目次
ステップメールをただ書くのは簡単かもしれません。
でも、成果を求めて、最適な通数、最適な配信のタイミング、最適なそれぞれの中に盛り込むコンテンツの書き分けかたなどを考えると、分かれ道が沢山でてきて迷いも増えます。
本記事では、ステップメールを3通から5通・7通に発展させる際の構成ポイントを13個に整理しました。
もうちょっとコンパクトにまとめたかったのですが、「信頼残高の多寡」や「関係性によって通数が決まる」という視点が非常に重要で、かつ、これまでいただいたクライアントからのステップメールの質問への回答を網羅しようとすると、削れませんでした。
少し多く感じるかもしれませんが、それぞれ実務に直結するポイントです。
「通数の選び方に迷う人」が「具体的な設計基準と判断軸」を得られるようお届けします。
ぜひ通読し、自社の状況に当てはめてみてください。
1. 配信通数は配信の目的を明確にすることから
- よくあるお悩みフレーズ:「結局、何通が正解なんですか?」
- ポイント:通数は配信のゴールによって変わります。商品の価格、販売難易度、関係性の深さによって必要な「助走の長さ」が違うからです。
「3通がいいって聞いたことがある」
「いや、7通が成約率高いらしい」
「時間もネタもないし、5通でいいかな…」
そんなふうに、“なんとなく” で配信通数を決めてしまっていませんか?
結論から言えば、「最適な通数」はあなたの状況や商品、そしてお客さんとの関係性によって変わります。
つまり、「3通がいい」「7通がベスト」という万人に通じる正解はありません。
1-1 通数を決める3つの判断軸
通数を設計する際には、次の3つの視点から「この商品を売るには、どれくらい助走が必要か?」を考えましょう。
a.配信のゴール(何を達成したいか?)
例:無料相談への申込? 高額商品の販売? イベント集客? それとも信頼構築?
b.商品・商談の難易度・価格帯
価格が高くなるほど、検討期間は長くなります。つまり、関係構築に時間がかかる=通数も多く必要です。
c.顧客との関係性・信頼残高
初対面なのか、セミナー参加者なのか、既存客なのか——で、必要な通数は変わります。
(補足)「何通が最適か」を考えるためのマトリクス図
あなたの配信目的と顧客の状態に応じた、通数設計のヒントを図解でまとめた記事もご用意しています。
こちらを参考にすれば、「うちの場合は5通が適切そうだな」「最初は3通にして、後半の信頼構築を別シナリオにしよう」など、現実的な判断がしやすくなります。
👉 詳しくはこちら:
最適通数を導く!ステップメール設計マトリクス図(別記事リンク)
とはいえ、ポイントが13あるうちで、いきなり難しいと感じたら、まずここはペンディングで次へすすんでかまいません。
とにかく大切なことは、配信通数は、「なんとなく」ではなく、「何を達成したいか」と「相手との関係性」で設計するものだということ。
また、「通数=売上」でもありません。
配信通数=信頼構築の“助走距離と考えてみてください。
そうすると、こえから設計するステップメールへの取り組み方がまったく変わってきますよ。
2. 共感・信頼・販売の3軸を基本に構成する
- よくあるお悩みフレーズ:「毎回、何を書けばいいのか迷います」
- ポイント:この3軸をベースにすれば、どんな通数でも筋道が通り、迷いなく設計できます。
通数を増やす=話題を増やすと考えると、数が多い配信数だと、文字のボリュームにため息がでるのはわかります。
でもそうではなく、基本3ステップの濃度を変えることが設計の基本ということを思い出してください。
余計な枝葉は減らし、主軸「共感・信頼・販売」の深堀りに集中しましょう。
では、3つの軸のどこを深掘りし、手厚い情報を配置すべきかは、次のポイント3を参考にしてください。
3. どの軸(共感・信頼・販売)を厚くするかの見極めポイント
- よくあるお悩みフレーズ:「5通にするなら、軸のどこを増やすの?事例?」
- ポイント:顧客のいまいる立ち位置に応じて、ぶあつく配置する軸はかわってきます。あなたの事業が、いま強調すべきフェーズはどこかを明確にしましょう。
顧客のいまいる立ち位置とは、カスタマージャーニーで、いまどこにいるのか?ということです。
こんな具合です。
- 顧客が「そもそも悩みを自覚していない」なら→共感フェーズを厚く。
- 顧客が「他社や過去に失敗して不信感がある」なら→信頼フェーズを厚く。
- 顧客が「比較検討中」なら→販売フェーズを複数に分けて届けるのが有効。
たとえば、共感フェーズを厚くするというのは、
【例:教育商品・中価格帯】
- 共感①(課題に気づかせる)
- 共感②(感情に寄り添う)
- 信頼(支援の考え方+事例)
- 販売①(詳細と想定質問)
- 販売②(決断を後押し+締切)
という具合に、5通を配分するとき、共感のパートを5回のうち2回をあて、情報を多めに渡す、という設計です。
4. 顧客の現在地を想定して設計する
- よくあるお悩みフレーズ:「相手がいまなにを探している段階なのか、見当がつきません」
- ポイント:相手の「今」に沿ったメッセージでないと、共感も信頼も得られません。
送信先リストが、いまどの段階にいるのかがわからない、と、ここまでお読みのあなたはもしかして感じるかもしれません。
そもそも、それは、どこから流入したリストに対して、いまステップメールで複数通数を流したいと考えているのか、というところから推し量ることができます。
そもそも、リードマグネット(無料ダウンロード情報)は、どんな人をターゲットに設計したものを配置していましたか?
たとえば、次にあげるどの段階のリードマグネットをとった人に接続させるステップメールか、考えてみてください。
- 情報収集段階の人むけのリードマグネット
- 課題が顕在化していないけれど不便や不満を感じてそのリードマグネットに出会った人
- 課題解決の方法を探している人むけのリードマグネット
- 比較検討段階の人が利用するリードマグネット
え、リードマグネットをつくって配置したとき、そんな「どの段階の人むけか考えてなかった」ということもありますでしょうか。
上記、目安として接続するリードマグネットで判断する方法をお伝えしました。
でも、実際、「顧客はどういう段階にいるひとですか?」という質問に、即答するのは実はとても難しいのが実情です。
なぜなら、それは次のような条件に左右されるからです:
– お客さんがどこまで悩みを自覚しているか(現在地)
このあたりを深掘りしたい方は、以下の記事も参考になります。
→ 顧客の現在地を知るには?
5. 関係性・信頼残高に応じて通数を決める
- よくあるお悩みフレーズ:「法人向けなら何通?一般消費者向けなら?」
- ポイント:通数の最適解は、商品よりも「顧客との関係性の深さ」で決まります。
配信通数は、顧客との関係の深さによっても、正解がかわってきます。
すでに信頼構築されている超VIP顧客に「販売目的」のメールを流すには、ただ販売のお知らせを1通流すだけでOKです。
なので、信頼残高がまだゼロの人に対する必要な情報提供量と、信頼残高が貯まっている人への必要な情報提供量は、大きく違ってくるというのは、容易に想像いただけますね。
配信ゴール達成までに、信頼残高が低いひとに対するほうが、配信通数を増やす必要があります。
ということで、配信通数や、配分に関して、「何通が正解なんですか?」「どのようなコンテンツ配置が正解ですか?」という質問に、即答するのは実はとても難しいのです。
なぜなら、ここまでみてきたように、以下のような複数の条件に左右されるからです:
– あなたとお客さんの関係の深さ(信頼残高)
– お客さんがどこまで悩みを自覚しているか(現在地)
– 商材の価格帯と意思決定にかかる時間 ……など
このあたりを深掘りしたい方は、以下の記事も参考になります。
→ 顧客の現在地を知るには?
→ 関係性の深さを測るには?
→ 通数の設計で使えるマトリクス図はこちら
6. 初回から売り込まず、提案の形にする
- よくあるお悩みフレーズ:「売り込みっぽく思われたくない…」
- ポイント:「売る」ではなく「役立つ提案を届ける」姿勢が信頼を損ねません。
ステップメールを書く段階ということは、すでに商品はお持ちということになります。
本当は商品を買ってほしいからリードマグネットをまずおいて、興味をもってくれたひとを徐々に、興味関心をより掻き立てて、購入したいな、という気持ちになってもらう流れをステップメールでつくります。
でも、なぜか、販売するとなった段階で、急に怖く感じてしまわれる方がおられます。
ビジネスをしているのに、「売るのが怖いってほんと?」って思うかもしれません。
でも、実際に売る段階になったら、なぜか「販売できない状況」に自分を追い込んでしまわれる方がおられます。
- ほかのスケジュールが急に忙しくなって、販売準備が送れる。
- なぜか体調が崩れて準備が間に合わなくなる
- 社内のごたごたの解決のほうが優先しなければならなくなる
- 既存のお客様のクレーム対応のほうが忙しい
これらは、一見、「仕方ない」と思える現象かもしれません。
でも、わたしのコンサルタントとしての冷たい目でみると、ほんとは「売れなかったらどうしよう「売込みとおもわれて嫌われたらどうしよう」という、販売への怖さが、「販売に向かうための仕事を推し進めなくする」原因にもなっていることが多いと感じています。
販売が怖い、避けたいとおもうから、他の仕事が舞い込んでくるのです。なにがなんでも、売るぞ、なにがなんでも、このステップメールのゴールをもぎとるぞと思っていたら、他の仕事との兼ね合いを図り、この仕事を外注してでも、他の仕事をすこし待たせてでもすすめるはずなのです。
こんな、「売ることの怖さ」つまり、売る行為=メールを送る行為、が怖くなるひとには、「役立つ情報をとどけるのだから、わたしは何も悪いことはしていない」と、自信をもって作業をすすめていただくことをおすすめします。
この6つめのポイントは、「あれ、なんだか、論点が心理学のほうへずれてるな」と感じる方もおられるかもしれません。
でも、結局のところ、マーケティングのタスクをひとつひとつ粛々とすすめるのは、あなたなんです。
いくらAIの力を借りるといっても、そのタスクに取り組まなければ、AIにプロンプトの打ち込みさえできなくなってしまいます。
「求められる、お役に立つ情報を流し続ける」「お役にたちつづける」このマインドをもちつづけて、作業量が多いステップメール配信準備作業を、最後まですすめてください。
また、信頼残高を積みつづけることも大切ですが、一方で、怖いからといって信頼残高を引き出してはいけないということではありません。
いちど引き出してもまた積めばいいだけ、というのを心に刻んでください。
それから、信頼残高を引き出すのは、悪いことではなくて、いいことでもあるんですよ。
信頼残高って、積みっぱなしだと、相手のひとには「なにかお礼がしたい」と思う気持にさせたままになってて、気持ち悪いままにさせているのですから。
書き手自身が自分の気持ちを整えるためのステップメールの設計ポイントでした。
7. ストーリーや共通の敵を使って共感を深める
- よくあるお悩みフレーズ:「共感ってどう表現すればいいんですか?」
- ポイント:読者の感情に訴えることで、一気に心理的距離を縮められます。
ステップメールで、配信通数と、手厚くする情報の軸が決まったとします。
次の段階でよくある質問では、各軸のコンテンツで、なにを配置すれば、共感を得られるのか、というものです。
「共感しましょう」と言われても、いざメールを書くときに、
「どこをどう共感すればいいのか分からない…」
「読者と同じ経験なんてしていないし…」
と筆が止まってしまうことはよくあります。
でも実は、「共感」は自分の経験を語ること以上に、読者が“心の中でうなずける材料”を差し出せるかが大事です。
そのために効果的なのが、「共通の敵」を使うことです。
7-1 なぜ「共通の敵」が有効なのか?
人は、「敵が同じ」だと一気に味方だと思いやすい生き物です。
たとえばどんな敵を設定したらいいのかというと、
- 「業界の古い慣習」
- 「見込み客を騙すような広告」
- 「頑張ってる人を軽視するSNSの空気」
- 「まじめな人が損をする構造」
- 「難解な専門用語ばかりで伝わらない仕組み」
こういった“構造的な敵”に対して、「それっておかしいよね」「私もそう感じてた」と共感を寄せることで、
読者は“あなたと私は同じ側”という気持ちになります。
みかんぐみが、設立からメールマーケティングでうまくいったのも、この「共通の敵」をうまく設定できて共感を得られたからだと感じています。そのときの共通の敵は、美容室オーナーを苦しめる高い利子の開業ローンの仕組み、でした。あなたにも、あなた自身が憤っている業界の不条理がきっとあるはずです。
7-2 どこを見れば「共通の敵」が見えてくるか?
業界の不条理といっても、まだ難しい人のために、共通の敵を見つけるための観察ポイントをご紹介します。があります:
① 読者が「どうしてうまくいかないのか」と感じている理由
→ その原因が、何か外的要因であれば「敵」にできます。
例:
- 良質な商品なのに集客できない=広告競争の激化が“敵”
- 時間がないのに毎日SNSを更新しろと言われる=「SNS至上主義」が“敵”
② 読者が心の中で「ほんとはこう思ってるけど言えない」こと
→ 読者の代弁者になるようなフレーズを入れます。
例:
- 「高額塾に入ったけど、結局ひとりで悩んでる」
- 「テンプレを使えと言われるけど、なんか不自然で使えない」
③ 読者の努力が報われない原因
→ 努力そのものではなく、それを妨げている構造に目を向けます。
例:
- 「地道に書いたブログより、釣りタイトルのYouTubeの方が評価される」
→ こういった“構造の歪み”をあえて言語化してあげることで、
読者は「そうそう!それなんだよ!」と強く共感します。
7-3 注意:個人攻撃やネガティブ煽りにならないように
共通の敵は、「不満を共有する」手法であるがゆえに、使い方を間違えると、
・誰かの悪口になったり
・過激なトーンで不快に感じられたり
するリスクもあります。
あくまで、「あなたが悪いんじゃない、構造や環境が難しいだけなんです」と寄り添う姿勢で使いましょう。
そうすることで、読者はあなたに対して安心感を抱き、次の提案や商品説明も受け入れやすくなります。
とくにここで、特定の人をバッシングするのはやめましょう。
あくまでも、相手にするのは、読者の努力を邪魔しているもの、構造的な不条理に目を向けると、共感パートで有効な共通の敵がみつけやすくなります。
また、共感パートは、ネガティブ調で終わらず、「だからこそ、私はこうした」と前向きなストーリーで締めるのがポイントにもなります。
次の信頼パートへのつなぎも忘れずに。
8. 実績や声がないときの信頼構築法を知る
- よくあるお悩みフレーズ:「まだ実績も事例もなくて、信頼が生めません…」
- ポイント:自己開示やプロセスの共有、理念や過去の経験で信頼を補えると知ることで、迷いが減ります。
信頼を得るには、「顧客の声」「ビフォーアフター」「事例紹介」が有効だということは、あなたも十分ご理解いただいているとおもいます。
ですが、もし新商品の場合、上記情報がまだ手元に集まっていない段階で、ステップメールを組まなければならないときもあるでしょう。
そんなとき、たしかに、すでに多数の実績やお客様の声がある方に比べると、信頼の積み上げには工夫が必要です。
でも実は、実績や声がなくても、“信頼の土台”をつくることは十分に可能です。
8-1 信頼とは「共感×誠実さ×透明性」
信頼は、必ずしも「すごい成果=信頼」ではありません。
むしろ、「この人は私のことを考えてくれている」「誠実でウソをつかなさそう」「素直で透明な姿勢が伝わる」といった内面への共感と信頼感から始まります。
では、実績や事例の代わりに、何を語ればよいのでしょうか?
信頼を補う3つの柱
① 自己開示:なぜこれを始めたのか、どんな想いがあるのか
読者が気になるのは「この人、何者なの?」という背景です。
たとえ今のあなたがまだビジネス初期だとしても、
「なぜこれを始めたのか」「何に悩み、何を変えたかったのか」
といった過去のあなた自身の物語を語ることで、読者はあなたの人間性に安心感を覚えます。
例:「以前の私は○○に悩んでいました。だからこそ、同じように困っている人の力になりたくて、この活動を始めました。」
読者にとって、それは「実績のある人の話」よりも、「自分に似た人の話」の方が刺さることがあるのです。
② プロセスの共有:学びの途中でもOK、むしろ効果的
「まだ完成していない」「もっと改善の余地がある」と感じると、発信をためらいがちになります。
でも、“学びながら行動している人”の姿は、多くの読者にとって希望や刺激になります。
例:「この商品の開発には何ヶ月も悩みました。途中で壁にぶつかったときもありましたが、こうしてようやく形にできました。」
完成品を提示するだけでなく、そこに至る過程も含めて“見せる”ことで、
「この人、裏表がなくて信頼できるな」と思ってもらえます。
③ ビジョンの提示:「どこへ向かっているか」を語る
もうひとつ、信頼を得るために有効なのが、あなた自身のビジョンを語ることです。
「何のためにこの活動をしているのか」
「この商品を通じて、どんな未来を読者に届けたいのか」
これを具体的に語れる人は、たとえ今は小さな一歩でも、
「この人の未来を応援したい」と感じてもらえます。
例:「私の目標は、全国の○○さんがもっと自由に○○できる環境をつくることです。」
以上のようなことから、実績がないときこそ、「人柄」と「背景」を武器にコンテンツをつくってみてください。
「まだ準備不足」と感じていても、あなたの誠実な言葉に心を動かされる読者がいます。
9. コンテンツの順番と強弱に緩急をつける
- よくあるお悩みフレーズ:「通数が増えると、内容が単調になりそうです」
- ポイント:緩急がある構成は、最後まで読まれやすく、反応も高まります。
これは、わたし自身が、過去にはじめてステップメールをつくったときに勘違いして苦労していた点です。
初めてつくったとき、7通つくったのですが、すべてのメールの文体や熱量を同じにし、文章量も同じぐらいにすることに、相当気を配りました。
でも、この気配りって、見当違いのことに大きな労力をつかっていたのだと、後から、だんだんわかってきました。
たとえば、あなたも想像してみてください。
- ずっと真面目で情報ばかり → 重たくて読むのがしんどくなる
- ずっと軽くてふわっとしている → 読み応えがなく印象に残らない
- ずっとテンション高い → 疲れて読み流されてしまう
このように、単調な流れは読了率・反応率ともに下げてしまう要因になってしまうのです。
9-1 テンポをつける方法
むしろ、読者に最後まで読んでもらうメール設計は、熱い・静かという緩急や、長い・短いを織り交ぜ、リズム感がある方が、読んでもらいやすく、つまり効果につながるのです。
文章の熱量を、熱い、静か、で書き分けるだけでも難しく、かつ、それを効果的に設計し配置するとなると、初めて書くときはなかなかハードルが高いとおもいます。
なので、わたしからのご提案は、まず取り組みやすいよう、「熱い」「静か」を交互に繰り返す」ことからはじめてみてください。
9-2 緩急のつけかた例
交互に置けばいいだけとわかっても、結局、「緩急」ってどうやったら生まれるのかという疑問が湧きますね。
大丈夫、 次のような3つの要素を配分してください。、自然と変化が生まれます。
① 感情の強さに緩急をつける(熱い⇔静かな回)
- 【熱】感情をゆさぶるストーリー(怒り、悔しさ、感動など)
- 【静】淡々と役立つノウハウ紹介や、FAQで安心感を与える
→ 感情の波をつくることで、読者の「心の動き」を引き出せます。
② 内容の重さ・密度に緩急をつける(濃い⇔軽い回)
- 【濃】深い話、重要な概念、専門性の高い話
- 【軽】ちょっとしたコツ、あるある話、読者との対話的な内容
→ 連続して「濃い」話ばかりだと疲れてしまうため、「一息つける回」を意識的に入れます。
③ 文章量・構成にも緩急をつける(長文⇔短文の回)
- 【長】しっかり読み込んでもらいたいストーリーや解説回
- 【短】一言のメッセージや、図や写真中心、3ステップの簡潔まとめなど
→ 読み手の“疲れ”を予防し、テンポ良くメールを消化してもらえます。
7通や5通はひとつのリズムで構成された組曲だと思うと、組み合わせやすくなるとおもいます。
- 長い章があれば、短い章があっていい
- 熱く語るパートがあれば、淡々と語る部分があっていい
- タイトルもそのリズムに合わせて、“動と静”を設計してよい
もしかして、あなたもステップメールは、全部同じ型である必要があると思ってませんでしたか。
シリーズのなかで、熱さ・長さ・トーンに“揺らぎ”を持たせるほうが、読み手にとって読みやすく、印象に残りやすいものになります。
また、内容だけでなく、タイトルにも「緩急リズム」を反映させると、飽きさせない工夫がより効果的に伝わりますね。
10. 告知回数・販売回数の最適化を考える
- よくあるお悩みフレーズ:「販売案内って何回送っていいんでしょうか?」
- ポイント:販売メールを複数回送ることで成果は出やすくなりますが、関係性や商材次第でバランスが必要です。
「しつこく思われないか」「嫌われないか」と、販売メールを複数通送ることに、抵抗を感じる方は少なくありません。
ですが、ここで大切なのは「誰に」「どんなメールを」送るかです。
つまり、全員に同じように何度も販売案内を送るのではなく、興味がある人にこそ、手厚く届けるという考え方が有効です。
だから、「興味がある人に、適切に多めに届ける」この方法は、セグメント配信というメールマーケティングのテクニックと組み合わせると、有効に働きます。
くれぐれも、リスト全員にこのステップメールを配信するのは、考え直してくださいね。
なお、セグメント化の基本的な考え方については、別記事で詳しく解説していますので、興味があればそちらもぜひご覧ください。
では、安心して、全体で5通、7通のうちで、販売の軸をぶあつくしてゆく具体的な案をご紹介します。
どのぐらい分厚くするのかによって、配置する情報が違ってきます。
10-1 5通構成で販売パートが2通のとき
→ コンパクトに「何を得られるのか+今動く理由」を伝える。
【販売メール①】
- 商品の全体像(何か・誰向けか)
- 得られる変化(ベネフィット)
- 申込方法、特典、締切日などの要点
- トーンは比較的淡々と「情報を届ける」
【販売メール②】
- よくある質問+懸念への回答
- 申込締切のリマインド+背中押し
- 読者に語りかける一言
10-2 5通構成で販売パートが3通のとき
→ 販売の流れに検討プロセスを1ステップ追加可能。少し余裕ができるため、声や特典紹介もできる。
【販売メール①】
- 商品紹介+ベネフィット
- なぜ今必要か(未来視点の提示)
【販売②】
- 詳細な内容紹介(使用手順や中身など)
お客様の声や体験談 - 特典の説明(あれば)
【販売③】
- FAQ
- 申込リマインド+締切日強調
- 最後のメッセージ
10-3 7通構成で販売パートが2通のとき
→ 共感・信頼パートに多く割いているため、販売は濃く・凝縮した内容で勝負することになります。 「理解がある前提」で、結論を出させる内容にします。
【販売メール①】
- 商品紹介+得られる変化
- 信念や開発の想い(簡潔に)
- 購入方法・申し込み案内
【販売②】
- よくある質問
- リマインド
- 「迷っているあなたへ」語りかける一言
10-3 7通構成で販売パートが3通のとき
→ じっくり検討してもらえるので、「紹介→検討→決断」の流れをつくることができます。
【販売メール①】
- 商品紹介+ベネフィット
- 開発背景やストーリー
【販売②】
- 詳細な中身の説明
- 他のサービスとの比較、体験談や事例
【販売③】
- FAQ
- 締切告知+心理的背中押し
- 一言メッセージ
10-4 7通構成で販売パートが4通のとき
→ 「熟考型」の読者に向いてます。感情→論理→安心→決断の流れが丁寧に組めます。
【販売メール①】
- 想い・ビジョン・商品紹介(共感の延長)
【販売メール②】
- 内容詳細+特徴
- 得られる変化を「利用シーン」で具体化
【販売メール③】
- 体験談、特典紹介、FAQ
- 価格やサポート体制の不安を払拭
【販売④】
- 締切・特典終了告知
- 「まだ迷っている方へ」語りかけ
- 感謝・CTA再提示
いかがでしたか。
いままで、他社テンプレートをつかって、うまく販売にむすびつかないと感じていた理由を発見できたのではないでしょうか。
11. 配信タイミングと間隔を設計する
- よくあるお悩みフレーズ:「毎日送っても大丈夫ですか?配信のタイミングは?」
- ポイント:読み手のペースや受け取りやすさを考慮しないと、未読・ブロックのリスクが高まります。
メールマーケティングを進めていく中で、必ず悩むのが「配信のタイミング」と「頻度」です。
特に販売フェーズに入ったとき、送るタイミングを間違えると、読まれずにスルーされたり、購入機会を逃してしまうこともあります。
この章では、初心者でも無理なく実践できる、現実的かつ効果的な配信頻度とタイミングの考え方を整理します。
基本は、読者の行動パターンに合わせたタイミング設計が重要です。
11-1 配信頻度は、毎日でもOK、販売期は1日2通もあり
● 通常フェーズ(ウォームアップ・告知段階)
- 基本は1日1通、または1日おき
- 曜日や時間を一定にして「読む習慣」をつくる
- 配信間隔が空きすぎると関心が薄れるので注意
● 販売フェーズ(締切前)
- 1日2通までOK(例:朝と夜)
特に販売締切の前日・当日は複数回の配信が有効 - 「うっかり忘れ」を防ぎ、最後の後押しにつながる
逆にいうと、 無理に毎日送る必要はありません。ですが、読者に忘れられない、読者が興味関心を抱いたときに迷わず判断し行動できるタイミングを提供するという考えの方が重要です。
11-2 配信時間は、3つの考え方で決める
「何時に送ればいいか?」という点でも必ずみなさん悩まれます。以下の3つの設計方法があります。
① 読者の生活パターンから逆算する
- 例:主婦層なら9〜11時/会社員なら12時台や20時以降
- 「スマホを見やすい時間帯」に届けるのが基本
- 配信の曜日にも配慮すると効果UP(平日 or 週末)
BtoBとBtoCでも、曜日や時間はかわってきますね。
② リードマグネットのDL時間を引き継ぐ
- 登録時刻=読者が“関心を持って活動している時間と読みとくことができます
- その時間帯に毎回配信すると、開封されやすくなる
③ MAツールの配信時間最適化機能を使う(例:Mailchimp)
- 登録者ごとの開封傾向から、自動で最適な時間を選んでくれる
- 自分で考えずとも高確率で開封されるため、初心者におすすめ
11-3 「送っていいのかな?」と迷ったら
「毎日送ったらうざがられるのでは?」「1日2通は多すぎでは?」と不安に思う方も多いですが、
内容に価値がある限り、配信頻度が高くても問題はありません。
特に販売フェーズでは、「買う理由」より「買い忘れ」を防ぐ案内をすることのほうが、数倍ありがたがられます。
迷っている読者にとって、面倒ではなく、締切前のリマインドはありがたいのです。
これを忘れないでください。
12. 顧客に合わせた「行動喚起」の内容と頻度を工夫する
- よくあるお悩みフレーズ:「毎回、何をクリックしてもらえばいいのかわかりません」
- ポイント:反応しやすいCTA(行動喚起)は、読み手の状況と心理段階に沿って出す必要があります。
マーケティングツールには必ずCTA(コールトゥーアクション)をつける必要があります。
CTAがないツールは、マーケティングでは不要です。
ステップメールの各メールにも、ひとつづつCTAが必要です。
でも、こう伝えると、ステップメールのゴールと、CTAはどう違うのですか?
CTAを5個も、7個も考えるのが大変です。というお悩みがとんできます。
12-1 ゴールとCTAはどう違う?
ゴールはステップ全体で目指す最終目的です。
たとえば、「講座に申し込んでもらう」「イベントに来てもらう」などが、ステップメール全体のゴールです。
一方でCTAは、各メールごとに設定する“次の小さな一歩”です。
たとえば7通送るメールの各CTAの「次の小さな一歩」はこんなものを置くことができるでしょう。
- 1通目:ブログ記事を読んでもらう
- 2通目:事例紹介のPDFをダウンロードしてもらう
- 3通目:自分に当てはまる課題をチェックしてもらう
- 4通目:Q&Aを読んでもらう
- 5通目:販売ページを見てもらう
- 6通目:申込みフォームへ進んでもらう
- 7通目:申し込みの最終案内を確認してもらう
このように、ステップごとに段階的な行動を促していくことで、自然な流れでゴールに近づけるのです。
12-2 読者の心理段階に沿ってCTAの中身を変える
すべてのCTAを「申込みはこちら」や「購入はこちら」にしてしまうと、売り込み感が強くなり、読者は離れてしまいます。
代わりに、以下のような段階でCTAを設計してみてください。
・興味喚起段階のメール……読者の悩みに刺さるブログ記事・チェックリスト・事例
・共感・信頼形成段階のメール……お客様の声・ビフォーアフター・無料資料のDL
・行動誘導段階のメール……セミナー申込・販売ページ・FAQ・日程案内
CTAは「売る」ことだけが目的ではありません。
読者の理解・納得・共感を深めてもらうことも立派なCTAです。
12-3 CTAは毎回つけるが正解、でも売込みにはしない
基本的には、すべてのメールに何らかのCTAを設けるのが望ましいです。
ただし、「すべてを“売り込み”にしない」ことが重要です。
・読むだけでも価値がある
・見てもらえたら理解が進む
・行動しなくても、記憶に残る
こうした「やさしいCTA」も立派な誘導です。
気負わずに、「何をしてもらえたら、このメールが活きるか?」を考えるようにしましょう。
それぞれのメールがどの軸の役割を果たすために配置されたものかを思い出すだけで、CTAはやさしくなるとおもいます。
ステップメールは、読み手と対話を重ねていく道のりそのものです。
その途中で、どんな小さなアクションをお願いするか。
そのアクションのひとつひとつが、最終的に「買ってよかった」「参加してよかった」につながります。
CTAは、あなたと読者をつなぐ“橋”です。ぜひ楽しんでください。
13. 全体を通じたストーリー性と流れを意識する
- よくあるお悩みフレーズ:「1通ごとに書いてると、全体がちぐはぐになって…」
- ポイント:最終的に「読んできてよかった」と思ってもらうには、通して一貫した物語性が重要
ここまで、ステップメールには3つの軸「共感・信頼・販売」があって、通数を増やすとしても、それぞれどの軸をぶあつくするのかだけで、軸はかわらない、と伝えてきました。
そして、もし、共感をぶあつくするなら、信頼をぶあつくするなら、販売をぶあつくするなら、というときのコンテンツアイデアもおつたえしてきました。
このように、ここまで、場合分けしてお伝えしてきたため、こんな困惑もあとから生まれてきます。
「各軸のパートをうまく書いたつもりだけれど、全体でつなげると、なんだかばらばらになってしまう」
これを避ける、一貫した内容にするコツをお伝えしましょう。
13-1 解決の鍵は、「読者の成長ストーリー」を描くこと
「バラバラ感」を解消するための最大のコツは、読者の変化を物語のように描くことです。
つまり、以下のように、読者がどう感じて、何に気づき、どんな視点が加わり、決断に向かうかという流れを意識するのです。
たとえばこんな構成:
- 「これは自分のことかもしれない」と思わせる共感
- 解決策を持っている人としての信頼
- 実際にどう変われるかの未来像
- それを可能にする方法の提案
- 読者の不安や疑問の解消
- 行動を後押しする理由づけ
- 最後の一歩を踏み出す背中押し
このように、読者の心理のステップアップに合わせて配置していくと、軸が違ってもストーリーとしてつながりが生まれます。
13-2 一通ずつ書くとちぐはぐになる理由
一通ずつ完結型で書いてしまうと、「良い内容だけど、別々の話のように感じる」という印象を持たれがちです。
対策としては、事前に「全体構成シート」を作ってから書き始めることです。
以下のように、通数ごとの目的・主なメッセージ・行動喚起(CTA)を、ざっくりと書き出して一覧を作成し、まず確認段階をもうけるとよいでしょう。
通数 | 目的 | 主な内容 | CTA |
1通目 | 共感 | よくある悩みを提示 | ブログ記事へ |
2通目 | 共感 | 自分も同じ経験がある話 | チェックリストDL |
3通目 | 信頼 | 解決策の全体像 | メソッド紹介ページ |
… | … | … | … |
この「設計図」があることで、書くときにブレず、一貫した読み心地のあるストーリー展開ができます。
読者が「気がついたら、自然と申し込んでいた」と感じるステップメールには、意図的に設計された“読者の変化ストーリーがあります。
一通一通は“点”でも、全体で“線”になり、“物語”になる。
そんな設計を、あなたのステップメールにも取り入れてみてください。
まとめ
あなたに、リード育成で成果をだしてほしいと考えて、かなり量がたくさんのノウハウをお伝えしてきました。
13個全部をつぶしていかなくても、まず、ひとつめ、どれからやったらいいかを考えてみてください。
記事のなかで何度もお伝えしましたが、結局のところ、正解はないのです。
「何通が正解なんですか?」という質問に、即答するのは実はとても難しいのは、この記事を読む前と変わらないかもしれません。
通数や、ぶあつくする軸をの最適化をはかるためには、以下のような複数の条件をしっかりとらえる必要がある、ということだけ、いまはわかっていただければ大丈夫です。
– あなたとお客さんの関係の深さ(信頼残高)
– お客さんがどこまで悩みを自覚しているか(現在地)
– 商材の価格帯と意思決定にかかる時間 ……など
とはいえ、このあたりをもっと深掘りしたい方は、以下の記事も参考になります。
→ 顧客の現在地を知るには?
→ 関係性の深さを測るには?
→ 通数の設計で使えるマトリクス図はこちら
→[興味がある人に販売案内を丁寧に送る!セグメント配信の考え方と実践法
よかったら上記、補足の記事を読んでから、もういちど、こちらの通数を決める記事の13のポイントにもどってこられることもおすすめします。