コンサルティング付きの高額商品はすぐつくれたけれど、リードマグネットからつながるフロントエンド商品がうまくつくれない。このようなお悩みは、もともと教室事業やコンサルティング事業をやっておられた先生の方に多くみうけられます。
この記事では、想定受講者や、コンセプトがすでに決まっている方に、フロントエンド商品作り思考法を3つお届けします。
この記事を最後までお読みいただくことで、あなたのフロントエンド商品のコンセプト、タイトル、そして価格までのお悩みを一気に解決するアイデアを得ていただけます。
なお、この記事をお読みいただく際、マーケティングファネルとは何かを理解しておられると、より理解が深まります。
目次
(1)商品の作り方の2パターン
私が手掛けたオンラインコース制作の手順は、まずリードマグネットを作り、そして次にフロントエンド商品を、そして最後にバックエンド商品を作りました。
ですが、クライアントさんのお話しを聞いていて、バックエンド商品の方を先に作ったほうが簡単だという先生もいらっしゃることに気づきました。
バックエンドの高額コースづくりが簡単だとおっしゃる先生は、フロントエンド商品や、リードマグネット作りが難しいと感じておられるとのこと。
つまり、商品づくりには、セールスファネルの上からつくるか、下からつくるかの2パターンがあるということになります。
(2)バックエンド商品からブレイクダウンする
まずバックエンド商品からブレイクダウンする方法をご説明します。
もしバックエンド商品を考えるのが難しいという方は、ファネル全体のゴール、つまり受講生を最終的にどこへお連れしたいのかというところからはじめてみましょう、
バックエンド商品からブレイクダウンしてフロントエンド商品をつくるとセールスがしやすくなります。
なぜかというと、フロントエンド商品を、バックエンド商品のお試し商品として作るからです。
バックエンド商品は、顧客のお悩みを最大限解決するものです。
50万円以上もするようなものであれば、得られる結果についての期待値もたかまります。
受講生も、解決した後に得られる成果が、大きなものであることに、うすうす気づいてます。
けれども本当に、この講師が、この高額な教材が、自分の悩みを解決してくれるのか、この選択で自分は間違っていないのかと迷います。
受講者には確信が欲しい訳です。
なので、安めの商品を買って、お試ししてみるという流れになります。
化粧品通販で、「お試し商品キット」を無料ではなく、千円程度の有料で販売するものがあります。
あれは、まさに「お試しキット」がフロントエンド商品で、化粧品は本命のバックエンド商品になります。
動画コースを例に出すと、和田の「ローンチを加速させる30日間チャレンジ」(以後、30日間チャレンジという)がフロントエンドで、「12カ月実践集中講座」(以後、実践集中という)がハックエンド商品です。
30日間チャレンジは、実践集中の、最初の部分だけを取り出したものになっています。
化粧品と同じように、試しにつかってみて、続けて使いたいと思ったら、本番商品を使ってねという案内が活きてきます。
このように、フロントエンド商品をバックエンド商品のお試しとしてつくると、理屈上ではセールスがしやすくなるというのは、ご理解いただけましたでしょうか。
お試し商品をつくる5つの手順
フロントエンド商品はバックエンド商品を、サイズダウンした、薄めた、コンパクトにした商品です。
ここでは、便宜上、「お試しサイズにする」という言葉を使いますね。
バックエンド商品をお試しサイズにする手順をお伝えします。
手順1
バックエンド商品も含めたセールスファネル全体の想定受講者やゴールを再確認します。
もしまだ明確にしていなかったら、ここは言葉で定義して、次へすすみましょう。ここがぼんやりしていたら、受講生は集まりません。
ゴールとは、教材を通じて受講生をどこまでお連れしたいのか、ということです。
手順2
バックエンド商品で提供しているのは、受講生の悩みを最大限解決する手法やノウハウ、そしてあなたの人的サポートです。
まずノウハウ部分で提供している内容について、ステップバイステップの道順を書き出します。
すべて書き出せたら、次にすすみます。この段階では、書き出すことだけでOKです。
手順3
上記で書き出した、ゴール達成までのノウハウの手順を、スタート地点からゴール地点にむかって、順番に並べます。
各工程で受講者はどんな悩みを持っていて、それをどう解決するのかを書き出します。
ここの手順の段階は、書き出す作業ボリュームが多くなります。
作業方法のおすすめです。
エクセルやスプレッドシートをつかってみてください。
まず、3列の枠をつくります。左端に受講生のお悩み、真ん中を受講生のお悩みを解決するための問いかけ、右端はお悩みが解決するための行動を書き出します。
和田の実践集中講座の例を一部お見せします。
悩み,心のなかの声,感情 | 解決のための問いかけ | 解決するためにやるべきこと |
過去の成功体験を踏まえ、動画をつかってオンラインで教えてみたいが、自分は何を教えることができるだろうか? | 得意なことは何か?過去褒められたことは何か? | 得意なこと、ほめられたことを書き出すワークシートを記入。 |
たくさんの選択肢からどれを選べばいいか? | 情熱が高いものはどれですか? | 上記ワークシートに優先順位をつける。 |
手順4
上記の作業を行うと、かなり縦長のエクセルシートが出来上がります。
ながめてみると、お客様のお悩み別に、いくつかの塊ができます。
たとえば、和田の実践集中講座の例だと、一番最初の塊は「明確にする段階」になります。
この一番最初の塊が「フロントエンド商品」になります。
手順5
仕上げです。
ここでは、フロントエンド商品に、バックエンド商品への「つなぎ」を入れます。
つなぎに入れるものは、次の2つです。
・今いる位置もふくめた全体像(いま自分はどこにいるのか)
・今いる位置からゴールまでの手順(これから自分は何をすればいいのか)
受講生に対して、あなたのお悩みを解決するために、あなたはこの手順で、これらすべてをやる必要があると、フロントエンドの最後で伝えます。
一人でもできるけれど、もし、「早くゴール達成したい」とか「迷わずゴールまで到達したい」と考えるようでしたら、バックエンド商品を利用してくださいと、選択の問いかけをしておきます。
バックエンド商品に、「人的支援サービス」がついているようでしたら、この「一部分を切り出す」方式のフロントエンド商品の作り方は、かなり効きます。
(3)ゼロからイチを生み出す
リードマグネットからアップグレードさせてフロントエンド商品を作ることをどう考えたらいいかをお伝えします。
マーケティングファネルの中では、リードマグネットを先に作っておられる方も多いでしょう。
このリードマグネットのコンテンツをアップグレードさせてフロントエンド商品をつくる方法のご紹介になります。
ご紹介を始める前に確認です。
「誰に、何を、どのように、どのような効果をもたらすものか」というマーケティングの基本要素が決まっていますか?
まだ決まっていなかったら、ここをまず決めましょう。
ちなみに、「バックエンド商品だけを持っていて、まだリードマグネットを作っていない」という方はリードマグネットを先に作りましょう。
まず、リードマグネットとフロントエンド商品の関係性をお話しします。
リードマグネットとフロントエンド商品の両方共に、備えなければならない4つの要素があります。
4つの要素
・What (それは何を解決するものなのか)
・Why(なぜそのものが必要なのか)
・How(解決するノウハウは何なのか)
・What if(そのノウハウを使って解決した事例はどんなものがあるのか)
この4要素をリードマグネットにも、フロントエンドにも入れます。
ただし、1か所だけ、違えるところがあります。
それは、ノウハウのところです。
ノウハウを詳しく述べるのがフロントエンドです。
リードマグネットでは、ノウハウは概要だけをお伝えします。
概要をお伝えするだけでも、手掛かりになりますので、無料情報であるリードマグネットを得ただけで、ゴール達成までゆく方も中にはおられます。
また、フロントエンドで満足してバックエンドまでゆかない人も確かにおられます。
でも、そういう方は、わたしたちの顧客ではそもそもありません。
わたしたちの手助けが欲しいと思ってくださる方が、顧客になってくださるだけだからです。
だから、リードマグネットやフロントエンドでノウハウをお伝えするのを、出し惜しみしないでください。
(バックエンド商品は、ノウハウはわかるけれども、「やっぱり自分一人ではできないから詳しい案内が欲しい」という方向けの商品になるからです。)
和田の例をお伝えしましょう。
フロントエンドの「ローンチを加速させる30日間チャレンジ」につなげるために無料セミナーをリードマグネットとして設置しています。
内容は、「30日間でマネタイズするための5つのポイント」をお伝えするものです。
この5つのポイントをやれば、別に「ローンチを加速させる30日間チャレンジ」に参加しなくても、一人目の受講生を得ることができる、つまりマネタイズできる、というノウハウをお届けしています。
(4)他社事例を分解して真似る
ここまで、フロントエンド商品をつくる考え方を2つご紹介してきました。
3つめにご紹介する「考え方」は、他社商品を真似するです。
一人で、うなっていても、商品アイデアが湧かないときは、業種の違う他社商品群を分解して、その流れをまねさせてもらうのもありです。
ここでのポイントは、「業種の違う他社商品の流れを真似する」という点で、「あなたと同じ業種や職種」を真似させていただくのではないということです。
他社商品について、着目していただきたいのは、次の4つのポイントです。
・タッチポイント
・リードマグネットは何か?
・フロントエンド商品は何か?
・バックエンド商品は何か?
それぞれについて、ボリュームと価格もあわせて確認します。
この作業を行うには、まず「真似したい」と思うような商品に出会うことが大切です。
資料集めの時間が必要になります。
もし「しびれるほどうなる商品販売」に出会ったら、ぜひ、画面のスクリーンショットをとっておかれることをおすすめします。
それが、あなたのスワイプファイル(真似する資料)にすることができるからです。
真似するのは、化粧品業界の例でも、英語教材の例でも、靴の通販の例でも、もしくは、英語圏の教材の例でもいいです。
ちなみに、わたしは、FB広告で気になる英語圏の教材を買って、分解しています。
フロントエンドからバックエンドの商品構成や、価格帯の作り方、特典のつけ方など、とっても刺激的なものに出会える確立が高いと感じているためです。
他社商品を自社商品に生まれ変わらせる方法
他社商品を分解するポイントを先ほどお伝えしました。
ここからは、そのポイントを活かして、自社商品のファネルをつくってみるための準備の作業をご案内します。
エクセルをご用意ください。
丸パクリさせてもらいたい、分解した元の商品を、ファネルの上から順にエクセルシートにならべます。
他社商品を分解するワークシートを使います。
例として、Mélissa Peng(以下、メリッサと呼びます)の商品構成を分解してみます。
tach point | Spotlite by Teachable | price, note |
lead magnet | 5 Tips to Perfect Your Product Pitch | free 60m webiner,live |
front end | Target Customer Challenge Course | $49 , 30days access |
midle end | Marketin in full flow | $229, |
メリッサのタッチポイントとは、「どこで受講生と出会うか」です。わたしが出会ったのが、「Spotlite by Teachable」という、Teachableを使った講師が集まる無料セミナー案内メールです。
無料セミナーは60分間のライブ形式。
フロントエンド商品は、10日間チャレンジという、ウェビナーを聞いた特典として、アクセス制限が30日間のみだけれど69ドルが49ドルになるという割引の案内がありました。内容は、起業家向けに「対象」を絞るためのワークをたっぷり盛り込んだ動画レクチャー。
その後続商品は、229ドル。
これは、10日間チャレンジのフロントエンドが終わる頃に、案内がメールで流れていました。
内容は、起業家が最低限押さえておきたいマーケティング全般の学習教材。
上記の分解を、自分のテーマと、対象にあてはめ、形態だけ真似てつくってみることができます。
上記のメリッサのファネルを真似たコース商品群を仮につくってみました。
以下、紹介します。
タッチポイント | Udemy「成功するコンサルティングビジネスの始め方と成長のさせ方」 | |
リードマグネット | コンサルティングビジネスを始めるときのブランドづくりに必要な3つのこと | 60分間無料セミナー、ライブとオート |
フロントエンド | 5日間チャレンジ | 9800円←120000円 |
ミドルエンド | ブランド構築マスタークラス | 30万円 |
対象 | ビジネスコンサルタントとして起業したい雇われで仕事をしているコンサルタント |
対象は、独立開業したい、コンサルティング的な仕事をしている会社員を対象にしたとします。
タッチポイントとしてUdemyを選択し、Udemyに『成功するコンサルティングビジネスの始め方と成長のさせ方』というコースを置きます。
Udemyのボーナスレクチャーに「コンサルティングビジネスを始めるときのブランドづくりに必要な3つのこと」という無料60分間オートセミナーを案内。
フロントエンドで、顧客との出会い方や、ノウハウに対してお金を払ってもらう方法、自分を雇うと何が得かを語れるようにするポイントを、5日間のドリップ形式のレクチャーで学びます。
バックエンドでは、顧客に選ばれるためのコンサルティングビジネス構築のa to zをトータルで学びます。
ここまでが、メリッサのファネルをまず分解し、自分のファネルに真似るまでの一連の作業例でした。
体験はいい教材である
あなたも、ぜひ、気になるリードマグネットがあったら、そこから商品購入体験を複数集めてみてください。
ひとつじゃ、体験が比べられないので、ぜひ、参加したり、購入したりして、お金を払って、サンプルを集めてください。
そのときに目にしたセールスページは、すぐれたスワイプファイルになります。
また、集めたあなたの体験は、すぐれたファネルのモデルになります。
体験を集めることができれば、リードマグネットからフロントエンドへ、そしてフロントエンドからバックエンドへのつなぎ方も、経験することができ、それが一番あなたのいい学習教材にもなります。
なぜなら、あなたが魅入られた販売方法に、あなたの顧客も魅入られるはずだからです。
あなたにマッチしない、「えー、こんなゴリゴリのセールスするのは嫌だ」というセールス方法を、先生に教えられた方法だからといって採用してしまっても、あなたの望む顧客は来ません。
だって、あなたがこころから、そのセールスの方法はいけてると思っていないからです。
セールスは、あなたそのものを反映します。
だから、あなたが魅力的だとおもったセールス方法をぜひ取り入れてください。
そのために、あなたがときめく教材や商品をまず買うという体験をしてください。
あなたはどっちのタイプ
あなたは、リードマグネットからコンテンツアップグレードさせたフロントエンド商品をつくるほうが得意なタイプですか?
それとも、バックエンド商品を先につくり、そしてブレイクダウンさせたフロントエンド商品をつくるほうが得意ですか。
わたしは、リードマグネットからフロントエンド、そしてバックエンドという流れでつくりました。
フロントエンドで集まっていただいた方々の声をお聴きしてバックエンド商品をつくったという流れです。
もし、あなたが、いまから始めるからどちらかわからない、という場合は、リードマグネットからフロントエンド、そして最後にバックエンドの流れでつくってみてください。
そうすると、バックエンド商品をつくったけれども売れないという悲劇は避けられます。
あなたがこの記事をヒントにつくったフロントエンド商品があったら、ぜひメールであなたのファネルをお知らせください。