小規模事業者には、顧客を増やすために、メールマーケティングよりも、SNS利用のほうが向いている、とお考えの経営者もおられるでしょう。
ですが、この記事では、SNSよりもメールマーケティングが、どんな点で、どのようにSNSよりも優れているのかを、具体例をあげてお伝えします。
また、小規模事業者の方が最初に乗りこえていただきたい、メールマーケティングを始めるための、ゼロからリストを集めるアイデアも最後にお伝えします。
目次
メールマーケティングがSNSより優れている点
メールマーケティングの優位性をSNSと比較して強調したいのは、つぎの3つポイントです。
優れているポイント1 確実に顧客に届く
メール配信したほうが、SNSで投稿するだけと比べて、情報は確実に顧客もしくは見込み客の手元にとどきます。
メールは、受信者のメールボックスにプッシュで届けられます。しかし、SNSは、情報が流されてしまい、大切な情報をとどけるには不確実性が高いです。
小規模事業者は、投稿したり執筆する時間資源も、また広告費投下という資金資源も限られています。そんな資源が限られている者にとって、情報が確実に届く手段をとることが、利益を効率よく得るために必要です。
優れているポイント2 費用対効果が高い
たとえばキャンペーンを実施する折、メールマーケティングを実施する費用は、SNS広告にかける費用よりも少なくて済むにもかかわらず、売上の効果が高いです。
メールマーケティングを行うリストさえあれば、メールマーケティングだけで、10万円の商品を、7日間のキャンペーンを実施されただけで、7本も売れた方もおられます。
その方は、同時にSNSでも同じキャンペーン内容を告知されていましたが、SNSからの売上はゼロでした。
メールマーケティングは、そのうえ、開封率や、クリック率などをリアルタイムで計測できるので、キャンペーン期間中に適宜改善してゆくことが容易です。
貴重な資金資源を、無駄に使わないようにするためにも、メールマーケティングが有効ということがわかります。
優れているポイント3 新規顧客をリピート客に育てる
資源が限られている小規模事業者は、常に新規顧客ばかりをおいかけるわけにはいきません。いちど顧客として縁があった方に、なんども繰り返し接触し、リピート客、VIP客になっていただく手法をとるのが、商売の安定化、永続化の鍵です。
もし、新規顧客ばかりを追うことになったら、常に、多額の広告宣伝費が必要になり、利益を圧迫してしまいます。クーポン誌へ支払う広告費が毎月大きくて経営が苦しいと感じておらえるあなたは、いまドキっとしているはずです。
メールマーケティングは、顧客の好みに合わせたコミュニケーションを蜜にとることができ、これにより顧客をリピート客に育てることができます。
一方で、SNSは、一斉配信しかできないため、個別の顧客の嗜好にあわせた情報提供はむずかしいです。いつも、「見に来て下さる」と思っているのは、情報発信側ばかりで、実際は、見に来てもらえているかどうかは、わかりません。
確実に、顧客と継続的なやりとりをむすび、アンケートメールなどで顧客からのフィードバックも漏れずに拾える手法が、メールマーケティングです。
このように、メールマーケティングは、確実に情報を顧客にとどける、コストパフォーマンスが高い、そして顧客との継続的な関係を構築する。という3つの点で、SNSを上回る優位性があります。
これら3つのポイントから、小規模事業者にとってメールマーケティングが、SNSよりも強力な武器となることがわかります。
ゼロからリスト構築を始める小規模事業者のあなたがやるべき5つのこと
メールマーケティングがSNSより優れているのは、わかった。
でも、メールマーケティングを始めるには、メールを配信するリストをつくること(リスト構築)が必要。
結局、ゼロからメールマーケティングをはじめるには、どうしたらいいのさ、と、思われたことでしょう。
そこで、ゼロからリスト構築をいまから始めるあなたに、いまからすぐできるアイデアを5つお伝えします。
ぜひ、できることから順番にはじめ、すべてやってみてください。
リスト構築のアイデア1 ウェブサイトで収集
あなたの事業のホームページに、メールアドレスを収集するフォームをまず設置しましょう。
メールアドレスを登録してください、とただ書いて案内したところで、効果がないので、工夫も必要になります。
メールアドレスを登録してもらえるよう、インセンティブとなる、無料情報提供や、クーポン提供をしてみましょう。
そして、ここで、SNSを利用します。
SNSを利用して、あなたのウェブサイトに来たら、クーポンがもらえるよ、とか、有益な無料情報がもらえるよと、案内し続けることが有効です。
SNSの利用は、ハードルの低い、有益な情報をお伝えし、ただクリックするだけでいいことがあることを伝え続けることに向いています。
リスト構築のアイデア2 実店舗やイベントでの直接収集
すでに顧客とリアルの接点をお持ちの場合、リアルの場で、メールアドレス収集をしていることを案内し、登録を促しましょう。
もし、あなたが店舗を経営しているなら、店舗来店者に、登録を促すアプローチを徹底しておこなってみてください。
店舗で、ただメールアドレス収集の応募用紙を置くだけでなく、声をかけてお願いするだけで、登録率はぐんとあがります。
また、いつも来て下さる方に登録してもらうだけでなく、「メールアドレス収集を目的としたいつもと違う店舗でのイベント」を実施することで、いつもと違う方をおよびして、メールアドレス収集をさせていただくこともできます。
たとえば、ある美容室様は、お仲間のネイリストさん、整体師さんと組んで、ママ向けのリラクゼーションイベントを定休日に実施され、いつもの来店客とは違う顧客層を呼び込み、「ママにやさしい店」として認知されたうえに、メールアドレス収集の数を伸ばされました。
もちろん、提携された、ネイリストさん、整体師さんにも、メリットがあったのは当然のことです。
もし、店舗やリアルの接点をもっていなかったとしても、メールアドレスを収集するために、知り合いの店を借りてイベントを開催してもいいですよね。SNSでイベント開催を呼び掛け、来て下さったかたに、メールアドレスを登録してもらう仕掛けをつくります。友人や知人の店舗や事業所を借りてもいいかもしれませんし、街のイベントなど人が集まる場所に自らでかけていってイベントブースを設置し、そこでメールアドレスを集めるのもいいですね。
セミナーやワークショップを開催し、メールアドレスを収集するという方法ももちろんありです。
リスト構築のアイデア3 SNSの活用
SNSの活用は、メールアドレス収集という目的を達成するためのキャンペーン実施に向いています。
SNSには、低コストで不特定多数にリーチできることや、リアルタイムな情報発信と拡散力があるという利点があります。この利点を活かして、メールアドレスと引き替えにどんないいことが起るかを、拡散しつづけるだけでいいのです。
直接、メールアドレスを登録して、と投稿するのもいいでしょう。
フォロワーさんに、メールアドレスを登録してと、個別に案内するのもいいでしょう。
メールアドレス収集のための、SNSキャンペーンを実施してもいいでしょう。たとえば、期間限定で、SNS経由で登録してくださった方限定の、特別なクーポンがあるとか、特別な特典があるとかの案内だと、お祭り気分があがって、登録してもらいやすくなります。
わたしも、ゴールデンウイーク限定クーポンを発行したりしていました。
リスト構築のアイデア4 地域密着ならではのとりくみ
地域密着型ビジネスならではのメールアドレス収集の取り組みがあります。
たとえば、地域情報誌に、小さな広告を出して、メールアドレスを収集するといった具合です。
地域情報誌は、フリーペーパーもあれば、クーポン誌もあれば、自治体が発行する広報誌や、各種団体が発行するニュースレター的な定期発行紙(商工会議所の広報誌)などがあります。
これらの出稿枠は、全国紙媒体とちがって各段に安い広告費で出稿できるので、広告枠を有効につかう工夫を、一定期間つづけると、効果があがります。
また、地域のイベントや、近隣他店や近隣事業所とのタイアップで、メールアドレスを収集させてもらうのも、地域密着ならではのやりかたです。
メールアドレスを登録してくれたら、素敵なインセンティブがもらえるよというあなたの事業のチラシを、知り合いの店にラックに置いてもらうだけでも、ぐんと露出は高まります。
また地元にある高校など、文化祭などでパンフレットを作成されるとき、協賛企業を求められてますので、そこに協力することで、露出場所を確保することもできます。
このように、地域密着ビジネスの場合は、タッチポイントを増やすアイデアが豊富にあります。あの店のあれ、もしかしてメールアドレスを集めてるのかなと、他店の動向に目をこらしてみると、いろいろ吸収できますよ、きっと。
リスト構築のアイデア5 インセンティブの提供
メールアドレス収集のときに、ただ「メールアドレスを登録してください。今後有益な情報がとどきます」とお伝えするだけで登録してくださる方は、少ないのが現状です。
メールアドレスを登録してくださることによって、登録したらその代わりになにか、いますぐ、いいことが起ることを伝える必要があります。それが、インセンティブです。
たとえば、「いますぐ使える割引クーポンをあげるよ」とか。
わたしは、この手の500円割引インセンティブで、アパレルショップのメールマガジンに、いくつ登録させられたでしょうか。
たとえば、限定グッズがもらえるとか。
インセンティブでいいのは、「いますぐメリットが受けられる」「いまここでしかもらえないもの」というものです。
もし、いままで通りじゃダメだとおもったら
マーケティングを、いままでどおりただ有料広告を出すだけではなく、なにかをして組み替えていかなければならない。
そう、お考えになる経営者兼マーケティング担当のあなたの、メールマーケティングをはじめる行動のきっかけにしていただきたくて、ご案内してきました。
SNSでただ情報を、毎日毎日投稿するだけではだめなんです。
理想は、SNSで情報を拡散したら、それを目にした人をメールアドレス登録してくれる人に転換させ、メールを継続して受け取ってもらえるようにする、このような流れをつくることです。
ぜひ、あなたも、メールリストを集める行動をひとつ、今日決めて、はじめてみてください。
なにから始めたから、和田にもメールでおしえてください。