、その事例を、和田までスクショでメール添付でおしえてください。