よいコピーライティングがウェブを介したマーケティングやセールスには必要だということ。そして、そのゴールは、分かれ道を、ちゃんと選択してもらうこと、というのを前の記事でお伝えしました。
今回は、読み手に行動を促すようにするために、そもそも、どんな準備や心構えが必要かをお届けします。
B2Bの事例もあげますので、必要なところだけ読んでくださってもかまいません。
先日、AIの専門家の方とあるセミナーで隣の席になり、ChatGPIとコピーライティングの話をしました。
正しいゴール設定までは、AIには任せられない。ゴール設定を対話で導くのはAIの使い手側。
ゴールに導く手順の一部を、AIは省いてくれる。だから、AI活用は、たしかに省力化にはなるが、100%手放しで、いいコピーが出来上がるわけではない。
との見解でした。わたしも同感です。
ChatGPIは、要約はしてくれますが、ふくらませてはくれないのです。
あなたは、このふくらませる、基礎を、ここで学びます。
人間でしかできないことを、ここで学んで下さい。
目次
自分(自社)のことばかり言わない
良く見せよう、と欲張るばかりに、自分のことばかりを羅列したええかっこしいの文章を書いてしまいがちです。
あなたも、つい、ランディングページや、製品紹介チラシで、自社の特徴ばかりを書いてしまってませんか?
ここでは、「自分のことばかり」をつい書いてしまわないよう、その回避方法をお伝えします。
大事なコトは
だれもあなたのことに興味はない
関心があるのはただ自分のことだけ
と、肝に銘じることです。
さあ、試しに、あなたも、手をうごかして書いてみましょう。
あなたご自身が、ジムを経営していると仮定し、想像してみてください。
ここでは、そのジムを仮に「みかんフィットネス」と呼ぶとします。
顧客を呼び込む宣伝をするためのウェブサイトで、ジムが魅力的にみえるよう、サービス説明のコピーを2、 3段落書いてみてください。
この記事を読むのを、いったん止めて。
グーグルドキュメントか、ワード、もしくはKeepなどのメモアプリを立ち上げてみて。
そして、「みかんフィットネス」のウェブサイトがすごく魅力的にみえるように、まず、3~4行程度書いてみてください。
…
…
…
どうでした?
書きましたか?
あなた、こんな風に書いてはいませんか?
「みかんフィットネスは、湘南随一のジムです。
経験豊富なトレーナー陣が、
人気のプログラムと、 最先端の設備であなたをお迎えします」
この文章は、自社のことばかり伝え、 お客様がどうなりたいのか全く触れられていないのが、問題です。
ジムに入会して、 何があるのかがイメージできなません。
なので、 なかなか入会に踏み切れない。
いえいえとあなたはおっしゃりますか。いま手をとめて書いてくださった文章は、こんなにひどくはない?
それは、よかった。
ぜひ、顧客目線で、顧客が知りたいことに焦点をあてて書きます。
たとえば、読み手がジムに求めていることを盛込んでみたら、こんな風にも書けます。
「みかんフィットネスに入会すると、 スポーツ科学、栄養学、心理学の最先端プログラムのシャワーがあなたをお迎えします。だから、 目標は欲張って高く設定してください。たとえば『恋人とのわくわくするデートにでかけるように、毎回まちきれない気持ちで筋トレに取り組み、タイムトライアルを縮める成果を出す』といった具合に、スポーツの成果と苦行のセットから、すぐにおさらばできます。」
ポイントは、ジムそのものについて語るのではなく、 読者である人の気持ちに主眼を置いている点です。
このポイントを、ライティングのテクニックとして忘れないようにするためには、「それは、わたしにとって、何がいいのか?」を考えながら、書くことです。
あなたも、なにかコピーを読むときはいつも、「それは、わたしにとってどういいのか?」「わたしにとって何がいいのか?」という疑問を、頭の中で考えつづけてみてください。
そして、その疑問の言葉を、日常生活のなかで、顕在化させてみてください。
子どもの自転車を買うとき、 MAツールの記事を読んでいるときも、家族旅行の宿泊先を選ぶときも、いつも考えるように意識します。
そして、その疑問の言葉を、あなた自身が Eメールやウェブページ、eBook、 セールスのコピーを書くときすべてに、適応させてみてください。
大丈夫。
読む癖がついたら、書くときにも、その癖を思い出すことができるようになります。
するとあなたは、お客様の立場に立って、 お客様のニーズや要望、 課題に応える文章を書くことができるようになります。
人はだれでも、「自分に利益のあること」が動機で動きます。
これが、コピーライティングの重要なルールの一つです。
機能をベネフィットに変えるには
わたしたちの事ばかりを伝えるのではなく、読み手にとっていいことを伝える視点を持ち込みましょうと、上でお伝えしました。
すると、あなたの商品(サービス)の 機能を、ベネフィットに変えるにはどうしたらいいかって、今度は悩むことになります。
自分(自社)の功績や、 達成したことについて書くのではなく、読み手が商品を買ってつかうと、どんな事が得られるかに焦点をあてて書こうと思えるようになったら、しめたものです。
大丈夫ですよ、そのまま進みましょう。
マーケのこんな例をご存じですよね。
ドリルを買いたい人は、ドリルそのものを買いたいのか、それとも実際に欲しいのは穴なのか?
ベッドを買いたい人は、最新のポケットスプリングマットレスを買いたいのか、それとも本当に欲しいのは快眠あけのすっきりした目覚めなのか。
だれでも、買い手は、製品やサービスには興味があるわけではありません。
その商品やサービスが、それを使うことによって得られる結果だけを気にしているのです。
そう、だからあなたは、 商品ではなく、 結果を売る必要があるのです。
バックパックを例に、結果を売るということを試しにやってみましょう。
いま、ちょっとこの記事を読む手を止めてみてください。
そして、パックパックの機能について、何かひとつでもメリットを思い浮かべ、書き出してみてください。…
…
…
…
…
…
…
2~3個は書けましたか?
わたしのあげる例と、まったく同じでなくても、 気にしないでくださいね。
例えば、
・防水機能は豪雨の中でも、大切な電子機器を濡らさないという利点があります。
・イヤホン端子を備えているので、 ハンズフリーで音楽を楽しめます。
・隠しセキュリティポケットがあるので、 貴重品をスリから守ることができます。
さあ、あなたも、機能をメリットに変えてみましょう。
ここで、機能をメリットに変える秘密兵器は、「だから何?」と、自分に突っ込むということです。
「だから何?」と、機能をひとつあげるために、つっこんでみてください。
そして、もうひとつ大切なポイントです。
「だから何?」を、2回以上繰り返して、みてください。
例
この車にはアンチロックブレーキが搭載されています。
→だから何?
→事故防止に貢献する
→だから何?
→家族の安全を守る
そう、わたしも、あなたも、本当に大切にしているのは、 家族が安心して守られることで、自分も安心できるってことなのです。
真珠成分配合のシャンプーです。
→だから何?
→毛の中に浸透し、 太く艶やかな髪になる。
→だから何?
→寝起きでもしっかりまとまっているから、お出かけ前のセットがたった10秒でおわり、忙しい朝に余裕ができる
あるいは
→モデルさんのようなツヤツヤくるんとしたヘアスタイルが毎朝10秒で簡単に再現でき、毎日が勝負ヘアスタイルでもOK
「だから何?」と、問い続けることがなぜ大切か、おわかりいただけましたか?
読者の個人的なメリットは、より個人の生活に根ざしている表現まで、落としましょう。
より深い、上辺の理由ではなく、「ドロドロした」本音のベネフィットを書きましょう。
これで、あなたも、「特徴を伝えるだけ」というところから、抜け出せますね。
B2Bビジネスのメリット紹介方法
B2Bビジネスにおける機能をメリットに変える方法もご紹介します。
B2Bのビジネスはかなりドライなので、難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。
でも大丈夫。 B2Bでも、機能をメリットに変える、いくつかの簡単な方法をご紹介します。
B2Bビジネスの多くは、 自社の製品やサービスに、個人的なメリットがないと思い込んでいる点が、そもそも間違いです。
たとえば、倉庫のドアヒンジ、サプライチェーン・マネジメントのソフトウェア、重機のレンタルなどについてライティングするとき、ビジネス上のメリットだけを書いてしまいがちです。
だって、購買担当者の心をつかむことなんて、それがいいことだとは、思いもしないからです。
でも考えてみてください。
購買決定を行うのは、あなたと同じ、人です。
つまり、 B2Bビジネスの渦中にいる人は、 私たちと同じようにどら焼きも食べるし、推しの子を目をこすりながら見ているのだということを思い出させるのです。
B2Bの購買者は、 キャリアアップの機会や、自分の選択に対する自信や誇りといった個人的な価値を見出せたとき、製品やサービスを購入する可能性が高くなります。
だから、 コピーを書くとき、どうすれば読み手の心を動かすことができるかを考えることが大切なのです。
B2Bの例
コールセンター部門で忙しいマネージャーTさんが、あなたのターゲット顧客とします。
Tさんは、チームが効率的にクレーム対応を処理できるようにするためのソフトウェアを探しています。
彼はとんでもなく忙しいと想定しているので、あなたは最初こう書きました。
「スピードと効率を高めるために設計されたソフトウェアで、顧客との摩擦を減らすことができます。そして、 あなたのチームを顧客対応の専門家に変えます。」
この文は、まあまあかもしれません。
顧客のベネフィットを、書いてはいますから。
でも、いったん読み進めるのを止めて、書きなおしてみてください。
あなたが、このソフトウェアを購入することで得られるかもしれない個人的な利点を3つ以上、あげてみてください。
ヒントは、「だから何?」と、何階層も突っ込むことです。
…
…
…
…
やってみましょうか。
スピードと効率を高めるために設計されたソフトウェア
→だから何?
→顧客との摩擦を減らすことができます
→だから何?
→あなたやあなたのチームのストレスを軽減できる
→だから何?
→より短時間でより多くのことができるようになる
→だから何?
→より多くの顧客を助けることができ、利益を上げ、かつ、より多くの人を幸せにすることができる
これらの材料を元にすると、次のような文に書き換えられるでしょう。
「効率性を高めるために設計されたソフトウェアで、 ハードワークから、 スマートでホワイトな職場に転換できます。あなたのプロセスをスピードアップし、 より少ない時間でより多くの仕事をこなせるようにできるからです。
いままでとれなかった、ランチ休憩も取ることもできます。
また、顧客の満足度向上が図れることで、結果として、あなたのチーム効率化だけでなく、全社的な利益の向上を実現します。」
このコピーからは、中間管理職のTマネージャーが商品購入で得られるのは、部門の効率化だけでなく、全社の販売力向上にも寄与できる可能性です。
Tさんは、誇りと自信も得ることができます。
このように、 B2Bのコピーでも、 個人的な利点をできるだけ明確にするようにしましょう。
魅力的を感じとってもらうためのトリガー
「特徴」を「メリット」に変える方法として、「だから何?」をつかうことを、ここまでみてきました。
でもね、そのメリットを、魅力的なものとして購買までつげるために、どんなきっかけを与えればいいのか、また次の問題が発生します。
つまり、 そのメリットを「必要だから買う」のではなく、 メリットが「欲しいから買う」というところにどうやってもってゆくか?
本当は、そのモノ(サービス)を必要とはしていません。
でも、自分をより魅力的に見せたい、モテたい、より高いステータスがあることを自分にも他人にも示したい、お金もちになりたいという、心の奥底の欲求に訴えかけるものなのです。
ヘアケア用品を例にとりましょう。
ただ、コンディショナーそのものをただ売りたければ、 「この製品は、 やわらかい光沢のある髪にします」となります。
でも、コンディショナーをつかうことで、艶のある髪になり、そのことで、髪を褒められることが増え、生活も充実し、楽しくなること、もっというとモテとか人生の欲求を高めることを伝えると、そうなりたいと願って、買ってくれる人がいるのです。
もうひとつ例を考えてみましょう。
ターゲット顧客は、 ストレスの多い中小企業の経営者です。
本当に忙しいです。
自分たちの経理や会計処理も、自分でやらなければならない。
忙しい合間に経理処理するのは大変で、経理作業を規定通りにするのが、ほんと嫌になる、という想定です。
さあ、あなたなら、小さな企業の経営者の生活を楽にする会計ソフトの、見出し文をどう書きますか?
ここでは、「経営者の痛みそのものを取り除くため」にコピーを書いてみてください。
…
…
…
…
「請求作業が苦痛にならない中小企業の会計ソフト」
経営者の痛みを取り除く、と訴えるのです。
売掛の消し込み、回収が遅れている債権のとりたて、この作業がいかにつらいか。
だから、その作業の心理的障壁となる、苦痛、を取り除いてくれるものを求めているのです。
まず、読み始めてもらうには、最初のトリガーとなる箇所で、コンディショナーのように心の奥底の欲求をとらえるコピーを書くか、ソフトウェアのように心の奥底の苦痛を取り除くコピーを書く。
そのどちらからゆくかをまず決めて、攻めにとりかかることを始めましょう。
読み続けてもらうヒント
コピーに感情を込めるといっても、 ただ単に人の気持ちをくんで、それを書いて伝えればいいというわけではありません。
たとえば、テーマパークの新しい乗り物のコピーをあなが自身が書いていると想像してみてください。
「みかんパークランドの新しい乗り物は、 本当にどきどきワクワクします!」
って書いてませんか?
でも、逆の立場、つまり、読み手として、読んでみたとき、あなたは興奮して「行ってみたい」気持に駆り立てられるでしょうか?
残念ながら、「どきどきワクワクする!」と、直接的に書かれても、ぜんぜん興奮しません。
でも、その乗り物にのったときの体験を書き、そこに、3Dバーチャルリアリティの図像を付加すると、伝わり方はまた変わります。
体験をたとえば、こんな風にかいてみたら、先ほどとの違いは感じられますか?
「新しい乗り物はまるで宇宙を自転車で飛び回っているかのように感じられるでしょう。」
つまり、 読者の頭の中に、色鮮やかな絵を描くように、細部をディテールを使うことで、 感情や購買意欲を喚起する可能性が高くなります。
「もっと知りたい」という気持ちを喚起するには、形容詞や副詞をひとことだけ使ってしまって、そこに意味を集約させてはいけません。
つまり、言葉を節約せず、説明を付加するために、言葉をたくさん足す必要があります。
そうすることで、読み手は、あなたの製品やサービスを体験しているかのように想像することができます。
「体験するかのように想像してもらう」ことが、ライターとしてのあなたの目標です。
衣類の例
「暖かい服」と紹介するだけと違って、細部を説明するとはどんな例か、ご紹介します。
「私たちは冬が大好きです。 凍った湖、深い雪、 まぶしいパウダースノウの朝。 そんな素敵な景色のなか、 家族と一緒に過ごすことで、互いの絆はさらに深まります。
そのために、 安全性と保温性を高める最先端テクノロジーを備えた、 アウトドア用のギアやウェアをデザインしました。」
あなたが冬のレジャーにに感じたことのある瞬間を再現してみてください。
レジャー用の、 冬服を買うときに、どんな素敵な時間を想像していましたか?
ディテールを書くために、次の2つの質問を続けてください。
・どうすれば読者の問題解決に役立つか?
・どうすれば読者が欲しいものや時間、体験を手に入れることができるのか?
これを考えて書くことで、感情のスイッチを、あなたは言葉で押すことができます。
読者は、こちらに注意を払ってくれるようになります。
売れるのは、決して安いから売れるわけではないのです。
ライティングは、安いとか高いとかをのりこえて、そして、 押し売りでもなく、 読み手の注意を引くことができる素晴らしい方法です。
この方法は、どんな場面でのコピーライティングにも使えます。
メールやウェブ、 レポートやパンフレットなど。
だから、 セールスレターとかランディングページとか場合を限定せず、どんなものを書いているときでも、 「どうしたら読み手の役に立てるか」を考えてみてください。
ペルソナはこう使うことで活きる
ここまで、読み手の感情を利用して書こう、とお伝えしてきました。
ここで、読み手の心の中に入り込むために、ペルソナをつかう戦術をお伝えします。
マーケティングをやっていれば、かならず「理想の顧客」「理想の受講生」を具体的に想定しようといわれます。
その理想の顧客をひきつけるために、ペルソナを利用するのです。
ペルソナを機械的につくるだけではただのお飾りです。
ペルソナをつくってから、3つの戦術を実行してはじめて、顧客の心を惹きつける要素をみつけてくることができるます。
なので、「ああ、またペルソナか」と読み飛ばさず、ペルソナをつくってから、何をすべきか、という視点で、ここを読んでください。
例えば、 ゴルフ場のグリーンキーパーを顧客対象とし、「芝の種」を販売するとします。
ニッチすぎるB2Bの例ですか?
はい。だからこそ、あなたにペルソナ設定の練習をしてもらいやすいと考えました。
架空のお客様像を作り上げます。
名前は、黒田さんとお呼びしましょう。
黒田さんは年齢が42歳。 既婚で娘さんがお一人おられます。
名門ゴルフコースのグリーンキーパーの責任者の仕事をしています。
さて、 あなたは、黒田さんにもっとうまく芝の種を売り込むことができるかを、探し、想像していきましょう。
ここでは、年齢や性別、 役職といった典型的な人口統計の数値を、超えるのがポイントです。
必要なのは、 彼の内面の世界に足を踏み入れることです。
・黒田さんが、かかえる課題は何か?
・黒田さんが感じる痛みはどんな点か?
・黒田さんの、人生や仕事における夢や目標な何か?
これらの質問への答えは、黒田さんがあなたの製品(芝の種)を選ぶ動機をつかむのに役立ちます。
そう、ペルソナは、興味のきっかけを探すのに役立つのです。
そこで、黒田さんというペルソナを活き活きとしたものにするために、3つの戦時術をつかいます。
ペルソナから、実際にあなたの理想の顧客をひきつけることができるようになるための3つの技です。
やってみてください。
戦術1:ソーシャルメディア
あなたも、 ご自身が抱えている問題や課題について愚痴をこぼしたり、 成功体験を自慢したり、 知識を交換する場として、 ソーシャルメディアを利用しています。
そこで、 Facebook、 Twitter、 Linked inなどのネットワークで、 ターゲットとするユーザー、ここでは、黒田さんのようなゴルフコースのグリーンキーパー責任者を検索して探してみましょう。
みなさん何を言ってます?
あなたの「芝の種」ような製品やサービスの何が好きで、 何が嫌いですか?
グループに参加し、 関連するハッシュタグに耳を傾け、 フォローしてみてください。
発している言葉を拾い上げることで、黒田さんをはじめとした、あなたの顧客の心の声がみえてきます。
そして、彼らが、商売相手に何を求めているのかを知ることができます。
戦術2:記事やレヴューのチェック
Amazonなどのレビューサイトで、 あなたの商品やサービス、たとえば「芝の種」ような製品についてのコメントをチェックします。
また、業界のブログ記事、 関連するビデオや記事のコメントをスクロールしてすみずみまで目を通しましょう。
そしてまた、レヴュー覧でのやりとりも見逃さないようにしてください。何を話していますか? 黒田さんをはじめ、顧客となりそうな彼・彼女らが抱える課題は何でしょうか?
期待していることは何ですか?
彼らは何を求め、何が要らないと言っていますか?
これらは、 ペルソナの細部を構築するのに役立ちます。
また、 コピーライティングで、その言葉そのものや、トピックそのものを取り上げることができる材料となります。
戦術3: 実際にウェブの外で、人と話す
同僚や同業者、 営業チーム、 そしてもちろん、できれば既存の顧客にも話を聞いてみてください。
答えの種類に、パターンや、繰り返されるテーマがあるかどうかのチェックは有効です。
何に悩んでいるのかを知りたいという純粋な気持ちで聞けば、答えてくれます。
もし、新規事業なのでまだお客様がいないという場合は、ビザスクというサービスサイトや、知り合いの伝手などをたどって、ペルソナのポジションにいる方に直接話をきかせてくれと、たのむことも有効でしょう。
推測だけで終わらず、ペルソナが興味をいだいてくれるきっかけを考えるための思考を、具体的な言葉という地点からスタートさせてほしいのです。
けっして、想像だけで終わっては、ペルソナは活きません。
戦術1~3をやってみてくださいね。
さて、ゴルフ場のグリーンキーパーの黒田さんというペルソナをきっかけにして集めた情報に話を戻しましょう。どうやって、そこから思考をスタートさせるのか、例をつづけてみます。
Facebookのグループなどで、 芝生の穴に悩まされていることがみてとれました。
「コースが醜い」という会員や、ゲスト客の苦情に悩んでいる、プロ選手からも苦情が来ているなど。
また、もしかしたら、黒田さんが、4大大会のグリーンの完成度を競う業界の賞に応募したことを知るかもしれません。
「競合他社に負けないカメラ写りの良いの芝生を作ろう」というコピーなら響くかなと、アイデアが浮かぶかもしれませんね。
もしくは、給与で悩んでいるかもしれません。
黒田さんは成果主義で給料をもらっているので、 もしかしたら新規会員を増やすことが黒田さんの給料につながっているかもしれません。
そしたら、 「1グリーンでも、メンテナンスがしっかりしやすい芝で、年間を通じてプレーでき、 クラブの会員数を増やす」というような見出しをつけるとよいかもしれません。
もしくは、もしかしたら、 クラブが経費を削減し、 黒田さんは、チームをパートタイムメンバーだけで運営しなければならない状況にあることを、あなたは知るかもしれません。
責任者の黒田さんは、やることが多すぎて、メンテナンス管理に割く時間が足りないのがみてうかがえます。
そうすると、 「生育の早い芝生でメンテナンス時間を50%削減」というような見出しが有効かなと、あたりをつけることができます。
上記、3つあげたコピーは、すべて「芝の種」を売るものです。
ゴルフ場のグリーンキーパーという仕事の方をターゲットにしていますが、 このように、 顧客をよく知れば、痛みをとりのぞく、希望を叶える、適切な言葉で感情に訴え、呼び掛けることができるのです。
活きた言葉を使う、とは
戦術1~3のリサーチで、得ていただきたいことがもうひとつあります。
あなたが書くコピーをパワーアップさせる、「お客様の生の声」を必ずひろいあげておきましょう。
コピーを書くときは、お客様の言葉を使うことが有効です。
お客様が使った言葉やフレーズをそのままライティングに使います。
そのため、印象的なメッセージに出会ったら、 すべてメモしておきましょう。
書き手のわたしたちは、つい、専門用語を使いがちです。特に、あなたがライティングの専門家ではなく、兼任でマーケティングやライティングをやっている方ならなおさらです。
実は、わたしたちは、自分たちの専門用語をつかったら、顧客からは、「縁遠く感じられている」のです。専門用語をつかったほうが、専門家っぽくみえて、信頼を得やすいという考えは、捨ててください。
顧客は、 本当の自分事のように話しかけられるほうが、心を開いてくれます。
例えば、 「このコーチングサービスは、離職率を下げる画期的なソリューションだ」と言う顧客はいません。
そうではなく、経営者なら、「もう、いつ辞められるかとビクビクしたり怖がったりすることはありません。このままずっと永くうちにいてほしいです」と言うだけです。
だったら、あなたのサービスを使えば、「辞められることを怖がる必要がない」と表現をすることができるのです。
ここで、「離職率」とか「定着率」とか「ソリューション」とか、いった言葉は不要なのです。
コピーの、ヘッドライン、ボディコピー、コール・トゥ・アクションに、 顧客の生の言葉を使うことで、より効果的になります。
さて、今後は、あなた自身の番です。
あなたが書きたい読者を選んで、ペルソナの3つの戦術を実行してみてください。
書けたら、次に、その人がどのような風貌の人なのか、 無料のストック画像から、なんとなくでいいので人物写真を探し出してみてください。
言葉だけでなく、顔も画像で出来上がったら、その人をより想像しやすくなります。
もしかしたら、あなたは、先ほどの戦術3つのうち、一つだけを取り入れるだけかもしれません。
全部の項目がみつからないかもしれませんが、ベストを尽くしてください。
前半のまとめ
さ、基礎編も半分を過ぎ、 順調に進んでいます。
ここまで読んで、作業をちゃんとすすめてきたご 自分をほめてあげてください。
言霊っていいますよね。
ご自分にかける言葉にも、言霊を込めると、自分にも魔法がかかります。
これほんと。
だまされたと思ってやってみてください。
来週は、基礎編の後半です。
ご質問があったら、メールで和田およせください。
[…] (参考)コピーライティングの基礎知識(1)、(2)、(3) […]