ダウンロード資料(ホワイトペーパーやチェックリストなど)を提供し、資料請求者はそれなりに居る。だけれど、「無料相談」のCTA(コールトゥーアクション)を設けても、思ったように反応が得られない。こんなお悩みの声を、多くの企業でお聞きします。
ダウンロード資料にて案内するCTA(次の行動を促す呼び掛け コール・トゥ・アクション)を設計する際には、「資料をダウンロードする段階の心理状態」を読み取りながら、次の行動につなげる導線を設計することが重要です。
この記事では、なるべく次のファネルステップにすすんでもらいたいな、とか、資料請求者へ次の案内を促しているけれど、応じてくれる人は少ないな、とそんなコンテンツアップグレードに悩んでいる中小事業所のマーケティング担当のあなたに、CTAの設計方法についてのアイデアをいくつか紹介したいと考えています。
以下、ダウンロード資料につけるCTA設計で考えるべき8つのポイントを紹介します。
目次
- 1. CTAの目的を「段階別」に分けて考える
- 2. 「情報収集段階の悩み」に共感したCTAにする
- 3. “次の一歩”を明確に提示する
- 4. 選択肢を1つに絞らない
- 5. 緊急性・限定性を加える
- 6. 感情やベネフィットを言語化する
- 7. “資料請求した人専用”という特別感を出す
- 8. CTAの設置場所と数を増やして目立たせる
- まとめ
- 1. このダウンロード資料は、見込み客のどの段階を想定していますか?
- 2. この資料の想定読者は、どんな「悩み」や「課題」を抱えていますか?
- 3. 読者は、資料を読むことでどんな「気づき」や「解決のヒント」を得られると思いますか?
- 4. 読者が資料を読んだ直後に「次に考えたくなること・やりたくなること」は何ですか?
- 5. 「無料相談」以外で、読者に価値を提供できるステップは何がありますか?
- 6. この資料を読んだ人に、どんな行動を取ってもらえたら成功と言えますか?
- 7. 読者がCTAをクリックしない理由として考えられることは何ですか?
- 8. あなたの商品・サービスを、もっと知ってもらうための「導線」として考えられるコンテンツは?
- 9. 「あったら便利」と思えるコンテンツは何ですか?(理想でOK)
1. CTAの目的を「段階別」に分けて考える
CTAは、いきなり「無料相談」など、フロントエンドへのコンバージョンゴールを目指すことだけを考えない、というのが基本です。
マーケティング・ファネルでは、リストに入った見込み客を、フロントエンドまでお連れする役割がダウウンロード資料に与えられています。
しかし、マーケティング・ファネルのなかに置かれている、ダウウンロード資料(リードマグネットともいいます)が対象とするのはどんなターゲット層なのか、というのも詳しく考慮する必要があります。
たとえば、ダウウンロード資料請求者は、つぎのようなステップのどの段階に属する人向けに設計しつくられた情報でしょうか?
・「読む」→「知る」→「比較する」→「決める」

このなかの、どの段階にいる人向けかを意識する必要があります。
2. 「情報収集段階の悩み」に共感したCTAにする
ユーザーはまだ「比較・検討」前の段階かもしれません。
例えば、「知りたい」段階のひとむけの資料を読んだ直後の人には、比較するための「チェックリスト」や、決めるための「診断ツール」など、次の関心喚起につながるCTAが有効になります。
あなたが想定するダウンロード資料の対象は、どの段階にて、どんな悩みをもっていますか?
その悩みを解消して、ひも解き、次にすすむならこれ、とようなスモールステップでCTAを設定するとクリック率が高くなります。
例えば、情報収集のひとむけにつくったDL資料なら、次に比較したくなると想定されます。
ということで、「他社との違いがわかる比較表を見てみる」というCTAで、「◯◯の効果、実際どうなの?事例資料はこちら」と案内するといいでしょう。
3. “次の一歩”を明確に提示する
CTAは、「この後どうなるのか」が明確であるほど反応が高まります。なので、案内文をもうすこし、読者目線に落とし込んだものにするといいでしょう。
例えば、ただ「無料相談に申し込む」と書くだけよりも、
→「15分で専門家にあなたの状況を聞いてもらう」
→「相談の日時予約が次の頁ですぐ完結します」とすると、「ちょっと聞いてほしいだけなんだけどな」とか、「予約のやりとりが面倒だな」という気持を乗りこえることができます。
4. 選択肢を1つに絞らない
CTAが「無料相談」一択だと、ハードルが高く、スルーされがちです。
上で述べたように、資料請求者がどの段階にいる人を対象にしているのかにたちもどり、「読む・知る・比較する・決める」のなかで、スモールステップで移動できるような2段階CTAや、あるいは複数の選択肢を用意することも有効です。
たとえば「資料ダウンロードありがとうございます。次に…」
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✅ 専門家に質問してみる(匿名OK)と、選択肢を示すといった具合です。
5. 緊急性・限定性を加える
「いつでも申し込める無料相談」は、後からでいいかなと、面倒な作業を後回しにされる可能性が高まります。
そこで、少しだけ希少性や限定感を入れることで、行動意欲を高めることができます。
たとえば、「今月5名限定で、無料相談受付中」とか、「〇〇の特典付き無料相談は今月末の受付まで」といった具合です。
6. 感情やベネフィットを言語化する
CTAの文言が事務的すぎてませんか?
そのCTAをクリックするとどんなうれしい結果が得られるかを想像させる表現で案内してみましょう。
たとえば「無料相談はこちら」とそっけなく書くだけでなくて、「あなたに最適な選び方が10分でわかる、無料個別アドバイス」と、顧客目線で何が嬉しいのかそのメリットも案内文に書く工夫が有効です。
7. “資料請求した人専用”という特別感を出す
これも、上記の希少性にかかわります。
ダウンロードした人限定の特典をCTAを設定しましょう。そうすることで、特別感と信頼感を演出でき、資料請求者と御社との心理的距離が縮まり、CTAのアクションを起こしてもらいやすくなります。
たとえば、「この資料をご覧いただいた方だけに、限定動画をプレゼント」とか、「この診断ツールは資料ダウンロードした方専用です」。
ちなみに、弊社では、一般公開で無料相談受付入口をご案内しておらず、資料ダウンロード後の方のみに無料相談を案内する入口をおみせしています。
8. CTAの設置場所と数を増やして目立たせる
CTAは、最後の1か所だけに設置するものと、思い込んでませんか?
CTAの表示か所は多ければ多いほどいいです。最低3か所は、露出させましょう。
目次の前や、章の末尾、また本文や途中でも自然に挿入したり、また、そもそも、ダウンロード資料請求で表示させるサンキューページでもCTAをあえて表示し、追加請求を促してみるなどのバリエーションを試してみましょう。
- 資料内:ページ中盤にもCTAバナーを設置、テキストでも案内文を挿入
- そもそものその本体資料のサンキューページ:動画、診断、相談など複数導線を配置
まとめ
CTAを「無料相談」以外で、なにがあるのか?を考えるヒントになりましたか?
特に、「読む」→「知る」→「比較する」→「決める」のどの段階のひとをターゲットにしていて、つぎにどの段階につれてゆくためのCTAなのかをまず明確にし、言語化して整理するところからはじめてみてください。
以下の設問を利用して、あなたのCTAをより有効化させてください。
1. このダウンロード資料は、見込み客のどの段階を想定していますか?
📌 意図:ファネル上のどこか(認知・興味・比較・購入・導入後)を明確にする
2. この資料の想定読者は、どんな「悩み」や「課題」を抱えていますか?
📌 意図:逃れたい痛みを可視化する
3. 読者は、資料を読むことでどんな「気づき」や「解決のヒント」を得られると思いますか?
📌 意図:提供できるベネフィットを言語化する
4. 読者が資料を読んだ直後に「次に考えたくなること・やりたくなること」は何ですか?
📌 意図:自然な次ステップ(CTA)を発想するためのトリガー 。ファネル上のどこにゆきたいとおもっているのかを想い描く(認知・興味・比較・購入・導入後)。
5. 「無料相談」以外で、読者に価値を提供できるステップは何がありますか?
📌 意図:4で答えた「次のやりたいこと」を叶えるために、どんな価値が必要化を考えることで、CTAの選択肢を増やすことができる
- 例:価格表ダウンロード/短時間の動画視聴/匿名で使える診断ツール/成功事例PDF など
6. この資料を読んだ人に、どんな行動を取ってもらえたら成功と言えますか?
📌 意図:KPIや目的の明確化
7. 読者がCTAをクリックしない理由として考えられることは何ですか?
📌 意図:現状のボトルネックを言語化
- 例:ただ資料だけ欲しかった/まずは自分でやってみるため相談するのはまだ早いと思っている/資料だけで満足してしまっている など
8. あなたの商品・サービスを、もっと知ってもらうための「導線」として考えられるコンテンツは?
📌 意図:ソフトなアップセルや教育コンテンツを設計するヒント
- 例:FAQ集、導入成功までのステップガイド、顧客インタビュー、無料メール講座、Q&A動画など
9. 「あったら便利」と思えるコンテンツは何ですか?(理想でOK)
📌 意図:CTAのアイデア発想を広げる
- 例:業界別チェックリスト/◯分で読める導入ガイド/社内稟議用テンプレート など