メールアドレスの集まり方が思うようにすすまない、どうしたらいいですか?そんなご質問が多いです。デジタルマーケティングの成否のカギを握る、メールリスト集め。リストを確実に集める方法をと考えたら、まず基本の5つの仕組みをきちんと整備しているかどうかをチェックしましょう。このうちの1つでも欠けたら、いくらSNSで有益なコンテンツを配布しても、リストが貯まらないことになります。
なお、この記事のなかでは、メールリストのことを、オーディエンスと表現します。
目次
チェック1 単なるサインアップフォームを3か所以上配置して増やす
メールアドレスの受け皿となるあなたの事業の情報発信基地はお持ちですよね。はい、いわゆるホームページ、もしくは、独自のブログサイトです。そのあなた独自の情報発信基地に、「メールマガジン登録はコチラ」のサインアップフォームを、3か所以上設置しましょう。
おすすめの3つの場所は、メインナビゲーションに配置、記事毎の記事直下に配置、ホーム画面の画面上部に配置、です。
写真はホーム画面の画面上部に配置した例です。
チェック2 関連しかつ有益なコンテンツを提供して増やす
いくらたくさんサインアップフォームを配置したとしても、単に「メールマガジンに登録してね」とお願いしても、余計な作業なんかしたくないわ、と、よほどのニーズがないと登録の作業開始さえしていただけない場合がほとんどではあります。
そこで、関連性があり有益なコンテンツの提供をご提案し、引き替えに、メールアドレスをいただく作戦を追加します。
関連性があり有益なコンテンツの例を5つあげます。
2-1 購読者をVIP扱いする
「メルマガ購読者にだけお得な情報を配信します」と、メルマガ読者をVIP扱いすることを案内します。
たとえば、新製品情報をいち早くお届けするなどです。
メルマガ読者だけが特別に受け取ることができる情報をメルマガで出すと約束し、実行するところがポイントです。
だれでもVIP扱してほしいものです。
そこをくすぐります。
2-2 価値あるコンテンツを渡す
いわゆる「リードマグネット」という無料情報をお渡しし、情報と引き替えにメールアドレスをいただく方式です。これは、e-bookでも、ポイント集でも、ホワイトペーパー(調査資料集)でも、ワークシートでも、チェックリストでも、動画でも、音声資料でもなんでもいいです。
どんなかたちで提供するのか迷ったら、63のアイデアがお役に立ちます。
2-3 景品提供
欲しいと思ってもらえるものを提案し、そのかわりにメールアドレスを登録いただく手段です。
さきほどのは、デジタルコンテンツをお渡しするパターンだったのに対し、今回は、実際のモノをお渡しするパターンです。
これは、登録を促すには非常に効果が高い手法です。
しかし、気を付けていただきたいのは、「あなたの商品を最終的に購入する可能性が高い購読者のメールアドレスを取得する」必要がありますので、関連性のないものを提供したり、単にモノをアピールしたりするのは、辞めましょう。
たとえば、あなたが、「犬の健康長生きのための塾」を運営しサブスクで入会者を募っているにもかかわらず、「Amazonギフト券」や「猫のエサ」進呈を提案し、メール購読者を募るといった方法は避けましょう。関連しませんよね。猫に興味をがある人をあつめても、メールを開いてもらえない可能性があります。
開封してもらえないような有効でないメールアドレスを集めても、あなたから発信するメールサーバーが汚れる危険性をはらんでいます。
(メールサーバーから不要なメールを大量発信していると認定されると、メールそのものを届けてもらえなくなります)。
2-4 記念日ボーナス
「誕生日に非売品プレゼントのご案内をしたいので、お誕生日を登録してください。」と、ダイレクトにお願いしてみましょう。
ただし、この方法は、一番最初に登録いただくときにデジタル空間でのサインアップフォームでお誕生日をお聴きするのは得策ではなく、リアルのイベント会場や店頭で、担当者からお願いする折が有効でしょう。
理由は、下のチェック4にもかかわってきますが、興味が薄い段階で入力項目がデジタル上で増えると、敬遠される傾向にあるからです。
そのため、この方法は、販売のときに、「初めての購入」をする段階まできた人に、会員登録を促すには有効な手段となります。
2-5 割引案内
「いま登録いただくと、〇〇割引が適用になります」というご案内をします。
これも、登録効果の高い方法です。
ただし、この方法も利用は限定的にし、慎重におこなってください。
常に「割引」だけを求めるユーザーを集めてしまう懸念もあるからです。
安売りしか歓迎してくれない顧客は、敬遠したいですよね。
以上が、関連する有用なコンテンツ提供でオーディエンスを増やす方法でした。
チェック3 コンテンツ提供の入口を「あらゆるところ」に配置して増やす
上記、「関連する有用なコンテンツの提供案内」を、あらゆる接触ポイントで行います。
マーケティング用語では、「タッチポイントを増やす」といいます。
顧客のことをリアルに存在する人として、あなたも想像してみてください。
その人は、朝おきて、すぐみるSNSは何ですか?
朝、通勤通学時にどこをとおりますか?
よくいくお店はどこですか?
どんな雑誌をみていますか?
といったペルソナ情報が、ここで役立ちます。
・SNS
・ホームページ離脱時のポップアップで
・ブログ記事の記事中での差し込みにて
・店頭にて
・ポスティングチラシにて
・イベント会場にて
・タウン誌の小さい枠の広告にて
・通勤途上での手配りチラシにて
などなど
生活のなかのあらゆるところで、接触ポイントが生まれます。
あとは、あなたの集客にかける作業時間と、投資先決定で、どこを重視するか、どこまでカバーするかを段階的に決定していきます。
チェック4 ユーザー体験をスマートにして増やす
UXって聞いたことありますでしょうか。
ユーザーエクスペリエンス、顧客体験、のことです。
専門用語にすると難しいですが、なんのことはない、行動する側が「面倒とおもうこと、手が止まることは、しない」ということです。
たとえば、次の2つは特に気をつけましょう。
4-1 リンク機能は正常に保つ
メールのなかにリンクをいれたとしても、そのリンクをクリックしたら、リンク先がエラーで「このページは表示できません」とか出たりすると、次からリンクをクリックする気持が失せてしまいますよね。
4-2 入力を求める情報を少なくする
メールアドレスや、名前などの入力の際、入力欄が画面いっぱいに並んでいて、うんざりして画面を綴じてしまった経験ありませんでしょうか。
サインアップフォームや、コンテンツとひきかえに入力いただく情報は、極限まで少なくしましょう。
ちなみに、和田が、メルマガ登録フォームで「メールアドレス」だけを頂戴するかたちにしているのは、これが理由です。
チェック5 透明性と品質を担保にして増やす
メールアドレスを取られることに、いま、どのユーザーも敏感です。
だから、個人情報を正しく公正に扱っていますよ、というアピールをし、サインアップフォームの挙動もそれに順ずるようにシビアに設定することは、メールアドレスを減らす方向ではなくて、安心が担保されるので増やす方向に有利に働きます。
注意したい事は3つです。
5-1 プライバシーポリシー
ホームページにプライバシーポリシーは当然のこと、掲載されていますよね。
その個人情報保護方針が掲載されている頁へとぶリンクを、メールアドレス入力欄の近くに、配置しておいてください。
プライバシーポリシーをきちんと遵守し運用しますという文言に、リンクをはっておくのがいいでしょう。
5-2 ダブルオプトインを利用する
サインアップフォームを通じてメール登録する際、ダブルオプトイン機能が働くようにすることをおすすめします。
関係性をもちつづけるための第一歩で、「まちがったメールアドレス登録をしたために、お目当ての情報をもらえなかった」という悲劇を減らすためです。
また、情報を受け取る積極的な行動をしてもらうことで、能動的にご自身で情報を受け取る作業を行ったという認識につながり、今後のメール開封率の向上にも寄与します。
5-3 完全な同意のうえでの登録
メールアドレス入力欄の近くに、プライバシーポリシーへのリンクを配置するとともに、次のような、「マーケティングメールの配信も行うよ。解除はいつでもできるよ」という文言もあわせて案内しておいてください。
確認してもらったらチェックボックスに「オン」してもらう方法も、有効です。
同意の確認をとるための文例(ある通販サイトから)
プライバシーポリシーにあるように、商品・サービスの提供に関してメールアドレスが管理者に共有されることに同意します。これにより管理者は、関連する内容についてメールで連絡をすることが継続してできるようになります。この同意はいつでも取り消すことができます。
チェック漏れはありませんでしたか?
5つの項目で、あなたの活動に漏れはありませんでしたか?
もしまだやっていない施策がみつかったら、ラッキーですね。
いまからやっておいてください。
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注釈 リストをオーディエンスと呼ぶわけ
この記事のなかでは、メールリストのことを、オーディエンスと表現しています。
理由は、筆者がMailchimpパートナーになるぐらいの、Mailchimpのマーケティング思想に共感しているからです。Mailchimpが、リストをオーディエンスと表現するのは、「わたしたちとともにすすむ応援者」ととらえているためです。リストと表現すると、単なる、モノや数の印象しかうけませんが、応援者と表現するとそこに顔が浮かびませんか?
メールマーケティングの神髄は、「パーソナライズできること」です。パーソナライズとは、ただ単にスマホに届くということではなく、その人の痛みや嗜好や行動に沿って、メッセージを送信し分けることができることをさします。メールの受け取り手の嗜好や行動をリアルに想像して、メッセージを送り届けることができる環境に、わたしたちは身を投ずるわけです。
だから、わたしも、リストを、オーディエンスと呼ぶことに賛同し、そのように表現しています。