自ら運営するオンライン・スクールの受講生が、あなたのコンテンツもカリキュラムもまるまる模倣した内容でデジタル商材をつくり、しかも会員募集している。
このことを、あなたが知ったとします。
あなたは、次のうち、どちらに近い感情を抱きますか?
わたしの方が先駆者でオリジナルコンテンツなのに、真似しやがってと、頭に血が上りますか。
それとも、自分の方が優位に決まっているから何も問題ないと、泰然としていられますか。
もし頭に血が上った状態で冷静になりたいとき、この記事を読んでください。
次にとるべき行動を迷いなく選んでいただけます。
目次
1、取るべき対応1「ポジショニングとターゲットをずらし新たなポジションで先頭を走り続ける」
ジャンルも、ターゲットも、セールス・キーワ―ドも同じ。
そんな競合のオンライン・スクールが出てきたら、もしかしたら、「真似しやがって」と、負の感情も湧くでしょう。
でも、こう考えてください。
「競合ができるのは、喜ばしい」って。
競合が出現することによって、市場規模が大きくなります。
それにより、業界のなかの特定のポジションが取りやすくなります。
かつ、すでに先行してオンライン商品があり、事業実績もあり、顧客も抱えているあなたには、信頼と実績というアドバンテージがあります。
ほんの、一、二カ月前にポッとでたばかりの競合が、いくら、あなたのコンテンツやセールスページを真似たとしても、実績と信頼の差は埋められません。
誰から見ても、後発組は、焼き直しでしかない訳です。
焼き直しにしかすぎないから、競合は、価格を抑えて出すほか他の戦う手段はないわけです。
ここであなたは、「同じコンテンツを安く出しやがって」と、そこにエネルギーを割く必要もありません。
価格を安くするということは、「信頼と実績と自身」が無いことを示すだけで、かつ、利益という体力増強手段を競合自ら手放しているので、放っておいたら、消えてゆくだけなのですから。
あなたがここでやるべきことは、自分自身をより進化させ、先行者として業界トップの場所を、どこで築くか、改めてポジショニングを選定しなおすことです。
広がった市場のなかで、同じポジションをとりつづける必要はありません。
すでに自分も、そして顧客も成長しているのですから、自然に、想定顧客像も成長した姿に変化していいはずですし、また想定顧客がいる市場のなかの居場所も違って当然です。
その成長したのびしろ分を、改めて、明文化し、成長した像のターゲットを選び治すだけでいいのです。
ここで、もし、競合が出てきたという外的要因によってターゲットを変更したり、ポジションを選び治したりしなければならないのは、気にくわないと、環境の変化をネガティブに考えたくなったら、こう考えてみてください。
環境の変化があるからこそ、出会いたい人と出会うための行動を積極的に起こすことができたのだと。
多かれ少なかれ、うまくいっていたこれまでの事業運営の中ででも、出会いたくない顧客が一定数いたはずです。
そんな出会いたくない顧客と出会わずに済み、一緒に居たい顧客とのみつきあえる条件をより絞ってゆくことができるチャンスなわけです。
出会いたい顧客の条件を絞れば、自然と、ポジションは変化します。
たとえば、これは、弊社で昔実際に、ターゲットを定義しなおした例です。
★創業当初 「美容室専門の開業プロデュース」
★競合出現後 「夫婦二人で開業し、美容意識が高い顧客を大切に扱い、単価12000円の高単価サロンを堅実に運営したい美容師さんのための開業プロデュース」
創業当初は、面積が広い美容室も、一人で運営される美容室も、都心の美容室も、田舎の美容室もいっしょくたにして請け負っていました。
でも、競合が出てくるにつれて、わたしたちの強みを活かせるところは、どこにあるのだろうかと考えて再定義したのでした。
再定義したあとは、ご来店のお客様を大切にされるご夫婦運営の美容室様ばかりが、弊社お客様になってくださっています。
2、取るべき対応2「ターゲットがかわったらカリキュラムも当然のごとく進化する」
競合が出てきて、「ターゲット」「ポジション」が変わったら、スタート地点とゴール地点が変わるのですから、当然「伝えるべきこと」、つまりカリキュラムもかわります。
特に、バックエンド商品はより手厚くなる方向へゆくでしょう。
たとえば、店舗開発プロデュースの仕事において、「伝えるべきこと」が変わった例としては。
★創業当初 独立開業をされる方を対象にしていたので、伝えるべきことは、「1店舗目の資金調達、集客」をメインに伝えていました。
★競合出現後 グループ企業や複数店舗オーナーへ成長される顧客が出てきたので、「店舗売却、M&A、3店舗以降の求人、フランチャイズ化、幹部育成」もが、支援する「伝えるべきこと」に加わりました。
伝えるターゲットが変わったら、伝えるべき内容もかわってきます。
あなたのオンライン・スクールのカリキュラムも、より手厚くなるのは当然で、競合出現は、カリキュラム内容を変更する必要性を暗に教えてくれているようなものなのです。
3、取るべき対応3「伝え方の丁寧度合をずらす」
競合が出てきたときにずらしておきたいものとして、「ターゲット」「ポジション」「カリキュラム」の他に、「どのように(手段)」もあります。
「どのように(手段)」とは、顧客との接触チャンネルや、流通経路、コンテンツの形態を指しますが、オンラインスクールにおいては、もうひとつ考える要素があります。
カリキュラムづくりの際の「ひとつひとつの伝える塊の大きさをどこまでかみ砕けるか」という、説明の丁寧さをどこまで追及するかという点です。
たとえば、和田美香オンラインスクールの例です。
和田美香オンラインスクールでは、自社(顧客企業)のノウハウをオンライン・コースにのせるお手伝いをしており、その一環でMailchimpの利用を勧めています。
最初は、誰がみても同じMailchimpの画面をスクリーンキャスト形式で映して使い方説明をしたら、先達の講師が出すMailchimpの使い方講座と結局は同じような動画になってしまうのではないか、自分が作る必要は無いのではないか、と考えていました。
でも、違いました。
動画コースづくりには、それぞれ固有のスタートとゴールが設定されてから、制作されます。
つまり、想定受講者が違ったら、そもそもスタート地点も違うし、ゴールの設定も違うわけです。
自然と、スタート地点からはじまってゴール達成するまでのナビゲートを解説する動画も、説明の手順や方法、背景の解説が違ってきます。
このように、ターゲットが違うと、「説明のかみくだき具合」や「解説のときの事例の出し方」も変える必要があり、競合とは違った動画コース商品にしてゆくことができます。
4、取るべきでない対応1「商標登録」
講座名や、教材名、ジャンルそのものを新しく開拓したと考えておられる先生方の場合、ご自身が使っておられるキーワードそのものを、競合に講座名として使ってほしくないというお気持ちが湧くようです。
同じ講座名をつかわないことを目指して、苦労して「商標登録」をとったとしても、伝えている内容の模倣までは、商標登録取得だけでは禁止できません。
そもそも、コンテンツの商標登録の手続きそのものが、専門家の力をかりなければならないほど難しく、また、一筋縄ではいかないので、登録完了までに時間とお金を相当費やさなければならないのが実情です。
潤沢な資金がある大企業ならまだしも、小規模や個人で運営するレベルのオンライン・スクールで、商標登録を取るメリットは、かける時間も、お金も、心理的負担も大きすぎて、得るものは小さいと考えます。
知財を守る方面でかける時間とお金があるならば、対象とゴールをずらしつづけるほうが、得られる利益は高まります。
5、取るべきでない対応2「協会化」
受講生や卒業生に対して、名称だけでなく、コンテンツの使用までも、制限したいのであれば、協会を設立し、認定講師の肩書きを得てからでないと、同じ名称やコンテンツをつかった活動はできません、という縛りをつける協会制度を構築し、そのなで教えてゆくという方法もあります。
協会に認定されないまま、コンテンツや名称を使うことが出来ないと、縛りをかけることができるからです。
でも、ビジョンや理念を広げるための人材育成が本来の協会設立当初の目的であったにもかかわらず、時を経るにつれて、協会を維持してゆくために、受講生である協会員に教材を売り続ける収益モデルになっているところも多くみうけられます。
協会が維持されるために、協会員に講座を売り続けるモデルは、講座のノウハウや用語の使用が制限されたがゆえに、閉じられてゆく世界のようにも、和田には感じられます。
受講生をずっと縛り、教える側が一人勝ちしたい場合は、協会制度をつくって伝えてゆくことは向いているかもしれません。
でも、もしあなたが、受講生とともに成長し、その成長の輪を広げるモデルとして、オンラインで動画でコースをつくりたいと考えるなら、協会制度は向かないと考えています。
まとめ
真似されるということは、「あの先生みたいになりたいというあこがれ」や、「儲かっている」ことから起こります。
なんだ、「動画コースをつくったら、作りっぱなしで、そのあとはただ置いておくだけでお金に変わってくれるのかと思ったけど、結局ずっと手がかかるじゃないか」と思われたかもしれません。
でも、商売って、もともとそんなものではないでしょうか。
顧客ニーズにあわせて、問題解決をしてお金をいただき続けるものです。
だから、問題を見つけ続けることができたら、競合の出現など、怖いものでもなんでもありません。
模倣するだけの方と、問題を解決する力を提示し続けることができるあなたとは、雲泥の差がそもそもあるのですから。
もし、あなたが、競合が出現して困っているなら、「競合が出るぐらいの突き抜けておられるポジションにおられると自覚し、先に進みませんか」ということを、お伝えしたいです。
模倣は、商品づくりでは、どこでも起こりうることです。
自分の発展のチャンスととらえられるといいですね。
追伸
悩んだら、ワオンでも、お悩みぶつけていただけます。
(ワオンとは、和田美香オンラインスクールのコンサルティングサービスを指します。コンサルティングサービスには、受講生同士の情報交換会への参加権も含まれます)。