目次
1. はじめに:なぜ、メール配信ツール選びがビジネスの鍵になるの?
メールマーケティングを始めようと決意したあなた。
まず何を考えますか?
どんなメールを送ろうか、どんなお客様に届けたいか、といったワクワクするようなことを思い描いていると同時に、何を使って送ろうかと考えるは面倒で避けたいなと思うことも含まれているのではないでしょうか。
そう、メール配信の方法や手段は、決定までのプロセスを考えると、時間やあなたの思考を費やす面倒な作業です。ですが、配信ツールは、あなたのメールマーケティングの成功を左右する、とても大切な相棒です。だから、メール配信ツールについて考えることは大切なことなので、面倒だからといいかげんにはできません。
「ただメールを送るだけなら、別にツールなんて必要ないんじゃない?」と思うかもしれません。もちろん、知り合い数人に手動でメールを送るくらいなら、普段使っているメールソフトで十分です。
でも、あなたのビジネスに興味を持ってくれた見込み客が何十人、何百人、そして何千人になったとしたら、どうでしょう?
一人ひとりに手作業でメールを送るのは、現実的ではありませんし、作業にかかる時間も莫大になってしまいます。
1-1,手動でのメール送信の限界と、ツールがもたらす効率化
手動でのメール送信には、次のような限界があります。
- 時間と労力の浪費: 顧客リストが増えるほど、メール送信だけで一日が終わってしまいます。
- ミスのリスク: 宛先の間違いや、添付忘れなど、人的ミスが起こりやすくなります。
- 効果測定の難しさ: 誰がメールを開いてくれたか、どのリンクをクリックしてくれたか、といった効果が分からず、改善策を立てることができません。
一番避けたいのは、人為的なミスでしょう。あなたもきっと、BCCで送られるはずのメールが、CCで送られてきて、「すみません、メールアドレス(個人情報)がわかるように送ってしまいました」というお詫びメールを受け取ったこと、あるのではないでしょうか。
これに対し、メール配信ツールを使えば、これらの悩みを一気に解決できます。
- 自動化と効率化: 複数の見込み客に、一度に、しかも自動でメールを送ることができます。
- パーソナルなメール: お客様一人ひとりの名前をメール本文に自動で挿入するなど、パーソナルなメールを簡単に作成できます。
- 詳細な効果測定: メールがどれくらい開かれたか(開封率)、どのリンクがクリックされたか(クリック率)などを、自動で分析してくれます。
1-2,個人情報保護という、もう一つの大切な視点
メール配信ツールが欠かせない、とても大切な理由に、お客様のメールアドレスという「個人情報」を守るためという側面は、とても大きいです。あなたの作業の効率化以上に、あなたの信頼を守る砦でもあります。だから、メール配信システムを使う、使わないという選択ではなくて、メール配信システムを使うこと前提で、そのうえで、どのシステムを使おうかという思考にぜひなっていただきたいです。
というのも、ここのところ近年、世界的に個人情報保護に対する意識はますます高まってきており、欧米ではGDPR(一般データ保護規則)といった厳格な法律が整備されています。日本でも、これらの流れを受けて、今後さらに法律が厳格化してきており、この厳格化の流れはさらに加速することが予想されます。
この流れを汲み、メール配信ツールは、お客様のメールアドレスを安全に管理し、法律に則った運用を行うための様々な機能を備えています。例えば、お客様がいつでも購読を解除できる仕組みを自動で挿入してくれたり、同意を得た人だけにメールを送るためのリスト管理をサポートしてくれたりします。
あなたのビジネスが、お客様から信頼され、安心してメールを受け取ってもらうためには、こうした法律や個人情報のルールをしっかりと守ることが、何よりも大切です。
1-3,この記事で、あなたにぴったりの「相棒」を見つけよう!
メール配信ツールは、あなたのメールマーケティング活動を効率化し、お客様との信頼関係を築き、そしてビジネスを成長させるために、欠かせない存在です。
この記事では、数あるメール配信ツールの中から、これから初めて導入しようとする「メールマーケティング初心者」におすすめのツールをいくつかピックアップし、それぞれの特徴やメリットを分かりやすく比較していきます。
この記事を羅針盤にして、ぜひあなたのビジネスにぴったりのメールマーケティングの「相棒」を見つけてください。
[参考記事:ゼロから始めるメールマーケティング:リード獲得のためのステップ・バイ・ステップ]
2. メール配信ツール選びの「3つの視点」:失敗しないためのチェックポイント
メール配信ツールが、あなたのメールマーケティングを成功させるための頼もしい相棒になることはお分かりいただけましたでしょうか。
とはいえ、世の中には本当にたくさんのツールがあります。
「ツールをつかうとはいえ、どれを選んだらいいの!?」と迷ってしまいますね。
でも大丈夫。数あるツールの中から、あなたにぴったりの「相棒」を見つけることができるように、3つの大切な視点をお伝えします。この3つの視点を持ってツールを比較すれば、きっと後悔のない選択ができます。
2-1. あなたの「目的」を明確にしよう
メール配信ツールは、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。
例えば、たくさんの人に一斉にメールを送るのが得意なツールもあれば、顧客一人ひとりに合わせたパーソナルなメールを送るのが得意なツールもあります。
配信の機能が優れているというより、手厚いサポートを売りにしているツールもあります。
ということで、まず、あなたが「何のためにメールを送りたいのか?」という目的を、できるだけはっきりさせることが大切になります。
なにをはっきりさせたらいいか、次のポイントを読みながら、あなた自信の大切にしたいポイントはなにかを考えてみてください。
- リード獲得がメインで使う?
- ウェブサイトのフォームと連携し、自動でリストに登録してくれる機能が大切です。
- リード育成に力を入れたい?
- 顧客の行動に合わせて自動でメールを送る「ステップメール」機能が充実しているかどうかが重要になります。
- 商品の販売促進が目的?
- 特定の顧客だけに割引クーポンを送る「セグメント配信」機能や、メールから購入ページへスムーズに誘導できる機能が役立ちます。
- マーケティング・オートメーション(MA)?
- 販売促進のための業務効率化に役立ってくれることを担ってくれます。
このように、あなたの「やりたいこと」が明確であればあるほど、必要な機能が見えてきます。この「目的」が決まると、ツール選びがずっと簡単になります。
2-2. 「予算」と「規模」を考えよう
次に考えるべきは、「どれくらいの予算で、どれくらいの規模で使いたいか?」ということです。
高機能で安いから拡張性に優れていることを狙って始めたけれど、使いにくい、と感じてしまったら機能を使いこなせなくなる可能性もあるからです。
メール配信ツールには、無料プランから始められるものもあれば、最初から月額費用がかかるものまで様々です。
- 無料プラン:
- 「まずは試してみたい」「顧客リストはまだ少ない」という初心者の方にぴったりです。ただし、送れるメールの数や、使える機能に制限がある場合が多いです。
- 有料プラン:
- 顧客リストが増えてきたら、有料プランへの移行を検討しましょう。有料プランは、アドレス数や月に送るメールの数に応じて料金が変わるのが一般的です。
さらに、将来的に、どのぐらいの規模のメールアドレスをハンドリングしていきたいかという、事業の見通しも、ここで考慮しておきましょう。後でメール配信システムを引っ越しするのは、かなり腰の重たい作業になります。
このように、今のあなたのビジネスの規模に合わせて、そして「将来、これくらいに成長したらこのプランにしよう」と、少し先の未来を見据えておくことが、賢いツール選びに繋がります。
2-3. 「サポート」は大丈夫?
どんなに機能が豊富でも、使い方が難しくては意味がありませんよね。いまは、ほとんど、ユーザーインターフェースは使いやすさが考慮されていますが、あなたとの相性もあるでしょう。さらに、こまったときにどのぐらい親身に助けてくれるかという「サポート」はとても大切なポイントになるかもしれません。
ユーザーインターフェースのよしあしは、無料プランがあるツールだと確認できます。(でも、有料プランしかないツールは、これがわからないのが難点ですね)。
- 直感的な操作性: 画面を見て、直感的に「次はここをクリックすればいいんだな」と分かるような、シンプルで分かりやすいツールを選びましょう。
- テンプレートの豊富さ: プロのような見栄えのいいメールを簡単に作れる、豊富なテンプレートが用意されているかもチェックポイントです。
もしかして、忘れてはいけない「サポート体制」。
新しい機能を使い始めると、必ず分からないことや困ったことが出てきます。そんな時に、手厚いサポートを受けられるかどうかは、ツールを長く安心して使い続ける上で、非常に重要な要素になってくる場合もあります。
海外ツールも、英語翻訳機能を使えば、手厚いサポートを受けられますが。英語表記にアレルギーがある場合や、英語翻訳ソフトを使うのも嫌というときは、日本語サポートが充実しているほうが、いいかもしれません。
(※Mailchimpから日本語でのサポートはありませんが、弊社がMailchimp運用サポートを有償でおこなっております)。
さて、ここであなたに一つ課題です。 あなたのビジネスで、メールマーケティングを通じて最も達成したい「目的」は何ですか? そして、その目的を達成するために、どんな「機能」が一番必要だと思いますか? まずは、この2つの質問を紙に書き出してみるところから始めてみましょう。これが、あなたにぴったりの「相棒」を見つけるための、最初の第一歩になります。
さあ、課題はやっていただけましたか?
「目的」「予算・将来の規模」「欲しいサポート」が固まったら、次の章でご紹介するツールを比較してみましょう。
3. 【徹底比較】初心者におすすめのメール配信ツール6選
無料プランをもとめていたり、個人情報保護の仕組みが大切であったり、到達率が高いことが大切だったり、海外在住の日本人や海外クライアントにむけての配信を考えていたり、と、あなたが重視するかもしれないパターンがいくつもあるので、海外ツールをふくめた、メール配信システム6つをご紹介します。
ツール比較は、つぎの10項目でおこないました。
この10項目は、あなたが日本の中小企業で、メールマーケティングを初めて導入するという前提で、選択しています。
これらを参考にすると、自社に合ったサービスが自然に見つけやすくなります。
中小企業向けメール配信プラットフォーム比較10項目
3-1. 価格体系とコスト
- 無料プラン/トライアル有無
- 月額料金(配信数・登録数で変動)
- 初期費用/最低利用期間
- 超過料金や追加オプションの有無
3-2. 機能面
- 配信メール種別(ステップメール、一斉配信、個別配信など)
- メール作成エディター(ドラッグ&ドロップの有無、HTMLサポート)
- セグメント配信/ターゲティング(属性、行動履歴での絞り込み)
- 自動化機能(オートメーション)
- テンプレートの豊富さ
- ABテスト(件名や本文のテスト配信)
3-3. 配信性能と到達率
- 配信速度・同時配信上限
- 迷惑メール対策(到達率・認証技術)
- レピュテーション管理
3-4. 顧客管理・リスト管理
- 登録フォーム作成やカスタム項目
- リストのインポート/エクスポート
- GDPR/CCPAなど個人情報保護の対応状況
- 重複・無効メール自動整理
3-5. レポート・分析機能
- 開封率・クリック率などの主要指標
- 詳細なレポート(デバイス別・エリア別など)
- Google Analytics他外部連携
3-6. 外部サービスとの連携
- EC(Shopify、WooCommerce等)・CRM・決済等システムとのAPI連携
- 外部カレンダー、チャット、LINE、SNS連携の有無
- Zapierといった連携専門ツールとの接続の有無
3-7. 日本語対応・サポート体制
- 管理画面やサポートの日本語対応可否
- メール・チャットサポート、電話サポートの有無/レスポンス速度
- マニュアルやFAQの充実度
3-8. 権限管理・セキュリティ
- ユーザーごとの権限設定
- アカウントやデータのアクセス制御
- セキュリティ認証(ISOなど)
3-9. システムの柔軟性・拡張性
- カスタム機能やプラグインの有無
- 専用IPやホワイトラベル対応
- 他機能投資・今後の成長性
3-10. 導入実績・業種対応
- 同業他社の導入事例(デジタルコンテンツ販売、EC、実店舗、BtoB利用など)
- 導入社数や運用事例の紹介の有無
他マーケティングツールとの連携を重視したい場合は欧米ツールが、きめ細かい日本語サポートや国内実績を重視する場合は国産ツールが適します。
以下に、欧米(Mailchimp、ConvertKit、Benchmark)、日本(配配メール、める配くん、ブラストメール)の6つのメール配信プラットフォームを、先ほどお伝えした10項目を横軸にした比較表を作成します。現時点で公表されている情報や公式サイトを元に、特長・対応状況などをまとめました(2025年8月時点)。
補足ポイント:
- 「高」や「強力」は同カテゴリ内比較での傾向(独特の目立つ特長)を意味します。
- 「API連携」や「専用プラグイン」があるツールは、デジタルコンテンツ・EC系での自動化に有力です。
- 欧米のツールは外部マーケティングツールや海外サービスとの連携、オートメーション性能で優位です。
4、あなたのビジネスに最適なツールをみつけるための選び方ガイド
機能を10項目で比較したのはいいけど、自分に合ったものはどうやって選べばいい?と思いますよね。
ということで、「あなたなら」なにを重視したらいいか、あなたに最適な配信ツールを選ぶ手順をガイドします。
4-1. まずは「無料プラン」や「お試し期間」からスタート!
- いきなり有料プランに申し込むのではなく、まずは無料プランやトライアル期間があるものを選び、活用してみましょう。実際に使って、さわってみると、使い心地の違いもよくわかります。
4-2. 「連携したいシステム」があるか確認しよう
- ShopifyやTeachableなど、すでに使っている、あるいはこれから使う予定のシステムがある場合、そのシステムとメール配信ツールがスムーズに連携できるかを確認することも重要性です(海外ツール、たとえばMailchimpはZapierをつかうと、連携しやすいです)。MA機能を重視している場合、たとえばHubspotなど、この連携のポイントははずせないでしょう。
4-3. 将来の「成長」を見据えて選ぶ
- 今は小規模でも、将来的に顧客リストが増えたり、より高度なマーケティングに挑戦したくなったりする可能性を考慮して、プランのアップグレードのしやすさや、機能の拡張性も見るべきポイントであることを伝えます。
ということで、自社の規模・業種・利用目的や配信規模、将来的な拡張性やサポートの必要度など、あなたのニーズを明確にしていくと、最適なメール配信サービスが判断しやすくなります。
以下の表は、欧米(Mailchimp, ConvertKit, Benchmark)、日本(配配メール、める配くん、ブラストメール)の主要メール配信ツールを、「会社の規模・業種・利用目的・配信規模・将来的な拡張性・サポートの必要度」といった観点で和田が独自に整理し、推奨度(〇=推奨、△=条件付き推奨)を記しました(2025年8月時点)。
あなたの業種や利用目的ごとに、自社に適したツールを選ぶ際の参考にしてください。
表の読み方・活用ポイント
- 〇は自信を持って推奨、△は特定条件で推奨(例:英語圏運用や高度自動化は△、国内手厚いサポート重視は〇など)。
- 「会社規模」「配信規模」は一般的な中小・中堅企業目線で、1万通を一つの目安に分類。
- 「将来的な拡張性」はAPI外部連携や多言語展開対応を、「サポート」は日本語や電話・運用支援体制を評価。
- Mailchimpはグローバルでの柔軟性・自動化性能が突出。一方、国内専用やサポート重視なら配配メール等が〇。
- ConvertKitは主にクリエイター・小規模個人事業主向けで、中堅企業や大規模配信には△。
- 日本ツールは業界特化や行政導入例もあり、サポート体制重視の事業者に適します。
Mailchimpは自動化や外部連携・拡張性、デジタルマーケティング全般における実績が非常に高く、「他でできることはたいてい網羅」しているといえます。
5. まとめ:賢いツール選びで、メールマーケティングを成功させよう!
メール配信ツール選びは、メールマーケティング成功の重要な一歩であるです。
目的、予算、使いやすさ、そして将来性を見据えた選び方の重要性をみてきました。
ツール選定は、担当者のあなたの思考を大きく占める、なやましいステップです。
この記事を参考に、あなたにぴったりのツールを見つけて、メールマーケティングの力を最大限に引き出しましょう!
メールマーケティング全体のステップを学び、実践したい読者向け
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