「メールマーケティングで成果を挙げるためにお得な情報を与え続けなければならない」と思い込んでいませんか?
マーケティングはコミュニケーションです。
特に、メールマーケティングは双方向性のあるコミュニケーションが取れる手段です。
この双方向性という特性を活かすのもメールマーケティングの正しい使い方の一つです。
今日の話題は、こんな質問をいただいたことからはじまります。
「レビューを欲しいとリスト(メールマガジン登録者)に対してお願いするなんて、できません。もともと、無料の動画教材なので、これ以上割引できないからです」
この質問に対して、わたしからは、2つお伝えしました。
1 お得な情報とは、割引ばかりではない
ひとつは、リストに対して「お得な情報を渡して、価値を与え続ける」という姿勢はすばらしいです。ですが、価値を渡すこととは、なにも金銭的なお得ばかりでなくてもいいのです。
受け取り手がすでに受講している有料教材のほうが有益な情報が多いかもしれません。でも、「さっと15分で復習できます」とか、「学習の漏れ抜けのチェックに利用していただいて学びを深めていただけます」といった案内でも、充分有益な情報になります。なぜって、伝えるという点においては、大切なポイントは何度も伝えることでやっと「大切なことなんだ」とわかるようになるものだからです。
ここでは、必要な人に必要な情報をプラスαでお届けすることもまた、受け取り手にとっては「お得」になることを強調したいです。
レヴューのお願いをする無料教材が、受け取り手にとって、なにかしら動画を観る時間を使うに値する価値があると伝えるだけでいいのです。その価値を認めてもらえれば、レヴューも書いてもらいやすいでしょう。
2 いつもいい情報をありがとうと思わせる
もうひとつは、今日の本題になるのですが、メールマーケティングで効果をあげるメールの使い方のひとつに、レヴューやアンケートへの協力をお願いすることも含まれているからです。
受け取り手に返信というアクションをお願いすることも、メールマーケティングの正しい使い方のひとつだと伝えると、またこんな質問がかえってきます。
「でも、なにか受け取り手にしてほしいとおもったら、割引とかお得を付けないと、返信してくれないのではないでしょうか?」
たしかに、「レヴューをくれたら、この限定ワークシートをあげるよ」とか、「レヴューをくれたら、この新商品を差し上げるよ」といったものから、「クッキーをあげるよ」といった単純なものでも、「対価として何かを差し出す」ことは、レヴューの返信率に大きく影響することは間違いありません。
ただし、レヴューなどの返信をお願いするときに、かならず何かを差し出さなければならない、というわけではないのです。
レヴューをもらうことによって、そのレヴューをあなたがどう使いたいのか、今度どうしてゆきたいからレヴューをお願いするのかを正直に話すことによって、情報の受け取り手は「返信してあげよう」気持ちから行動を起こしてくださります。
そもそも、マーケティングは、情報の受け取り手に、こちらが意図した行動をおこしてもらうことを最終目的として活動します。
情報の受け取り手は、「キャンペーンURLをクリックしてね」とか、「YouTube動画をクリックしてね」とか、「Instagramでいいねをおしてね」、「この無料情報を請求してね」と、そのひとつの目的にむかって、行動させられるように、言い方は失礼ですが、定期的に継続的に接触をうけるメールから躾けられます。
だから、なにか、あなたからのメールに書かれた行動依頼にたいして、行動するといいことがある、という習慣づけがされていることになります。
信頼を裏切らなければ、むしろ「行動を起こさなければ自分は損をする」ぐらいにまで、思ってくださる関係を築くことができます。
こうなったら、レヴューをお願いするときに、「あなたからのレヴューおを元に、講師のわたしがよりよい教材をつくったら、さらにあなたのお役に立てます」と訴えかけられたら、それだけで、じゃあ、レヴューを書いてみようと、思っていただける関係にもうなっているはずなのです。
そのうえ、人には返報性の法則という心理も働きます。相手から何かを受け取ったときに「こちらも同じようにお返しをしないと申し訳ない」という気持ちになる心理効果です。
メールでずっといい情報ばかりを送ってくれる人から、たまにお願いをされたら、日ごろの感謝の気持ちを込めてそのお願いに沿って、感謝の気持を返したいと感じて、返信の行動をおこしてくださることを期待していいのです。
わたしの勝手な持論ですが、これは『7つの習慣』ででも同じことを言われているように考えています。
『7つの習慣』は、信頼残高を積むことに焦点があたって読まれていますが、信頼残高は積むばかりではなく、信頼残高が高ければ、残高を引き出して使ってもいい、また積めばいいだけなのだから、と説かれているとも読めます。
決して信頼残高を使ってはいけないとは言われていないのです。(でなければ、銀行口座のような喩えで説明されないのではと思うのです)。
まとめ だから割引がなくてもお願いしてみて
話しを、メールの受け取り手の立場にもどしましょう。
次のような2つの要素が重なり合って、「割引」がなくても、返信してくださいます。
・情報の送り手であるあなたから指示された行動を起こすといつも何かいいことが起るので、パブロフの犬のように、今回も、将来的にいいことがきっと起ると期待して返信をくださる
・いつも自分にとって有益な情報をくれる情報の送り手であるあなたに、感謝の意を表したくなるり返信をくださる
あなたは、今回は、「信頼残高を引き出す」ことにあたるかもしれないと恐怖を覚えるのかもしれません。
でも大丈夫。
もしそうだったとしても、また信頼残高を積めばいいのですから。
約束をして、約束を守る。
このコミュニケーションを続けていきましょう。
もし、メールマーケティングをすすめる上で、情報発信者のあなたの行動を止めるお悩みがあるときは、和田へのご相談を、ご利用ください。効果を早くだして、利益の回収スパンを短くしましょう。
参考
信頼残高のことを、ちゃんと原本から読んで自分のものにしたいとおもったら、この本をいまから手にとってみてください。
返報性の法則は、この本で学ぶと、すっきりします。
マーケティングの心理的な要素も、学べるお勧めの本です。