どうして競合他社のことをそんなにしつこく調べる必要があるのかと思ったことありませんか?
SWOT分析で、あなたの組織にとって機会とは何かを理解しないと、その機会をつかむことができません。
競合がやっていないことをやる。競合がやっていない以上にやる。
それも、ここでいう機会のひとつになります。
この記事では、SWOT分析で、あなたの組織の機会を特定するためのアプローチを学びます。
機会とは
SWOT分析で機会を特定することは、ビジネスの成長の場をみつける最善の方法につながります。
機会を特定できれば、あなたのビジネスが成功へとつながる切符をつかんだことと同じになるのです。
機会をつかむことで、あなたの事業は、成長、革新に導かれる緒にたつことになります。
なので、機会を特定することは、SWOT分析の重要な部分でもあるのです。
自社の強みを生かし、弱みに対処したいと思わない人はいないですものね。
さて、機会とは何でしょうか。
ここで特定したい機会には、市場動向や技術の進歩、規制の変更、新たな顧客層など、さまざまな機会があります。
組織にとっては、外部環境を定期的に評価しなおすことは、大切です。
次の大きなチャンスがいつ訪れるかわからないからです。
機会を特定する方法のひとつに、市場調査があります。
業界の動向や顧客のニーズに関するデータを収集することで、競合他社との差別化や、顧客に新たな価値を提供したりすることが、可能になります。
組織が持つ機会とは、どんなものがあるか、例をあげてみましょう。
・新興市場の動向
市場のトレンドを把握し、それに適応できる組織は、競争上優位に立てる可能性が高いです。
例えば、環境に優しい製品を求めるトレンドがある場合、持続可能な製品を幅広く提供する組織は、このチャンスを生かすことができるでしょう。
・技術の進歩
先進的な技術を活用することができる組織は、生産・運営効率を高め、コストを削減し、革新的な製品やサービスを提供することができる可能性があります。
例えば、人工知能や機械学習技術を導入している組織は、その技術を活用することで、特定分野の作業の自動化を実現でき、経営の意思決定能力を向上させることができます。
・規制の変更
規制が変わることで、新たな要件に適応し遵守することができる組織に、チャンスをもたらします。
例えば、より環境に配慮した労働環境整備や生産工程を採用する組織に、環境を配慮することを求める新しい法律が可決され場合は、この機会を利用し、採用がよりスムーズにゆくとか、市場がより拡大するというチャンスを得ることができます。
・新しい顧客層
新しい顧客層をターゲットとすることができる組織は、市場拡大することができます。
例えば、ソーシャルメディア・マーケティングのキャンペーンで、若い層をターゲットに実施できれば、ある組織にとっては新規顧客を獲得でき、市場を拡大することができるようになるでしょう。
つまり、機会はSWOT分析の重要な要素であり、組織が成長する可能性をそこに見出すことができる外部要因を指します。
組織の成功にとって、機会の特定は、不可欠なのです。
機会を特定する方法
SWOT分析で機会を特定するためには、どうすべきか。
業界動向、技術的な変化などに注目し、新しい市場や顧客層を探します。
また、パートナーシップやコラボレーションの可能性を探ることもできます。
市場の機会を活用するために、組織がどのような新しい製品やサービスを提供できるかを考えます。
さらに、既存の製品やサービスを評価しなおし、改善または拡大する方法を探します。
顧客のニーズをより良く満たし、機会を活用します。
組織を競合他社から引き離し、ユニークで革新的なものを提供する方法を探します。
さらに、あなたの組織でまだ活用されていない資産や能力を活用することができないかを検討します。
市場の新たなトレンドを探し、業界や市場のトレンドや変化を特定します。
組織にチャンスをもたらす可能性のある業界や市場の動向や変化を、特定します。
ここでは、そのための方法を挙げます。
・業界のニュースや出版物を常にチェックし、市場の最新動向や変化を常に把握する。
・業界のイベントやカンファレンスに参加し、市場の新しいトレンドについて学ぶ。
・競合他社をモニターし、彼らが何をしているか、市場の変化にどの程度対応しているかを確認する。
・市場調査を実施し、顧客のニーズや嗜好、業界の動向に関する情報を収集する。
・顧客やステークホルダーと、アンケート調査、フォーカス・グループ、1対1の会話などを通じて、関わり、情報収集し、顧客のまだ満たされていないニーズを調べ、組織としてできることを検討する。
・新たな市場を開拓するパートナーシップやコラボレーションを検討する。
機会を特定するための正しい質問
SWOT分析を通じて組織の機会を発見し、特定するために必要な質問を紹介します。
・市場のどのような外部要因やトレンドが、組織に新たな機会をもたらす可能性があるか?
・どのような新しい市場セグメントや顧客グループが、組織にとって新たな機会となり得るか?
・リーチを拡大するために、どのような新しい市場セグメントや顧客グループをターゲットにできるか?
・組織が競争上の優位性を獲得するために、どのような戦略的パートナーシップや協業が考えられるか?
・組織にとって未開拓の新製品・サービス開発の機会はあるか?
・顧客ニーズによりよく応えるために、現在のサービスをどのように改善・多様化できるか?
・革新や差別化のための潜在的な領域はあるか?
・どのようにすれば、組織は、十分に活用されていない、あるいは十分に開発されていない資源や能力を効果的に活用できるか?
・新たなチャンスを活かすために、組織が知っておくべき市場の新たなトレンドは何か。
・組織の、現在の、あるいは潜在的な顧客の、満たされていない主なニーズや痛みは何か?
・組織に利益をもたらす可能性のある提携や協力関係はあるか?
質問には、きまった公式があるわけではありません。
必要に応じて、質問を変更してください。
ホテルの事例
強み、弱みの特定の話題から引き続き、地方のホテルの逸話からご紹介します。
今度は、私たちのホテルが利用できる機会について話し合います。
この場では、互いに正直であり、そして透明性を持って話し合う必要があることを、まず皆さんと共有したいです。
質問について、お答えください。
「外部環境のどのような変化が、当ホテルに回復のチャンスを もたらしますか?」
・私たちは、インバウンドの外国人観光客数の増加を目の当たりにしている。これは、私たちに機会を提供している。
・インバウンド市場を開拓し、より多くのゲストを迎えるする機会を得たい。
「当ホテルが開拓できる新しい市場や顧客層は?」
・この地域では、エコツーリズムやアドベンチャー・ツーリズムのトレンドが高まっている。私たちは、この市場を開拓し、より本物の体験を求めている顧客を満足させることができる。
「当ホテルはどのようなパートナーシップやコラボレーションを追求できますか?」
・より多くの観光客を当ホテルに誘致するために、地元のツアーコンダクターや旅行代理店、スポーツショップとの提携を模索することができる。
「ホテルが提供できる新しい商品やサービスとしてどのようなものが提案できますか?」
・近隣の丘陵地帯でのトレッキングやハイキングなどのアクティビティを含むパッケージ商品を提供することができる。
「当ホテルは、既存の商品やサービスにどのような変更や改善を加えることができますか?」
・スパやレストランなど、既存のアメニティや、提供サービスを改善し、ゲストにもっと個別にカスタマイズされた体験を提供することができる。
「当ホテルには、どのような革新や差別化の機会があると思われますか?」
・ゲストの体験を向上させ、差別化を図るた めに、webの活用を検討してはどうか。たとえば、オンラインのスマホを使ったチェックインや、ルームサービス受注や、アクティビティーのレンタル受付など。
「当ホテルは、未開拓で未利用のリソースや能力を持っていますか?」
・広い庭園があるが、現在あまり活用されていない。私たちは、それをお客様のためのレクリエーションやヨガ、ピクニックエリアなどに活用できる。
事例 機会を書き起こす
意見が出たところで、今度は、機会を書き起こす番です。
チームでブレーンストーミングをしたときのコメントを確認し、SWOT分析の機会の枠のなかに書き込みます。
この書き込みする内容は、私たちのこのホテルの経営状況を好転させるために必要な重要な機 会です。
・この地域を訪れる観光客の数が増えている。
・エコツーリズムやアドベンチャー・ツーリズムのトレンドが高まっている。
・地元のツアーコンダクターや旅行会社とのパートナーシップの可能性。
・アクティビティやアドベンチャー・ツーリズムを含むパッケージ旅行など、新しい商品やサービスを提供するチャンスがある。
・スパやレストランといった既存の設備やサービスを改善する。
・ウェブを活用した、サービスの差別化。
・ホテルの広い庭を宿泊客のためのレクリエーション・エリアにする。
私たちは、ホテルが活用できる機会をしっかりとリストアップしました。
機会を書き出したら次にすること
さあ、SWOT分析の次のステップに進みましょう。
ここでは、機会を特定しました。
機会を特定するための正しい質問で、あなたの組織にて利用できる機会を特定できましたか?
次は、外部環境の脅威を特定する方法をご紹介します。