もっと高い価格をつけたい。
そうおもったら、アンカリングも利用してください。
より大きな数字の文脈のなかにおくだけで、人は高い価格のものを買うのは当然と考えるようになります。
アンカリングでやるべきこと
製品(サービス)を、大きな数字の文脈のなかにおくだけでOKです。
「え、ただ置くだけ?」
と思われましたか?
はい。そうなんです。
モノの例
ちょっと考えてみてください。
オンラインコースの録画編集ができるパソコンを買うのに、10万円以上かかると思いますか?それとも10万円以下で買えるとおもいますか?
…
…
すみません、ここでは、「10万円以上する」と答えていただきたかったので、「10万円以上する」前提で話がすすみます。
あなたは、それを買うことになりました。
いくらぐらいで買ったでしょうか?
…
…
…
…
あなたがおもいついた数字は?
あなたが思いついた数字を、わたしは知っています。
なぜなら、パソコンが10万円以上かそれ以下かと、最初に伝えていた数字から、さほど離れていない数字を、あなたは思い浮かべていたはずだからです。
アンカリングとは
上記パソコンの例では、別に1円以上の数字であれば、実際の正解はどれでもよかったのです。
でも、あなたは、10万円の数字に近いけれど少し上の価格を想定したはずです。
それは、最初に、わたしから「10万円以上するとします」という言葉が発せられたのを見知っているからです。
「以上」と言われていたから、価格も10万円より上にシフトします。
でも、さほど離れた上方へ大きくはシフトしません。
低い数字でアンカーをうたれると、それより上へは、なかなかゆきずらいのです。
でも、逆もあります。
高い数字でアンカーを打たれると、その高い数字近辺の数字を想起するということが発生します。
たとえば、「上場企業の課長クラスの年収程度の車の値段と同じかちょっと低いぐらい」という説明をうけたとしましょう。
仮に、「上場企業のマネージャークラスの給与」が、年収1200万円程度だったとします。
すると、あなたは、「1200円万円程度かな、もうすこし低めかな、1000万円ぐらいかな」と、下へ移動して想像します。
つまり、「1000万円」とさほど大きく隔たりのない数値が想起されるのです。
アンカリングの使い方
低い数値を想像させない。
高い数字で当たり前と思ってもらう。
そのために、どうすればいいのか?
ずばり、高い数字から話しをスタートさせます。
売上をのばすためのアンカリング
高い数字から話をスタートさせるのは、お分かりいただけましたね。
売上をアップさせるためには、アンカリングを使う箇所は2か所あります。
理由は、
売上=価格×数量
だからです。
ひとつめは、価格そのものを高くしておくこと。
和田は、コンサルティング費用を、人件費と比べて、「お得感」を演出するために、アンカリングをこんなふうに利用しています。
会社は、従業員一人あたりの給与の3倍の売上をあげている必要がある、という法則があります。
これを利用し、経営者にたいして、コンサルティング費用が、経費削減しながら、成果を出せる、いかにすばらしい内容かを説得するために、こんな例を出します。
「戦略立案できるマーケティングマネージャーを雇おうとおもったら、最低でも、年収500万円はかかります。会社としては、福利厚生費用なども含めると、人件費が1000万万円以上かかっていることになります。それを、弊社のコンサルティングサービスをご利用いただけるなら、年間300万円を、外注費としてお支払いいただくだけで、同じ効果を得ていただけるのです」。
1000万円以上する価値がお得、といわれても、経営者さまは、だいたい7~800万円ぐらいならお得かなと想像してしまいます。
それが、なんと、300万円で手に入ると。
と、後からおもいがけなく低い数字の情報を提示されると、「かなりお得」に感じることになります。
もうひとつは、購入数量や、サブスクなら継続年数も、数字の大きな文脈のなかに置けます。
たとえば、年間5万円のサブスクサービスがあるとします。
年単位で、契約する人に、「このサービスは5年で著者になれるところまでお連れするサービスです」と案内するとします。
すると、ひとは、「5年はサブスクを利用し続けよう」と心に決めて、在籍するひとが増えることになります。
5年も居るつもりはないけれど、ちょっとはじめてみようかなという人ではなくて、「5年頑張ってみようかな」という人を呼び寄せることになります。
最初に高い数字を提案しただけで、購入数量や、継続年数が増えるのです。
アンカーのおさらい
高い数値でアンカーを打つと、その高い数字より少しさがったところで調整された数値を、多くの人は想像します。
価格だけでなく数量を増やすこともできます。
近くに大きな数字があることで、人々は抵抗なくお金を使うようになります。
あなたがやるべきこと
あなたの製品(サービス)を大きな数字の文脈のなか置いてみてください。
大きな数字が近くにあると、その数字の近くが妥当と考えるようになります。
さあ、あなたの価格を、大きな数字の文脈に置くとしたら、どんなストーリーを展開すればいいか、まず文脈をどうするか、考えてみてください。
ここは、あなたのストーリーテラーとしての力の発揮しどころです。
悩んだら?
和田のプライシングに関するUdemyコースのQ&Aまでご相談をテキストでおよせください。