ドラッカーの有名な言葉「顧客から始めよ」は、よく聞くけれど、ビジネスを始めたばかりの方にとっては、どう始めていいのかわからないとお聞きします。
どうしても、作りたい商品をつくってしまう。
思考が、サービス(商品)提供者目線からはじまってしまうところから抜け出せない。
そんなとき、やっていただきたい、思考を整えるのに有効なワークをご紹介します。
<ワークのすすめ方>
・シートの準備
20枠のあるシートを3枚ご用意ください。
フリーハンドで20個の枠を区切っていただくだけでいいです。
20枠のシート例(写真ご覧ください)
・3つ順番に
このワークは、3つでひとまとまりを成します。
3つ続けてやる必要はありませんが、順番に飛ばさずやってください。
・書きすすめ方
ひとつのワークのなかで、マスがたくさんあります。
端っこからではなく、真ん中からまず書き始めてください。
真ん中から書き始めて、連想ゲームのように、思い浮かんだ言葉を、横の枠へ、隣の枠へと書き進めてください。
・15分集中して
1つのワークは、15分程度時間を確保してとりくんでください。
書き切れなかったら、書き切れるまでウンウンうなるのではなく、時間を一旦区切っておえてください。
<ワーク1 顧客の悩みをあぶりだす>
あなたのところにこられるお客様は、どんな悩みを抱え、どんな不満をもって、あなたのところへこられていますか?
ここでの問いは、あなたの新規顧客は、他の失客、という視点から始まっています。
あなたのところにこられているお客様は、他では解決できないことをあなたに求めておられる。
それはなにか?
を、お客様の声を思いだしながら、書き出してみてください。
お客様は、あなたに、同業種他店の文句をいっておられませんでしたか?
あなたのサービスに代替するものの文句を言っておられませんでしたか?
たとえば、美容室なら、同業他店の「カラーの色が気に入らない」とか。
カフェなら「静かに時間を過ごしたいのに、音楽が大きい」とか。
<ワーク2 あなたが解決して差し上げられること>
先のワークで、お客様の不満や不安を書きました。
このワークは、お客様の不安や不満を、あなたが解決して差し上げられることはなにか?を書いてください。
不安や不満に対応する、同じ枠に、あなたが解決して差し上げられることを書いていただくのがポイントです。
たとえば、ワーク1で、お客様の悩みを8番の枠に「カラーの色が気に入らない」と書いたとします。
ワーク2では、お客様の悩みを解決して差し上げられることとして、同じ8番の枠に「カラーコーディネーターの資格があり、似合わせカラーをご提案できる」と書ける、といった具合です。
・ポイント
解決策に、高品質とか、良いとか、美味しいとか、数字で計測できない形容詞だけの表現はNGです。
具体的に、あなたがすること、できることを書いてください。
<ワーク3 お客様の声を思いだす>
このワークの「お客様の声を思い出す」は、ワーク1の「お客様の不安・お悩みを書く」とはまた違います。
ここで書いていただきたいのは、「今まで頂いたお客様の声で嬉しかった言葉はどんな言葉ですか?」という問いに対する答えです。
まだお客様の声をとるに至っていないという場合は、暫定的にこんなことを言っていただきたいなあとあなたが期待している声で構いませんので、書いてください。
ここのところは、どんどん新しく追加できます。
このワークを一回書いたからといって忘れてしまうのではなく、お客様の声が増えていけばいくほど良いので、お客様の声は、今後もずっとビジネスを続けていく中では、とり続けてみてください。
すでにビジネスを長くつづけているかたも、お客様にどういう点が良かったですかって、積極的にお客様の声を聞くインタビューやアンケートをとりつづけてください。
<ここから知ることができること>
・ワーク1
お客様があなたに「解決してくれる人だ」と期待してくれていることがわかります。
ビジネスは、誰かの役にたつことで、お金が循環する仕組みです。
なので、あなたは、「こんなことが出来る人だと、お金がいただける」という部分を、お客様の声からひろっていただけます。
・ワーク2
お客様の声を実現するために、あなたが出来ること、できないことを区別するワークです。
もしかすると、ワーク1で出てきたお客様の不満・不安から、あなたが解決して差し上げられないことも出てきたでしょう。
でも大丈夫。あなたが解決できないことは、できないと言ってしまって、あなたの頭のなかから捨ててしまって大丈夫です。
・ワーク3
あなただから出来ることとを、お客様の声からひろっていただくためのワークです。
「わたしなんて」と言わないでください。
あなたのところに、あなたを頼ってきてくださるお客様が、ほら、こんなにいるのですから。
あなただけのいいところ、お客様の声から新たに気づかせていただきましょう。