ステップメールは、他社のものを参考に書いて設置してあるけれど、なんだかうまく働いている気がしない、というお悩みありませんか?
ステップメールは、1通づつに果たす役割と、それをつなげる順番があります。
この記事では、ステップメールをもしあなたが3通つくると仮定し、その1通づつが果たすべき役割と、配信の順番について、「育てる型」をお伝えします。
単に、他社を真似して、いいたいことを小分けにして書いただけのステップメールも、理論を知って見直していただければ、きっと成果に近づきます!
目次
第1章 「読まれない・響かない・売れない」ミスと、その処方箋
うまくいかないその原因の多くは、“文章のうまさ”ではありません。
“順番のミス”に、真の原因があるのです。
ステップメールは『何を』『どんな順番で』『どう伝えるか』が全てです。
この章では、初心者が陥りがちな「成果が出ない3つの共通点」と、改善の方向性をお伝えします。
1-1. :多くの初心者が「成果が出ない」理由は“書き方”ではなく“順番”
他社の事例を真似してステップメールを書いたとき、こんな勘違いしてませんでしたか?
・いいたいことを小分けにしてつなげばいいんだ
・まず販売してもいいんだ
・5通なら5個の悩み、7通なら7個の悩みを呈示してそれを解決すればいいんだ
いいえ、そうではありません。
効果が出ない理由は「順番(設計)」にあります。
お悩みが読者に刺さっていないわけではない、つまり、内容の質が悪いわけではないのに成果がでないのは、伝える順番がズレているだけという場合があります。
伝える順番が順番が違うだけで反応は激減します。
1-2. よくある失敗例の共通点
- 【失敗例1】いきなり販売から入ってしまい、読者が引く
1通目から、割引情報を伝えてませんか? 実は、わたしも1通目のテンプレートを長らく、リスト育成後に販売したい商品の限定割引案内をドンと置いてました。
3通だけ流すときには、1通目に販売はまずすぎるのは、いまならわかります。
21通以上メールを配信する他社事例をみて、1通目に割引販売案内をだしていたのです。
- 【失敗例2】毎回同じテンションで“売る”だけ。育てる視点がない
商品説明だけを、メールでお伝えしているケースもよく見られます。
マーケティングを勉強されたがゆえに、販売する時には、「導入事例が必要」「お客様の声が有効」「ビフォーアフターがあるといい」といったことをご存知です。
そのため、3通ともすべてを、「事例紹介」「お客様の声紹介」「ビフォーアフター紹介」にしてしまわれるケースが後をたちません。
これだと、信頼を醸造する教育部分が欠如していることになります。
3. 改善への処方箋
ステップメールには「育ててから売る」流れがあります。
正しい流れは、コレ
- 「教育 → 信頼 → 販売」
次章からは、1通づつの役割と書くべき内容を詳しく解説します。
第2章:1通目で“売らない”理由──信頼を得るために、まず「価値提供」から始めよう
ステップメールで最も多い失敗のひとつが、1通目からいきなり売ろうとすることです。
「キャンペーン開催中です!」「このサービス、あなたの会社にぴったりです!」
たしかに熱意は伝わりますが、読み手からすれば、「あなた、誰?」の状態です。
信頼関係がないまま“売り込み”をされても、心は動きません。
そこで必要なのが、価値提供型の1通目です。
1通目では「まずこの人のメールを読み続けてみよう」と思ってもらうことがゴール。
売ることではなく、「この人の話、ちょっとためになるかも」と思ってもらうことが重要なのです。
2-1 なぜ“価値提供”が信頼につながるのか
人は、自分の課題や興味にマッチした情報をくれる人に対して、自然と信頼を抱きます。
それは商品を売り込むよりも強い影響力を持ちます。
「この人のメール、役立つな」「自分のことをよくわかってくれているな」
——この感情が芽生えた瞬間、次のメールが“待たれる存在”になるのです。
この「役に立つ=価値がある」と感じさせることが、1通目の最大の役割です。
2-2 読者にとって「価値」とは何か?
ここでひとつ気をつけたいのは、送り手の考える“価値”と、読み手の考える“価値”は違うということ。
自分の言いたいことではなく、相手が「知りたかった」「知ってよかった」と思える情報が価値なのです。
たとえば、町工場の営業力アップを支援するコンサルタントとして提供できる価値は以下のようなものです:
- 共感コンテンツ:
「営業活動がなかなかうまくいかない」「市場における競争に負けている」といった、読者の悩みに対する共感を示す話。 - 知識コンテンツ:
「どんな営業戦略が効果的なのか?」「これからの市場で生き残るために必要な戦術」など、営業の基礎や市場トレンドに関する有益な知識。 - ノウハウコンテンツ:
「すぐに実践できる営業のテクニック」「営業活動を効率化するための具体的なチェックリストやツールの使い方」など、即実践可能なノウハウ。
2-3 具体例:たとえば町工場であれば…
- 共感:「営業担当者が何を話しても、商談がうまくいかない。営業の壁にぶつかっていませんか?」
- 知識:「最近の市場では、営業の進め方も時代に合わせたものが求められています。例えば、従来型の“飛び込み営業”よりも、顧客のニーズを引き出す営業が効果的です。」
- ノウハウ:「営業担当者の力を引き出すためには、まずは営業の流れをしっかり整理し、効率的な営業スクリプトを使うことがカギです。」
これらの内容を1通目に届けると、読者は「へえ、面白い」「この人、信頼できそう」と感じ、次のメールを読んでもらえる確率が高まります。
2-4 1通目のゴールは「読まれる関係を作る」こと
忘れてはいけないのは、**1通目のゴールは販売ではなく“信頼関係の入り口をつくること”**だということです。
読み手が「この人のメール、また読んでみよう」と思えば、次のステップ(信頼→販売)に進む準備が整います。
逆に、ここで無理に売り込んでしまうと、2通目以降が読まれなくなり、ステップメール全体が無意味になってしまいます。
2-5 この章のまとめ
1通目では「見込み客が本当に知りたいこと・困っていること」に対して、
共感・知識・ノウハウを通じた**“価値提供型のコンテンツ”**を届けることが大切です。
ここでしっかり信頼の土台を築いておくことで、2通目以降の「実績紹介」や「販売の提案」が、自然に響くようになります。
第3章:「信頼」を育てる2通目――“この人になら任せてもいいかも”と思ってもらうために
1通目で価値ある情報を提供し、「役に立った」「また読みたい」と思ってもらえたなら、2通目のテーマは“信頼づくり”です。
なぜここで信頼を築くことが大切なのでしょうか。
それは、販売というアクションを起こしてもらうには、「相手の言うことを信じられるかどうか」が最終的な決め手になるからです。
たとえば、町工場の営業力強化を支援する伴走型コンサルタントであれば、「成果が出るのか?」「本当に寄り添ってくれるのか?」といった不安を、相手は持っています。その不安を払拭し、「この人になら相談してみたい」と思ってもらうには、ただ情報を届けるだけでは足りません。
3-1 なぜ、今“信頼”が必要なのか?
2通目の段階では、読み手の頭の中でこんな変化が起きています。
- 「先のメールは役に立つ情報だった。で、誰がやってるの?」
- 「この人のサービスって、実際どうなんだろう?」
- 「うちみたいな会社でも大丈夫なのかな?」
こうした疑問にこたえるのが、信頼醸成のパートです。
ここで信頼されると、3通目の“販売”に対する心理的なハードルが大きく下がり、「頼んでみようか」「相談してみようか」と、行動へとつながります。
特に、「いますぐ悩みを解決したい人」にとっては、この2通目の“信頼感”が意思決定の決定打になります。
またもし、「まだ悩みを明確に言語化できていない人」でも、他社の事例やプロセス紹介を見ることで、「自分もこうなれるかも」「これは自分のためのサービスかも」と気づくきっかけになります。
3-2 2通目に入れるべき代表的なコンテンツ
では、どんな内容を入れれば信頼につながるのか確認しておきましょう。
定番として、以下のような情報があります:
- お客様の声(感想・レビュー)
- 実績紹介(支援した企業数、成果の数値など)
- Before→Afterの比較(導入前と後で何がどう変わったか)
ですが、ここでよくあるお悩みがあります。
3-3 「うちには実績も事例もない…」そんな場合は?
「まだ開業したばかりで、お客様の声も実績もない」
だけれど、信頼を築くステップメールをつくりたい。
そんなときに使える“信頼づくりの方法”は、実はたくさんあるので安心してください。
✅a. なぜこの仕事を始めたのか?想いと背景を語る
たとえば、「どうして中小企業を支援するコンサルティングを始めたのか」
「どんな想いで企業に寄り添っているのか」など、あなた自身のストーリーを語ってみてください。
これは**“人間味”による信頼**をつくる強力な要素です。
読者は、「実績の多さ」よりも、「この人は本気でやってる」「信念がある」という誠実さに惹かれることも多いのです。
✅b. モニターや無料相談の体験例を共有する
もしモニターや無料トライアル、初期相談を行ったことがあるなら、それを紹介するのも手です。
有料の“実績”である必要はありません。
- 無料相談でこんなアドバイスをした
- 実際に行った支援で、営業手法が改善された
- 試験的にやってみた内容と結果 など
これらはすべて、「行動している人」「すでに役立つノウハウがある人」としての信頼を生みます。
✅c. 自社の取り組みを“事例化”する
「他社事例がないなら、自社でやってみた例を紹介すればいい」
たとえば、「自社営業を改善するためにこの施策を実施してみたところ、問い合わせが月3件から10件に増えた」といった取り組みは、十分な信頼コンテンツです。
3-4 次のメール(3通目)への期待感をあおるには?
2通目の最後には、次回への期待を高める一文を入れておくのがおすすめです。
たとえば、営業コンサルタントの例でいうと:
「では、信頼関係が築けた今、いよいよ“実際のご提案”をしていきます。次回は、なぜこの商品・サービスが悩みの解決になるのか?をご紹介します。」
読者にとって、「売られる」ではなく、「納得して選べる」状態をつくることが、ステップメールの本質です。
販売につなげる前提として、この2通目でどれだけ“安心”を届けられるか、が大きなカギとなります。
すでに実績がある人は存分につかいましょう。
これから実績をつくる、という人も、あきらめないで「本気で動いている人=正しく行動している人=安心出来る人」と感じてもらえる内容を、ここに配置しましょう。
第4章:「買ってください」と言わなくても売れる3通目――“提案”で届ける販売のかたち
第1通目で「このメルマガ、役に立ちそう」と思ってもらい、
第2通目で「この人、信用できそう」と感じてもらえたなら、
いよいよ3通目は“販売”のステップです。
とはいえ、ここで間違ってはいけないのが、「共感」と「信頼」が築けたからといって、急に“売り込み”に転じてしまうと、すべてが台無しになるということ。
読者はまだ、あなたをじっと見つめている段階です。
「やっぱり最後は売るのね」と思われたら、これまでの積み重ねが一気に崩れます。
では、どうしたらいいのでしょうか?
4-1 “売り込み”ではなく“提案”にする、たった一つの違い
それは、「買ってください」ではなく、「あなたの悩みを解決する方法の一つとしてご紹介させてください」と伝えること。
売り込みは「自分都合」、提案は「相手都合」です。
たとえば、町工場向けの営業力強化をサポートするコンサルタントであれば、こう言えます。
「実は、前回お伝えしたようなお悩みをお持ちの企業様に向けて、1対1で一緒に取り組める支援プログラムをご用意しています。『具体的に何をするのか?』『なぜ効果があるのか?』を、今日はご紹介させてください。」
この一文に、読者への敬意と“選択の自由”を残す姿勢が含まれています。
読み手に「押し付けられている」と感じさせず、「自分にとって必要かどうかを判断できる」空気を届けるのが、提案型の販売です。
4-2 なぜ「信頼」があれば“買ってもらえる”のか?
2通目で信頼を得られていれば、読み手の頭の中には、すでに次のような心理が芽生えています。
- 「この人が言うなら、やってみてもいいかも」
- 「自分たちの課題をちゃんと理解してくれている」
- 「同じような企業も成果を出してるなら期待できる」
つまり、販売の3通目は「背中を押すだけ」でよい状態になっているのです。
この状態では、“セールス”というより、「選択肢を提示すること」が販売そのものです。
そして、信頼を得られていない段階でいくら売り込んでも、逆効果にしかなりません。だからこそ、2通目までの丁寧な積み重ねが重要なのです。
4-3 「悩みが言語化できていない人」にも届く販売文とは?
悩みが明確になっている人には、「これが解決策です」とストレートに伝えることができますが、「うちの課題が何かよくわからない」という読み手には、事例ベースで語るのが効果的です。
「実際にこの支援を受けた町工場では、営業フローが明確化され、1か月後には見積もり依頼が2倍に。何を行ったのか? どんな手順だったのか?を具体的にお伝えします。」
このように、「あ、自分たちにも応用できるかも」と感じさせることで、読み手が自分ごととして受け取れるようになります。
4-4 最後に――次の行動を促すやさしい“後押し”を
CTAを効果的に配置ししめくくりましょう。
販売メールの最後は、呼びかけで終わるよりも、「次に何をすればいいか」がわかるひと言で締めるのが理想です。
「もし気になる点があれば、お気軽にこのメールへ返信ください。個別にご案内させていただきます。」
読者が「買う」「買わない」を選べる自由を尊重しながら、
次のステップに進む道筋を、そっと提示する。これこそが、売り込まずに売る技術です。
第5章 まとめ
今回はステップメールの基本として、「教育 → 信頼 → 販売」の3通構成をご紹介しました。
実際の現場では、これに反応の高いコンテンツを“分けて”届けることで、5通・7通と増やしていくケースもあります。
たとえば、教育パートを2回に分けてより深く共感を得たり、信頼パートで複数の実績を紹介したりといった工夫です。
ただし、まずは、今回お伝えした「3通構成」を基本軸にして、自社の見込み客に合った設計を試してみることが大切です。
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