~ホワイトペーパーで米国のバイヤー候補を「自社リスト」へ導く~
前回の記事では、商談に直結するキーワードの探し方を解説しました。しかし、米国市場には「今すぐ買いたい人」の何十倍もの「まずは情報を集めて検討したい人」が存在します。
この層を放置するのは、宝の山を見逃しているのと同じです。彼らが情報を探すときの検索フレーズを特定し、その答えを「ホワイトペーパー(資料)」として提供することで、メールアドレスを取得し、継続的にアプローチできる「自社リスト」を構築しましょう。
目次
ステップ1:バイヤーの「知りたい(Know)」と「学びたい(Learn)」を言語化する
情報収集型のキーワードを出すコツは、製品名そのものではなく、「バイヤーが業務で直面している課題やトレンド」に焦点を当てることです。
英検準1級の語学力とDeepLを使い、以下の切り口でキーワードの「種」を作ってみてください。
【Dorayakiを扱う中小企業の例】
- トレンド・健康意識: The trend of healthy desserts(ヘルシデザートのトレンド)
- 比較・基準: Differences between homemade dorayaki and professional dorayaki(ホームメイドとプロの違い)
- ノウハウ: How to make authenticdorayaki(伝統的な作り方)
これらは、すぐには注文に繋がりませんが、「質の高い情報を探しているプロ」が検索するフレーズを想定してみましょう。
ここでは、あなたが展示会や、これまでの商談であったバイヤーから受けた質問や、SNSへとどいたメッセージなどから、あなたが蓄積している情報が役に立ちます。
AIをつかうときのポイントとプロンプト例
情報探索型のキーワードを探す際、AIには以下の3つを深掘りさせるのがコツです。
- 用語の置き換え: 米国では「Dorayaki」をどう説明すれば最も「価値」が伝わるか?
- 文脈の追加: 健康意識の高いバイヤーが、どら焼きの「何」に注目するか?
- 形式の提案: どんなタイトルの資料なら、メールアドレスを入れてまでダウンロードするか?
【プロンプト案】
役割: あなたは米国食品・レストラン業界のトレンド分析に強いマーケティング戦略家です。 目的: 日本の和菓子職人のどら焼きの作り方を教える[Dorayaki Online School(どら焼きオンラインスクール)]を米国の[カフェチェーンや、レストランのパティシエ、経営者、食品仕入れのバイヤー、シェフ]に知ってもらい、将来の顧客リストを作るための「情報収集型」キーワードを提案してください。私の初期案:1トレンド軸:The trend of healthy desserts 2、比較・基準軸:Differences between homemade and professional dorayaki 3、ノウハウ軸:How to make authentic dorayaki 依頼事項: 上記の3つの軸を参考に、「米国のプロが、業務中に検索しそうな、Dorayakiに関するより具体的な英語のロングテールキーワード」を10個提案してください。ヒントにしてほしい要素:トレンド軸: 単なるヘルシーではなく、「Plant-based(植物性)」「Dairy-free(乳製品不使用)」「Newstalgia(懐かしさと新しさ)」、および「Japanese Artisan Technique(職人技)」という付加価値と米国の最新トレンドと絡めてください。比較・基準軸: オンラインスクールを選ぶ際の「Professional curriculum(プロ向けカリキュラム)」「Skill certification(技能証明)」「ROI / Cost-effectiveness for business(投資対効果)」の視点を入れてください。ノウハウ軸:単なるレシピではなく「Menu integration(メニューへの取り入れ方)」「Scaling production(仕込みの効率化)」「Flavor localization(現地に合わせた味の調整)」の視点を入れてください。出力O形式: 英語キーワード + そのキーワードで検索するプロの悩み(日本語解説) + 推奨するホワイトペーパーのタイトル案
ステップ2:Ubersuggestの「疑問(Questions)」タブを攻略する
情報収集層は、検索窓に「質問」を打ち込む傾向があります。ここでも、Ubersuggestが真価を発揮してくれます。
ステップ1でAIを活用して、さらにツールを使う意義は、3つあります。
・需要の確認(空振りを防ぐ)
・勝てる場所の確認(隙間を探す)
・関連キーワードの確認(網を広げる)
Ubersuggestのどの機能を使えばいいのかみてみましょう、。
- キーワード入力: Dorayaki onine school などの基本単語を入力(USA設定)。
- 「キーワード候補」→「疑問(Questions)」タブをクリック:
- ここに表示される tutor dorayaki や how healthy is japanese food といったフレーズに注目してください。
- 「お悩み」をリストアップ: 表示された疑問フレーズの中から、自社の専門知識で解決できそうなものを3〜5個選びます。これがそのままホワイトペーパーのテーマになります。
ステップ3:キーワードプランナーで「トレンドの継続性」を確認する
次に、Googleキーワードプランナーで、その疑問に「持続的な需要」があるか確認します。
- ボリューム推移を見る: 単発の流行ではなく、年間を通して一定の検索があるか確認します。情報収集型の記事は「資産」になるため、長く検索され続ける言葉を選ぶのがコツです。
- 「競合性」が低〜中であることを確認: 情報収集型ワードは、比較検討型よりも検索ボリュームが大きくなりがちですが、中小企業としては「競合性が低いが、特定のプロが興味を持ちそうなワード」を死守します。
ステップ4:キーワードを「ホワイトペーパーのタイトル」に変換する
選んだキーワードを使って、バイヤーが「メールアドレスを登録してでも読みたい」と思うタイトルを作ります。
例えば、
- 選んだキーワード: dorayaki filling variation(どら焼きのバリエーション)
- ホワイトペーパーのタイトル案: “10 Profitable Filling Variations for Dorayaki: From Traditional Anko to Seasonal American Flavors” (どら焼きの利益を生む10のフィリング:伝統的な餡から米国向けの季節限定フレーバーまで)
このように、for Commercial use(業務用)や Bulk production(大量生産)のニュアンスを加えます。また、ホワイトペーパーの体裁を表す、「Guide」「Report」「Checklist」といった言葉をキーワードとさらに組み合わせることで、リスト登録率(コンバージョン率)が飛躍的に高まります。
もちろん、この段階で、キーワードからホワイトペーパーのタイトルづくりをブラッシュアップするためにAIにサポートをお願いするのも有効です。
プロンプト例
役割: あなたは、B2Bのコンテンツマーケティングとリードジェネレーション(顧客獲得)に精通したグローバル戦略家です。目的: 私が見つけたSEOキーワードから、米国の[ターゲット:例 パティシエや経営者]が、メールアドレスを登録してでもダウンロードしたくなる「ホワイトペーパー(無料資料)」のタイトル案と構成案を提案してください。入力データ:メインキーワード: [例:Dorayaki filling variation] 、製品/サービス: [例:どら焼きのオンラインスクール]、解決したいターゲットの悩み: [例:メニューのマンネリ化、高品質な和菓子の作り方がわからない、乳製品不使用のデザートを探している]。実行依頼:1 タイトル案(5選): 「How-to(方法論)」「Numbered List(数字入りリスト)」「Mistakes to avoid(回避すべき失敗)」「Research/Trend(調査レポート)」などの異なる切り口で、魅力的なタイトルを5つ作成してください(英語と日本語訳を併記)。2 構成案(目次): その中で最も「登録率が高そうなタイトル」を1つ選び、資料の目次(IntroductionからConclusionまで)を作成してください。3 ベネフィットの言語化: この資料を読んだ後に、読者が「なぜあなたの製品/サービス(オンラインスクール)が必要だと感じるか」の導線を解説してください。条件:単なるレシピ紹介に留まらず、ビジネスの収益性(ROI)や効率性、差別化の視点を必ず含めること。専門家(Artisan)としての権威性と、親しみやすさを両立させたトーンにすること。
まとめ:情報収集型キーワードは「信頼の貯金」
情報収集型のキーワードで集まったユーザーは、まだあなたの会社やサービスを知りません。しかし、彼らの疑問に英語コンテンツで答えることで、例えば「この会社は日本のどら焼きを教えてくれる先生だ」という信頼が生まれます。
- DeepLでプロフェッショナルな言い回しを精査する
- Ubersuggestでバイヤーの「問い」を見つける
- その答えを「ホワイトペーパー」として用意する
この流れを作ることで、自動で海外バイヤーのリストが増え続ける仕組みが完成します。
プロの知見を活用して、海外バイヤーの「教育」を始めませんか?
「どんな資料ならダウンロードしてもらえるのか?」「選んだキーワードで記事を書くストーリーテリングの構成はどうすればいいか?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひご相談ください。貴社の専門知識を、米国バイヤーが喉から手が出るほど欲しがる「資産級コンテンツ」へと昇華させるお手伝いをします。