目次
第1章 なぜ戦略的記事設計が必要なのか
自社サイト(オウンドメディア)にブログ記事をずっと投稿しているのに、なかなか問い合わせや資料請求につながらない。
そんなお悩みを抱える中小企業のマーケティング担当者は少なくありません。
その原因の多くは、記事が「読まれる」ことにフォーカスされ、「成果につながる行動設計」が抜け落ちていることにあります。
いま求められるのは、「見込み客の温度感」と「検索意図」に沿った、戦略的な記事設計です。
メルマガ登録してほしいから記事を書いている、その対象の読者の状態に合わせて、気づきを与える記事、課題を明確にする記事、具体的なアクションへつなげる記事といった、それぞれの段階を設計し、コンテンツを配置し、ダウンロードしてもらうまでを、きちんと連動させることが成果を生む鍵になります。
本記事では、
- 見込み客の段階には3種類があること
- Google検索意図の4分類(Know/Do/Buy/Go)があること
- トピッククラスターの活用方法
これらを組み合わせた、SEOで成果を出すためのオウンドメディア戦略を体系的に解説します。
第2章 3段階の見込み客とは?
最初に理解すべきは、「見込み客には温度感の違いがある」ということです。
見込み客は、一般的に以下の3つに分類されます。
潜在層(課題がまだ顕在化していない)
- 自分に課題があるとまだ気づいていない
- 興味関心ベースで情報収集をしている
- 「なんとなく読んでいる」「偶然たどりついた」状態
準顕在層(課題を自覚し、情報収集中)
- 課題に気づいていて、何か解決策を探している
- 具体的な手段やノウハウを知りたい段階
- 解決策をさがしてたどりついた状態
顕在層(具体的な解決手段を検討中)
- 導入や購入を具体的に検討している
- 比較・検討している最中
- サービスや商品をさがしてたどりついた段階
それぞれの段階で、知りたい情報の内容も、行動の意欲も異なります。にもかかわらず、多くのブログ記事執筆者はこの違いを無視し、おしなべて同じ温度感の「見込み客(読者対象)」に対することを想定して記事をつくってしまっていて、一律のトーンとなってしまっています。
ではつまり、見込み客の3種類にむかってそれぞれ別の記事を執筆すればいいのか?と思われた方は、勘が鋭い!はい。そのとおりです。
ただ、そのまえに、SEO対策のひとつの大切な技術とされる、検索クエリについても確認しておきましょう。
第3章 Google検索の4分類とは?
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力した具体的な文字列やフレーズを指します。
検索クエリから、ユーザーの検索意図が想像できます。
(※ ただし、検索クエリ=検索意図ではありません。例えば、同じ「渋谷 ランチ」という検索クエリでも、ユーザーが「おしゃれなカフェ」を探しているのか、「安くて美味しいお店」を探しているのかによって、検索意図は異なります。この場合、検索意図を考慮してコンテンツを最適化したりする必要があります。
ユーザーが入力し使用する検索クエリ(=検索されるキーワード)をGoogleは次の4つに分類しています。
Knowクエリ(知りたい)
- 情報収集・学習が目的
- 例:「SEOとは」「中小企業 集客 方法」
Doクエリ(やってみたい)
- 行動・実践をしたい人の検索
- 例:「SEO チェックリスト」「リスティング広告 始め方」
Buyクエリ(購入したい)
- 比較・検討、導入を検討している段階
- 例:「SEO 外注 相場」「SEO サービス 比較」
Goクエリ(特定サイトに行きたい)
- 目的が明確、サービス名・ブランド名で検索
- 例:「株式会社〇〇 SEOサービス」
検索者の意図によって、求めている情報の深さも緊急性も違います。この検索意図を理解することで、見込み客の段階と結びつけた記事設計が可能になります。
第4章 3段階 × 4分類 マトリクスで考える“記事の役割”
では、リストをあつめるオウンドメディアをつくる際、「3段階の見込み客」と「検索意図の4分類」をかけ合わせると、どのような記事設計が可能になるでしょうか。
3段階 × 検索意図マトリクス図:記事設計の参考マトリクス図
見込み客の段階\検索意図 | Know(知りたい) | Do(やりたい) | Buy(買いたい) | Go(行きたい) |
潜在層 | ✅ 基礎解説・背景 | △ 興味付けチェック | ❌ 不適 | ❌ 不適 |
準顕在層 | ✅ 導入知識 | ✅ 実践記事・比較 | △ 費用情報 | ❌ 未検討 |
顕在層 | △ 参考程度 | ✅ 導入準備 | ✅ 比較・料金情報 | ✅ 導入事例・公式 |
それぞれの記事設計のポイントと、記事タイトル例を挙げておきましょう。
潜在層 × Know
- 「SEOとは?中小企業のための基礎ガイド」
- 「問い合わせが来ない理由とは?」
準顕在層 × Do
- 「SEO対策チェックリスト」
- 「SEOとリスティング広告の違いと使い分け」
顕在層 × Buy/Go
- 「SEO業者の費用比較・導入フロー」
- 「〇〇業の事例:3か月で問い合わせ3倍に」
つまり、GoクエリやBuyクエリは、顕在層むけに近いキーワードといえます。
また、knowクエリは、潜在層向け。
Doクエリは、準顕在層向けといえます。
このように、各段階の検索意図に応じて段階がわかったら、そこの記事を読んだユーザーに対して、「次に取るべき行動はコレ」と、つなげ、行動を起こしてもらうことが、リスト化・成果化のカギになります。
第5章 トピッククラスターにどう落とし込むか
ここまでの理解を前提に、では「どういう構成で記事群を設計すればよいか?」を考えると、効果的なのが「トピッククラスター」というモデルです。
簡単に、トピッククラスターの用語を説明しておきます。
トピッククラスターとは
- トピック:中心となる包括的なテーマ(例:「SEO集客とは」)
- クラスター:トピックを補足・拡張する具体記事群(例:「チェックリスト」「費用比較」など)
柱となるトピック記事を中心に、その周りに関連記事がリンクでつながれるモデルです。ハブ安堵スポークと呼ばることもあります。
記事をモデル化すると次のような図になります。真ん中の〇がトピック記事、周りの〇がクラスター記事、真ん中と周辺の記事がリンクでつながれます。

トピッククラスターのモデルがわかったところで、上記お伝えしてきた、検索している見込み客=検索ユーザーにはその段階に沿った記事を最適化して届ける必要がある、ということと、を組み合わせてかんがえてみましょう。
トピッククラスターモデルの記事群をつくるときに、トピックとクラスターには、どの見込み客層・検索クエリ層をあてるべきかも、下記のように気を配ってください。
トピック記事は、潜在層 × Knowに当たる記事が最適です。
- 例:「SEOとは?集客に活かすための基本と全体像」
- 特徴:広く浅くカバー/全体設計の起点/ナビゲーションとして機能
クラスター記事は、準顕在~顕在 × Do/Buy/Goに対応する深堀記事
- 例:「実践できるSEOチェックリスト」 「成功事例から学ぶSEO改善」 「SEO外注費用の相場と比較ポイント」
このように設計すれば、記事どうしのリンク構造も強まり、SEO評価の面でも、ユーザー体験の面でも強いサイトになります。
第6章 【まとめ】いま、自社に必要な記事設計とは?
SEOで成果を出すオウンドメディアを作るには、単発の記事を量産するのではなく、「誰に」「どのタイミングで」「どんな情報を届けるか」を意識した、全体設計が求められます。
- 見込み客の段階に応じて
- 検索意図の種類に応じて
- トピックとクラスターを組み合わせて
この3点を連動させて設計されたメディアは、ただアクセスがあるだけでなく、「読まれて」「信頼されて」「行動される」資産になります。
この記事に組み合わせて、最適なダウンロード資料案内を的確に配置することで、リストはより大きくなるでしょう。
(参考 最適なダウンロード資料案内つくって、的確に配置する方法)
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