SWOT分析は、戦略をたてて終わりではありません。
モニタリングし、修正してゆくことで、戦略が活き、目標達成に近づきます。
まず、モニタリングで使えるツールをご紹介しましょう。
モニターで使えるツールはどれ?
SWOT分析の計画で策定したアクションをモニタリングし、レビューするために使用できるツールがいくつかあります。
ガントチャート
ガントチャートとは、プロジェクト管理や生産管理などあらゆる管理工程に使う表のことです。「スケジュール表」「管理表」などと呼ぶ組織もあります。
このチャートは、行動の進捗を視覚的に追跡し、遅延やボトルネックを特定することができるという特性があります。
プログレスレポート
プログレスレポートとは、進捗状況報告書とか、中間報告書と呼ばれます。
もともとたてた計画のスケジュールに対して、進捗がどうなっているかをレポートする目的で作成されます。
ある一定期間の経過を報告する体裁をとります。
これは、あなたの行動のパフォーマンスに関するデータから、改善が必要な領域を特定するのに役立ちます。
主要業績評価指標
ここで使用する指標は、計画作成時にあらかじめ選んでおきます。
指標の数値を定点観測することで、アクションの進捗を追跡し、組織への影響を測定するのに役立ちます。
プロジェクト・マネージャーの仕事
プロジェクト・マネージャーの重要な目的は、プロジェクトのスケジュールを滞りなくすすめるとです。
なので、プロジェクト・マネージャーは、プロジェクトが予定通りに進んでいるか、遅れているか、それとも予定よりも先に進んでいるかを知っています。
プロジェクトが遅延している場合は、遅延の根本原因を特定し、その根本原因を解消することが必要です。
場合によっては、是正措置や予防措置も実施します。
こうすることで、障害が解消され、プロジェクトがもとのスケジュールに乗ることになります。
プロジェクトが予定通り進んでいる場合は、プロジェクトを加速させるか、あるいは、他のプロジェクトにリソースを再利用することもできます。
行動報告
計画の実施がはじまると、SWOT分析でここまで行ってきた戦略や、キーアクション、指標の選定を、定期的に進捗を追っていきます。
たとえば、これまで例にあげてきた、地方のホテルでは、やるべきことをカテゴリーわけし、そのカテゴリー毎に、戦略、カギとなる行動、進捗を図る指標を作成していました。
それを、モニタリングするために、トラッキングする表を作成し、定期的に、進捗確認を関係者間で行いました。
トラッキングの表の例を、あげておきます。
例は、チームが積極的な行動をを実施し始めてから3ヶ月目の様子です。
行動追跡シートをご紹介します。
これは、カテゴリ毎に、作成します。
例えば、これまでとりあげてきた地方のホテルでは、カテゴリを3つに分けてきました。
「マーケティングとプロモーション」「サービスとアメニティー」「オペレーションとマネージメント」の3つです。
なので、このホテルでは、3枚、「行動追跡シート」を作成することになります。
下記にあげた画像は、「マーケティングとプロモーション」のカテゴリについてのシートです。
一番上にカテゴリー名が書かれています。
事業名、プロジェクトマネージャーの名前が書かれ、レポートが発行された日付も書かれています。
また、プロジェクトの目的も書かれています。
この地方のホテルでは、マーケティングとプロモーションのカテゴリーに、6つの重要な戦略がありました。
この1枚に、6つの戦略が一目でみわたせるように記載されています。
6つそれぞれの戦略の進捗状況は、その戦略が軌道に乗っているか、遅れているか、完了しているかが示されています。
また、下段には、カギとなるタスクは、6つの戦略全体をみわたすものが書かれています。
リスクの一覧は、チームが対応するキータスクに関連するリスクを表し、それぞれのリスクについて、対応策と責任者も記載できます。
2枚目は「改善追跡シート」です。
これは、「マーケティングとプロモーション」カテゴリ内にあった6つの戦略のうちの、1つ目の戦略「市の中心部という絶好のロケーションを活かし、この地域を訪れる観光客を増やす」について、さらに詳しく、進捗を追うものとなっています。
このように、2枚目の、改善追跡シートは、各カテゴリ内の戦略毎に作成します。
ここには、「戦略1」に関連するカギとなる行動がまず明示されます。
これらの戦略の進捗をチェックするために追跡しなければならない主要な指標も記載されています。
各指標は、前月比での推移が記載されます。
このように、モニタリングに使用するシートは、これまで戦略を策定してきたものが、うまくすすんでいるのか、どの部分で軌道修正が必要なのかがひとめでわかるようになっています。
これらの資料は、実際につかってものを元にしているため、汎用的に使えるテンプレートとしては作成していませんが、あなたは、あなたのプロジェクトのモニタリング資料にあわせて、独自の資料を作成してみてください。
モニタリングと修正
モニターとレビューで使用できるツール、そして定期的なトラッキングを視覚化する資料について学びました。
次は、SWOT分析のベストプラクティスをお伝えします。